日本財団

海・川の仕事人

〈マダイようしょく〉の仕事

愛媛県愛南町
おお西にし ひかるさん
(大西水産有限会社)

大西水産のある愛南町の海は年間の水温,しおの流れ,水深など,マダイのようしょくにぴったりのじょうけんがそろっています。愛南町はマダイのようしょくでは市町村別で全国第2位のです。大西水産では40台のいけすで約60万びきのマダイをっており,ぎょは年に2回,せんもん業者から仕入れます。1年7か月から2年3か月かけて育て,1kgから2kgの大きさになったらだんかいてきしゅっします。8わりが生きたままの「活魚」しゅっです。

魚にあいじょうを注ぎ,健康でストレスなく育つよう,大切に世話をします。だんの作業としては自動きゅう機にエサをきゅうすることと,魚の様子の観察をします。もっとも大きな作業は「分養」で,ぎょが成長するといけすがきゅうくつになるので,ちょうどよいみつになるよう,いけすを分ける作業です。何十万びきもの魚を一ぴきずつすくって別のいけすにうつすため,大変です。また,2か月から半年ごとのいけすのあみこうかんも大仕事です。

コストをおさえながらしつのいいマダイを育てるため,新たな取り組みにもちょうせんしています。大西水産では最新のICTじゅつじょうほう通信じゅつ)をどうにゅうし,いけすにせっした水中カメラのライブえいぞうを,スマートフォンアプリで見られるようにしています。自動きゅう機でのエサやりも,アプリから行えます。魚の様子をリアルタイムで見られるので「今日はよく食べているな」というように魚のじょうたいがわかり,管理がしやすくなります。

助成:公益財団法人 日本財団
協力:NPO法人 共存の森ネットワーク,愛南漁業協同組合
取材・執筆:大浦 佳代/イラスト:友永 たろ,川島 星河,広野 りお