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東京都に関連のある仕事人
1973年 生まれ 出身地 兵庫県
しーいーおー さいこうけいえいせきにんしゃCEO(最高経営責任者)
岡田おかだ 光信みつのぶ
子供の頃の夢:
クラブ活動(中学校): テニス部
仕事内容
事業の技術ぎじゅつ面・資金しきん面・戦略せんりゃく面をリードする
自己紹介
いつも昨日のままではいられない、という思いがあります。たとえば、プロジェクトを進める、より良くする、つねに次の事を考えて行動しています。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2015年07月15日)時点のものです

技術ぎじゅつ面・資金しきん面・戦略せんりゃく面から総合そうごう的に事業をささえる

技術面・資金面・戦略面から総合的に事業を支える

CEO(Chief Executive Officer)はもともと米国企業きぎょうでの名称めいしょうで,企業きぎょう経営けいえい全般ぜんぱん責任せきにん権限けんげんを持つ人を指し,日本語では最高経営けいえい責任せきにん者とやくされています。わたしは,宇宙うちゅう空間に散らばるロケットの破片はへんや古い衛星えいせいなどのスペースデブリ(宇宙うちゅうごみ)を除去じょきょするために,2013年5月にシンガポールでアストロスケール社を立ち上げました。宇宙うちゅうごみは,地球から高度400km~1,000kmあたりに億単位で存在そんざいすると言われ,衛星えいせい衝突しょうとつするなどの事故じこが大きな問題になっているのです。このプロジェクトを実現じつげんするために,除去じょきょ技術ぎじゅつ完成かんせいさせる,国際的こくさいてきなルールを提示ていじする,持続可能じぞくかのうなビジネスモデルを構築こうちくするという3つの大目標をかかげていますが,技術ぎじゅつ面・資金しきん面・戦略せんりゃく面を総合そうごう的にリードしていくのがわたし役割やくわりです。

世界を走り回って宇宙うちゅうごみ問題に警鐘けいしょう

世界を走り回って宇宙ごみ問題に警鐘

1カ月のうち,シンガポールに2週間,日本に5日間,欧米おうべいやアジアを回るのに10日間というスケジュールで動いています。機器の開発や実験,法的な問題の処理しょり,いろいろな国の企業きぎょうや大学などとのアライアンス(提携ていけい契約けいやく,学会に参加したり,依頼いらいされて講演こうえんを行ったり,取材を受けたりと,さまざまな仕事で国内外を走り回っています。今年はパリで行われた航空ショーに出展しゅってんしましたが,たくさんのメディアが取り上げてくれました。これまで,宇宙うちゅう業界以外ではほとんど知られていなかった宇宙うちゅうごみの問題が,少しずつみなさんに知ってもらえるようになってきました。いろいろな場所でこの問題を話すことは,わたしの大きな役割やくわりだと考えています。10cm程度から数mの宇宙うちゅうごみは,地球のまわりに2万以上も存在そんざいしていて秒速8kmという弾丸だんがんのようなスピードで飛んでいる危険きけんなごみなんです。しかも,地上のように微生物びせいぶつ分解ぶんかいしませんから,宇宙うちゅうのごみは半永久えいきゅう的に存在そんざいし続けます。本当は各国が力を合わせて掃除そうじをしないといけないのですが,なかなか進まないのが現状げんじょうです。だから,素早すばやく行動できる民間の力で実現じつげんしたいと思ったんですよ。

全体をどうまとめるかに苦心

全体をどうまとめるかに苦心

現在げんざい,社内スタッフが20名,大学の研究者などのメンバーが30名でチームを組んでいます。今年4月には,東京都墨田すみだ区に小型衛星えいせいなどの機器を製造せいぞうする工場を開設かいせつし,除去じょきょ技術ぎじゅつの開発,実証じっしょう実験などを進めています。わたしの役目は,例えるとオーケストラの指揮者しきしゃです。実際じっさいに楽器をくのはそれぞれの専門家せんもんかたちで,わたしみなさんをコーディネートします。ところが,バイオリンのげんが切れたり,コンサートのチケットが売れなかったり,問題はいろいろ起こります。宇宙うちゅう技術ぎじゅつの開発も同じで,絶対ぜったいということはなく,さまざまな問題が起こります。それらをどう処理しょりし,全体をまとめて思い通りのコンサートを開くことができるか,なかなか大変です。

仲間がえていることを実感

仲間が増えていることを実感

わたし宇宙うちゅう専門家せんもんかではなく,宇宙うちゅうごみに関する論文ろんぶんをたくさん読んで勉強しました。論文ろんぶん著者ちょしゃにも会いに行って話を聞き,小型の衛星えいせい宇宙うちゅうごみを接着せっちゃくして大気圏たいきけんに落としてやすという仮説かせつを立てました。その仮説かせつをいろいろな方に聞いていただき,その方法ならば可能かのうかもしれないと賛同さんどうしてくれる人がえ,実現じつげんに向けて動き出すことができました。エンジニアという仲間だけではなく,事業に投資とうししてくれる方,取材をしてくれるメディアの方,応援おうえんし,協力してくれる仲間がえていることを実感しています。『宇宙兄弟うちゅうきょうだい』の小山宙哉こやまちゅうや氏のコラムでコラボが実現じつげんし,『銀河ぎんが鉄道999』の松本零士れいじ氏が宇宙うちゅうごみを掃除そうじしてきれいになった宇宙うちゅう空間を飛ぶ“月と地球を結ぶ定期便”のイメージを絵にしてくださるなど,うれしいことがたくさんあります。

信頼しんらいが一番大事

信頼が一番大事

どのような立場にいる人でも,ほんのわずかな時間しか関わらない人でも,とにかく一番大切なのは,信頼しんらい関係をきずけるかどうかということではないでしょうか。事の大小にかかわらず,信頼しんらいの積み重ねが仕事を成功にみちびいてくれるものだと信じています。目標を立てて,それに向かって必要なことをブレイクダウンしていくと,決して1人ではできないことが分かってきますし,たくさんの人との交わりのなかでプロジェクトは進んでいくものだということを,日々ひび実感しています。

自分の手で宇宙うちゅうごみ問題を解決かいけつする

自分の手で宇宙ごみ問題を解決する

以前ITベンチャーを経営けいえいしていましたが,ちょうど40さいのころ,自分が本当にやりたい仕事だと思えず,おれの人生はこれでいいのかと考えるようになっていました。宇宙うちゅうの学会には,当時からよく参加していましたが,あるとき宇宙うちゅうごみの専門せんもん会議に出て,深刻しんこくな問題なのにだれ解決かいけつの答えを持っていないことが分かりました。そのとき,自分の手でこの難問なんもん宇宙うちゅうごみ問題を解決かいけつしてやろうと決心したんです。高校生のときにNASA(アメリカ航空宇宙うちゅう局)に行ったときの思い出,世の中の役に立つ仕事がしたいという思い,いろいろな物がピタッと合って自分の居場所いばしょが見つかった感じで,むずかしいからこそ挑戦ちょうせんしてみようという気持ちでワクワクしました。

転機はNASAの訓練所への訪問ほうもん

転機はNASAの訓練所への訪問

中学生くらいまでは,ボーッとした子どもで,特に何になりたいとか,何をしたいとかありませんでした。高校1年の時に,科学雑誌ざっし『ニュートン』の企画きかく応募おうぼしてNASAの訓練所を見学しました。そのときに会ったエンジニア,そして日本人宇宙うちゅう飛行士・毛利まもるさんが,すごく格好かっこう良く思えたんです。そのときに毛利さんから「宇宙うちゅうは君達が活躍かつやくするところ」という色紙をもらい,スイッチが入ったというか,日本にもどってから猛勉強もうべんきょうしました。それまでの学校の成績せいせきは180人中で160番台でしたが,高校3年生になって最初に受けた模擬もぎ試験では全国で1番になり,その後のいろいろな模擬もぎ試験でもつねに1けたの順位でした。自分でも,日本一勉強したんじゃないかと思いますし,結果として今につながっていると思います。

ゆめを目標に変えて行動する

夢を目標に変えて行動する

小学生に将来しょうらいゆめを聞くと,パティシエとか,サッカー選手とか,いろいろと出てくるのに,高校2年になると「自分に自信がない」という答えが3分の2くらいになるそうです。その間の5年間に何が起きているのでしょうか。周囲からいろいろなことを言われて,萎縮いしゅくしてしまうんだと思います。みんなに「ゆめを持っていいんだよ」と言いたいですね。そして,ゆめを目標にしてブレイクダウンしていくと,必ずアクションに変わります。行動を起こすと,1人ではできないこと,1人でやらなくて良いと言うことが分かってきます。ブレイクダウンという言葉が分からない人は調べてみてください。ぼくも,目標の実現じつげんに向かってひたすら行動しています。

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生きていくと、やがて考えなければいけないテーマが必ずあります。生きるって何だろう。死ぬって何だろう。病気って何だろう。家族って何だろう。幸せってなんだろう。それを考えるための入り口を与えてくれる本だと思います。この本を読んでも、答えは返ってきませんが、テーマ別になっていて、入り口はそこから開けると思います。
平野 啓一郎
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取材・原稿作成:株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所/東京書籍株式会社