全国7000校110万人が利用するキャリア教育・職業調べサイト
  • 平成28年度本「教科書に載っている仕事人」~私と仕事~
  • 高 校

パティシエ

柿沢 かきざわ 安耶 あや さん

  • 健康においしく
  • 生産者と消費者の懸け橋

パティシエになったきっかけは何ですか

フランスの食文化に興味があったので、大学でフランス文学を学びながら料理研究家の先生からフランス料理を習い、飲食店でアルバイトもしていました。その ころは接客の仕事が主だったのですが、料理を出す中でお客様ともコミュニケーションが取れて、お互いが元気になれる仕事だと感じましたね。もちろん料理を作ることも楽しくなっていて、この仕事を一生やっていきたいと思うようになって、それからは小さくてもいいから自分のお店を持つことが夢になりました。私は子どもの頃から体が弱く、季節や食べ物で体調が悪くなることもあったので、食べ物が体をつくるということは身をもって知っていましたし、野菜はとても好きでした。そういう経験から、野菜や穀物などを中心にしたマクロビオティックの料理にも触れ、野菜をたくさんとると体調も徐々によくなることを実感し、いろいろ試行錯誤しながら野菜を使ったケーキ作りにたどりついたんです。

仕事の内容を教えてください

毎日朝早くから、お店に出すケーキを作っています。新作ケーキのレシピ開発は、私だけでなく、今ではスタッフみんなでします。ケーキ作りは長時間の立ち仕事で、重いものも持ちますし、集中力や手先の器用さも必要ですから大変ですが、楽しさもいっぱいあります。ほかには、地方の地元野菜を使ったお菓子のプロデュースなどもしています。

この仕事をやってよかったと思うことはありますか

ケーキを作ること自体の楽しさはもちろんですが、やはり食べてもらって喜んでもらえるということが大きいですね。 徳島 とくしまの小学校で、野菜でケーキを作る授業をしたときには、農家の方から野菜作りのお話を聞いて、自分たちで洗ったり切ったりしてケーキ作りをしたら、ふだんは食べられない野菜でもみんな食べられたと、とても喜んでいました。この授業で野菜や農家のことを知って、自分で作ることも経験して、今まで知らなかった食べ物の本当の姿が見えたせいか、それから給食の残飯がほとんどなくなったそうです。それを聞いて、スイーツでもいろんなことができるんだなあと思って、とてもうれしかったです。

これからの夢や抱負は何ですか

野菜をケーキに使うことで、野菜の新しい食べ方が広がり、消費が増えれば、日本の農業にとってもよい効果があると考えています。栄養があって体に負担の少ないケーキを食べてもらい、野菜ってこんなふうになるんだと、お客様に少しでも野菜のことを考える時間を持ってもらう。いろいろな形で、生産農家さんと消費者の距離を近づける懸け橋のような役割をしていくために、イベントや製品開発もしていきたいと思っています。

パティシエを目指している高校生にアドバイスを

はじめはレシピ通りにきちんと作る練習をして、しっかりおいしくきれいに作れるようになったら、次は自分なりのアレンジを加えたものを作ってみる。このときに必要なのが食材の知識です。お菓子作りでは使わないようなものも、たくさん食べて覚えておくと、引き出しがいっぱいできて組み合わせを考えるときに役に立ちます。もちろん形や色の美しさも大切な要素ですから、美術館に行ったり、お花を見たりして、きれいなものをたくさん見ておくとよいと思います。今からやれることはいろいろありますから、頑張ってください。

  • 食生活に かかわる職種
  • 調理師/パティシエ/製菓衛生師/菓子製造技能士/栄養士/栄養教諭/食品衛生監視員/漁師/農家/畜産家/ 杜氏 とうじ/ソムリエ/フードコーディネーター/食品メーカーで働くなど

仕事内容や必要な資格などは、自分で調べてみよう!