日本財団

海・川の仕事人

〈ごまだしせいぞうはんばい
の仕事

大分県佐伯市
くわはら まささん
(漁村女性グループ めばる)

わたしおおいたけんいきつるで,水産加工業の合同会社「ぎょそんじょせいグループ めばる」を立ち上げ,「ごまだし」という調味料の生産とはんばいをしています。ごまだしは,魚を原料とするきょうの味で,わたしの夫とむすあみりょうでとったしんせんなマアジなど,地元産の魚を使っています。わたしは,ごまだしを作る作業だけでなく,けいえきを管理し,生産計画やせつとうなどの計画を立てるけいえいの仕事や,はんばいのためのえいぎょうの仕事もしています。

ごまだしは,白身の魚を焼いて,一ぴきずつ皮とほねのぞき,身をしょうゆやみりんなどとて,最後にすりごまをたっぷり加え,熱々のものをびんにめます。魚を焼く作業やびんにめる作業には機械を使っていますが,多くは根気のいる手作業です。でもきをせずにていねいな仕事をすることと,てんぶつゼロの安全な食べ物を作ることを心がけています。この商品を全国の人たちに食べてもらい,つるの漁業と町を活気づけることがわたしたちの願いです。

物を作るより,売ることのほうがむずかしい仕事です。わたしは,つるの漁業を発信するために,ごまだしをしゅけんで売ろうと考え,ほうそうのデザインを漁村の手づくりのイメージにしました。また,全国に知ってもらうため,ばんのう調味料の全国コンテストに出品し,最優秀賞をいただきました。おかげでえいぎょうがしやすくなり,商談会にも積極的にしゅってんすることで取引先がえ,今では年間に生産する5万本の半分をしゅけんはんばいしています。

助成:公益財団法人 日本財団
協力:NPO法人 共存の森ネットワーク,愛南漁業協同組合
取材・執筆:大浦 佳代/イラスト:友永 たろ,川島 星河,広野 りお