日本財団

海・川の仕事人

〈水先人〉の仕事

神奈川県横浜市
さん
(東京湾水先区水先人会)

わたしは,とうきょうわんで水先人として仕事をしています。水先人は,わんや港などで大型船に乗りこみ,安全な航行やがんぺきへの着岸・がんをサポートします。とうきょうわんわんおおさかわんないかい,関門海きょうなどは,地形がふくざつなうえに多くの船でっていますが,大型船は小回りがききません。わんや港の航行には,スピードとかじの細かな調整や,ちゃくがんを助けるタグボートへのてきかくが求められます。そこで,それぞれのかいいきとくちょうを知りくし,そうせんじゅつももつ水先人が船に乗りこんで,船長に航行やちゃくがんのアドバイスをしています。

とうきょうわん水先区には,「ベイ」と「ハーバー」の2タイプの仕事があります。ベイの仕事では,とうきょうわんの出入口の航路で,航行のアドバイスをします。ハーバーの仕事では,港内をがんぺきまで安全にみちびき,着岸とがんをサポートします。仕事は,しょぞくするとうきょうわん水先区水先人会から,前日の夕方までに伝えられます。航行計画書などを作り,水先ていで本船に向かい,うつります。まず船長に英語で航行計画を説明し,OKが出たら,海上あんちょうかんせいかんちゃくがんを手助けするタグボートとれんらくをとりながら,作業を進めます。

水先人の仕事のてきは,強風です。風が強いと船が流され,コントロールしにくくなるのです。とくにハーバーの仕事では,入り組んだ水路を通りますし,がんぺきにはスムーズにピタリと着岸させなくてはなりません。風を受ける面積が広くて積荷がかくてき軽い自動車船など,風のえいきょうをとくに大きく受ける船もあります。けいけんを積みながら,じゅつみがいています。苦労もありますが,無事に計画どおり作業を終えたときの達成感は大きく,船長さんが満足のがおを見せてくれると何よりうれしく思います。

助成:公益財団法人 日本財団
協力:NPO法人 共存の森ネットワーク,愛南漁業協同組合
取材・執筆:大浦 佳代/イラスト:友永 たろ,川島 星河,広野 りお