日本財団

海・川の仕事人

〈飲食店〉の仕事

愛媛県愛南町
てらおか たかよしさん

ひめけんあいなんちょうで,きょう料理のお店を開いています。あいなんちょうは漁業も農業もさかんで,小魚のすり身をげた「じゃこ天」などでんとうてきな「きょう料理」がたくさんあります。この食文化を伝えようと,わたしのお店では地元の食材を使った料理のていきょうを心がけています。また,お店の仕事の他にも,調ちょうゆうの会で「魚の食文化」を伝える活動もしています。イベントであいなんちょうの魚をPRしたり,町内の学校で食育の出前じゅぎょうをしたりしています。

わたしの店には,焼き魚の身を使った「冷やしる」など家庭ではあまり作られなくなった手のかかる料理や,しんせんな魚のさしを楽しもうと,お客さんが来てくれます。さしでとくに人気なのは,初夏がしゅんのカツオです。わたしはお客さんの期待にこたえるため,カツオは必ず魚市場に足を運んで仕入れます。魚市場にはしんせんなカツオがならびますが,しっのつけ根をにぎってるとブルブルふるえるのがせんのいいしょうひんしつのいいカツオをえらくのはしんけん勝負です。

わたしおおさか調ちょうせんもん学校で1年学び,あいなんちょうと松山市の料理屋でしゅぎょうをしました。どちらもきょう料理を出す店で,店長やスタッフのひとがらうでもよく,じゅうじつしたしゅぎょう時代でした。また,母にも家に代々伝わる料理を教わりました。店では毎日,お客さんをいかに喜ばせるかを考えています。しゅんの食材や昔から食べられてきたなつかしい料理をていきょうし,地元の人に愛される,気持ちがほっとする店を目指しています。

助成:公益財団法人 日本財団
協力:NPO法人 共存の森ネットワーク,愛南漁業協同組合
取材・執筆:大浦 佳代/イラスト:友永 たろ,川島 星河,広野 りお