日本人の魚食文化
日本人はどんな魚を食べている?
日本人は今,どんな魚介類をどれくらい食べているのでしょうか。消費量は年々少なくなっています。2017年の1人当たりの水産物の年間消費量は24.6kgで,15年ほど前に比べると6割に減っています。
では,日本人に好まれている魚介類は何でしょう。消費量の多い魚介類のトップ5は,サケ,マグロ,ブリ,イカ,エビの順でした。どれも寿司ネタの常連で,小骨がなくて食べやすいものばかりです。
水産物の食料自給率と輸出入
次に,水産物の自給率を見てみましょう。1970年代の中頃までは100%を超えていましたが,その後は減っていき,2017年には56%です。食料自給率全体の38%よりは高いですが,水産物の半分近くを輸入に頼っていることになります。
2017年の水産物の輸入金額は1兆7750億円で,国内の漁業生産額1兆5856億円を上回ります。おもな輸入相手国は,中国,アメリカ,チリ,ロシア,ベトナムなどですが,グローバル化で相手国は多様化しています。おもな輸入品目は,サケ類,エビ,カツオ・マグロ類で,これは日本人が多く食べている水産物のトップ5にも重なります。
いっぽう輸出金額は,2750億円でした。おもな輸出品目は,ホタテガイ,真珠,サバ,ナマコ,ブリ類など。相手国は,香港,中国,アメリカ,ベトナム,タイなどです。
根強い「魚食文化」
ずいぶん前から日本人の「魚離れ」がいわれていますが,実際には日本の「魚食文化」は根強く,海辺の観光地は新鮮でおいしい魚料理を求める人たちでにぎわいますし,東京の豊洲市場には500種類もの魚介類が集まるといわれています。
魚が健康にいいことも広く知られています。しかし「魚は食べたいけれど,調理やごみの処理がめんどう」という家庭が増えています。そこで,水産庁は,魚食普及の取り組みとして「魚の国のしあわせプロジェクト」を進めています。手軽に食べられる加工食品の普及のほか,全国漁業協同組合連合会では漁師が誇る「プライドフィッシュ」を都道府県ごとに厳選し,ホームページでその魚介のストーリーや,食べられるお店などを紹介しています。