食用ラードや動物性油脂を取り扱う会社として，昭和16年に創業しました。18年前からはメインの事業をスープ製造に切り替え，牛骨からコムタンスープ（牛コラーゲンスープ）を製造し，大手の高級焼肉店チェーンなどに卸しています。ほかにも健康食品に使う牛脂の卸売や，石けんの製造も行っています。

牛骨はあらかじめ余計な肉や汚れを取り除いたり，しっかり“血抜き”をしないとスープに臭みが出てしまいます。スープを炊く前にある程度，骨をくだいて水に漬け，血抜きをするのですが，捨てる水に旨味も出てしまわないよう，加減が必要です。スープの仕上がりを最終確認するのは，職人の“舌”。やり直しはできないので，緊張する瞬間です。

スープを作るのは，週に２日です。他の日は，主に素材の準備に１日，そしてあとの２日は機器の掃除をしています。機器の中に薬品を通し，タンクを洗い……とても大変な作業ですが，食品を扱う工場ですから，ここは絶対に手を抜けません。でもその分，お客さまから「おいしい」という声を聞くと，とてもうれしく感じます。