ファイナンシャルプランナー
八木 陽子 さん
- お金や人生を分かりやすく
- −未来をつくるライフプラン−
大学卒業後,出版社で女性雑誌の編集部勤務を経て独立。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
仕事内容を教えてください。
ファイナンシャルプランナーの業務内容は,主に「相談」「講演」「執筆」の3つに分かれます。相談は,お客様の相談内容に合わせてライフプラン(人生設計)やキャッシュフロー表,住宅ローンの比較,資産運用等の資料を作成し,提案する仕事です。
講演は,お金についてのセミナーや子ども向けイベント,学校での授業などです。執筆は,雑誌やウェブサイトなどで記事の執筆や監修を行っています。
この仕事を始めたきっかけは何ですか。
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子ども向けの出前授業
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ライフプランに合わせて相談中
出版社で編集者をしていましたが,夫が九州に転勤することになり,悩んだ結果退職しました。縁もゆかりもない九州で友達も仕事もなく,自分の生きがいや仕事に悩む日々が続きました。そんなとき,ふと興味を持ったファイナンシャルプランナーの資格講座に通うことになりました。編集者時代にお金に関する特集を担当し,漠然と「これからの時代はお金のことを知らないと困りそうだ」と感じていたことも1つのきっかけでした。
この仕事のすばらしさは,ライフプランを作成することだと思います。私は,まず自分自身のライフプランを作りました。「今の私はスタート地点。5年後には,きっとファイナンシャルプランナーの仕事をして,子どもがいて……」そんなふうに,あれこれ考えながらライフプランや目標を立てると,「今」という毎日が貴重で,やらなければならないことがたくさんあると感じました。色あせていると思っていた今の生活が輝きだしたのです。
資格を取得した私は,自分自身を救ってくれたライフプランやマネープランを伝える仕事をしたいと思い,「誰よりも分かりやすくお金や人生を伝える伝道師になる」と決意しました。
この仕事をやっていてよかったと思うことはありますか。
ファイナンシャルプランナーはまだまだ日本では浸透していない新しい職業です。当然うまくいかないことも多いですが,アイディア次第で新しい方法が見つかります。また,起業しているからこそ失敗も成功も自分次第です。さまざまな挑戦ができ,仕事の喜びや,やりがいにつながっています。
相談やセミナーに来られた方が,「そういうことだったのか」とピンときた顔をされる瞬間も,とてもうれしいです。
これからの夢や抱負は何ですか。
子ども向けの金銭教育やキャリア教育,消費者教育に力を注いでいきたいです。ファイナンシャルプランナーによる相談サービスが普及しているアメリカに比べて,日本では知名度も利用度も低いですが,将来の年金など,日本の社会保障を考えると,多くの人にお金についてのセンスを磨いてもらえるようにしたいです。
高校生へアドバイスをください。
ライフプランというほど難しく考えずに,一度,10年後の自分を思い描いてください。そして,高校生の今,そのために何ができるでしょうか。プランを立てる意義は,先の計画を立てることよりも「今の時間を充実させる」ことにあります。将来の計画は,必ずしも計画通りにいくわけではないでしょう。高校生の現在なりたい職業に就けるとも限りません。ですが,先のことを考えることで,今動けること,実行することを見つけ,それを続けることによって,自分に力がついていくのだと思います。
- 経済生活に関わる職種
- 消費生活専門相談員/ファイナンシャルプランナー/税理士/会計士/司法書士/弁護士/環境計量士/産業廃棄物処理技術者/中小企業診断士/経営コンサルタント/通関士/証券アナリスト/経済学者/税務署職員/金融機関(銀行,証券会社,保険会社,信用金庫など)で働く/企業の経理や財務など
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