日本財団

海・川の仕事人

かわりょう〉の仕事

島根県江津市
あま かつのりさん

島根県ごうごうがわごうかわ)で,おもにアユをとるかわりょうをしています。ごうがわは中国地方でいちばんりゅういきの広い川で,わたしの家は日本海のこうから15キロメートルほどのところです。アユは寿じゅみょうがたった1年の魚です。冬に川でふ化すると海に下り,春になると川にもどってきます。アユ漁のかいきんは6月1日ですが,大きく育ち,味がいいのはけごろから。秋になるとさんらんをひかえ身の味が落ちてくるので,生しゅっではなく焼きアユやしおからに加工してはんばいしています。

わたしはアユのあみ漁をしています。川の中にカーテンのようにあみを広げ,アユをからませてとる漁法です。夜中から明け方にかけて船でかわすじどうしながら,アユがいそうな場所にあみを入れては上げることをかえします。わたしそうのうせいをとことんきわめ,船も手作りのグラスファイバーせいです。こうりつを上げたおかげでひんしつの高いアユをたくさんとることができ,80さい近い今でも漁を続けていられます。

漁は魚と人のくらべです。川の自然をよく観察し,アユの行動の理由をとことんげて考えることがとても大事です。「なぜこういう行動をするのか」「どうしてこの場所にいるのか」など,行動の理由をいつも考えてきました。自分なりのそくを立てて漁をして,じっさいにたくさんアユがとれたときは,本当にうれしくて,これが漁のやりがいになっています。

助成:公益財団法人 日本財団
協力:NPO法人 共存の森ネットワーク,愛南漁業協同組合
取材・執筆:大浦 佳代/イラスト:友永 たろ,川島 星河,広野 りお