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  • 高 校

助産師

神谷 かみや 整子 せいこ さん

  • 健やかな出産と子育て
  • 素晴らしい瞬間に立ち会える幸福

仕事の内容を教えてください

助産師という名称のとおり、お産を中心として女性の一生に かかわっていく仕事です。例えば、お産前は安全に出産できるよう食生活や生活習慣などのアドバイスをして、生まれた後には、赤ちゃんの発育、乳幼児のしつけや離乳食など、お母さんと赤ちゃんのさまざまな相談を受けています。それから先も、家族やパートナーのことなども含めて長期間にわたり、健やかに子どもたちを育ててもらうお手伝いをしています。

助産師になったきっかけは何ですか

助産師にお世話になった仲間で集まる様子

高校生で進路を考えたとき、手に職があって一生できる仕事がいいと思い、看護系に進みました。授業で実習を受けるようになると、看護師よりも自分で判断して動ける助産師に魅力を感じ、方向転換して資格を取ることにしたのです。私の母も助産師で、働く姿を見ていましたから、女性も自分の仕事を持って、経済的にも社会的にも自立できるほうがいいと思っていました。もちろんほかにも女性ができる仕事はたくさんありますが、助産師を選んだのは、いつも母が楽しそうに仕事をしていたからかもしれません。お産が始まると、夜中でも出かけていき、朝帰ってくる。本当は疲れきっているはずなのに「今日は男の子が生まれてね」って、とてもいい顔をして楽しそうに話をしてくれました。どんなに疲れていても充実した笑顔の母を見て、素晴らしい仕事だと分かっていたからだと思いますね。

この仕事をやってよかったと思うことはありますか

出産を自分の仕事として成し遂げた女性には、理屈ではない自信と誇りがあふれています。言葉ではうまく表現できませんが、それはとても美しく、自然の1つである人間の素晴らしさが垣間見られる瞬間です。他人は見ることのできないその場所に、いつもいっしょにいられることを、ありがたく思っています。自分自身が死ぬかもしれないほどつらい思いをして産んだ赤ちゃんを、そこから得た自信を持って大切に育てていってもらいたいと、喜びとともにいつもそう思っています。

これからの夢や抱負は何ですか

この助産院は、後継者を育てるという目的でつくりました。どんな職種でもそうですが、自分がやるだけで次に続く人を育てなければ途絶えてしまいます。日本は助産師の数はとても少ない。現状では、一人一人をていねいに見てあげることが難しく「無事に生まれればいいでしょう」という程度の関わりになってしまいます。昔は、産婆さんと呼ばれ情報をたくさん持った人が町内会に一人はいて、子どもや健康のことを何でも相談できる存在でした。今はそういう環境ではありませんが、同じような役割を担えるシステムが必要だと感じています。ですから、ここで少しでもそれができるよう、健診もできて信頼して相談してもらえる、助産師を育てていきたいです。

高校生にメッセージをください

まずは健康な体をつくりましょう。健康じゃないと、自分のやりたいこともできないし、続けることもできません。基本はおいしく食べられて、しっかり眠れること。炊事や洗濯などの家事もやって、めりはりのある生活をすればおのずと健康になっていきます。健康であれば、自分がやりたいことを見つけられるしチャレンジもできる。将来、お父さん、お母さんになるためにも自分の体を守り、健康でいることが重要ですよ。

  • 保育に かかわる職種
  • 助産師/保育士/幼稚園教諭/子育て広場職員/小児科医師/産科/医師/保健師/ベビーシッター/絵本作家/紙おむつメーカー、幼児/玩具メーカー、離乳食・幼児食メーカーなどで働く/キャンプインストラクター/子育て支援NPO

仕事内容や必要な資格などは、自分で調べてみよう!