漁業体験
さまざまな漁業の体験
漁船に乗って本物の漁業を体験できる場が増えています。ガイドしてくれるのは，もちろん本物の漁師さんです。最近では，学校の修学旅行や地域教育の学習プログラム，団体客も個人の観光客も楽しめる体験など，提供される体験の幅は広がっています。
漁業の種類もさまざまです。大型定置網漁の体験では，大量の魚やイカを網からすくい上げるダイナミックな漁を間近で見られ，タモ網で魚をすくう体験ができるところもあります。タコ壺漁では，とれたタコの吸盤の強さや逃げ足の速さに驚かされます。底びき網漁やカゴ漁では，さまざまな魚やカニ，不思議な海の生き物と出会えます。養殖業でも，魚のえさやり体験，カキやワカメの収穫体験など，さまざまな体験が行われています。
そしてもちろん，ほとんどの漁業体験で，とれたての魚介類を味わうことができます。
食と命の学び
漁業体験の人気の秘密は，海の上の体験ができることと，「食と命の学び」があることです。農業とは違い，漁業は海の上が現場なので，多くの人にとって日常生活とはかけ離れた世界です。漁船も漁具ももの珍しく，船で沖に出るだけでワクワクします。
さらに漁業体験は，「命をとって食べる」体験でもあります。海の中から取り上げられ，ピチピチ跳ねていた魚が動かなくなるのを見守り，そしておいしくいただく。つまり，魚の命で自分の命を養うことが実感できる機会でもあります。こうした気づきがあることから，漁業体験には高い教育効果があると評価されています。
海とのつながりも実感
漁村の人たちとふれあえるのも，漁業体験の大きな楽しみです。漁村には，海とともに暮らす生活の知恵や文化がたくさんつまっています。漁業の体験や漁師さんの話を聞くことは，漁村の文化や海辺の自然に親しみをもつきっかけにもなります。
海が川を通して内陸の自然とつながっているように，漁村と都市は食を通してつながっています。漁業体験はそのつながりに気づかせてくれます。チャンスを見つけて，ぜひ漁業体験に行ってみませんか？
