研究職(建築系) の仕事
大本 絵利さん (株式会社大林組)
技術研究所に所属し,建設現場のさまざまな作業を,機械化したり自動化したりするための研究をしています。その中でも特に,資材を機械が自動運転で運んでくれる自動搬送システム(AGV=Automated Guided Vehicle)の開発をしています。建設現場にはさまざまな建設資材があり,今は人力で運ぶのがメインですが,その作業を機械が安全に行うことによって,現場の人の負担を軽くすることが目的です。
機械を製作するときは最初にイメージ図を描いて,それを機械製作を専門に行う会社で図面に起こしてもらい,必要な部品を集めて組み立てます。使える部品などを探すために,さまざまな展示会に足を運ぶことも仕事です。研究所でしばらくテストした後,実際の建設現場に持って行ってテストをして,問題がなければ実際に現場で使用します。そこでわかった問題点などを改良して,また改めて現場でテストをします。現場で試しながら改良を進め,実用化に向けて開発を進めています。
最初に作ったモデルは,建設現場に線路のように磁気テープを敷いて,そのテープをたどってロボットが走るという仕組みでした。しかし現場は毎日状況が変化し,ロボットのルートも変わるので,毎日磁気テープを張り替えなければなりませんでした。現在は機能をシンプルにし,サイズも小さくなり,コントローラーを使って,ラジコンのように遠隔操作ができるような仕組みにしています。また,車輪はメカナムホイールというもので,これは車輪に斜めに筒のようなものがついています。この変わった形のおかげで,斜め方向にも動けて,小回りがきくようになります。