日本財団

海・川の仕事人

ぞうせん〉の仕事

長崎県西海市大島町
かわ きよあきさん
(株式会社大島造船所)

わたしながさきけんおおしまにあるおおしまぞうせんしょで働いています。このぞうせんじょでは,年間約40せきの大型貨物船をけんぞうしています。わたしの仕事はこうてい管理で,こうりつよく作業できるように計画を立て,工場の各しょで働く人の数や作業の流れなどを調整しています。工場では2000人以上の人が作業ごとにしょに分かれて働き,同時に27せき前後の船をへいこうしてつくっています。スムーズにけんぞうを進めるため,わたしげんの各しょとコミュニケーションをとり,全体の作業の流れに目を配っています。

おおしまぞうせんしょでは,大型貨物船の中でも,とくに「バルクキャリア(バルカー)」をせんもんつくっており,「バルクのおおしま」としてていひょうがあります。バルクキャリアは石炭,小麦,木材チップなどの原料類をじかに船倉に入れて運ぶ船で,「ばら積み貨物船」ともいいます。おおしまぞうせんしょけんぞうしているバルクキャリアには決まった型があり,作業のこうていもパターン化されています。ただ船ごとにデザインやせつなどにちがいはあるので,せっけいえいぎょうしょからじょうほうを受け取り,工場のげんにわかりやすく伝えるのはわたしやくわりです。

船体の原材料は鉄板です。まず2000まいの鉄板から5万のパーツを切り出し,ようせつでつなぎ合わせて4000のブロックを作ります。このブロックを組み合わせて,少しずつ大きなブロックにしていきます。さらに,エンジンルームの内部にパイプや電線をめぐらせ,船体のそうもします。ここまでは陸上での作業です。ドックで船の形に組み上げ,エンジンやクレーンなどをせっしたら,水にかべます。最後にドックを出て試運転をして仕上げの調整をしたら,完成です。めいめいひきわたししきを行い,船主にわたして出航です。一せきの大型貨物船は,約8か月で完成します。

助成:公益財団法人 日本財団
協力:NPO法人 共存の森ネットワーク,愛南漁業協同組合
取材・執筆:大浦 佳代/イラスト:友永 たろ,川島 星河,広野 りお