社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!
※このページに書いてある内容は取材日(2009年07月30日)時点のものです
理容師(りようし)は,お客さんの希望を聞いて髪(かみ)をカットする仕事です。カラーリング(髪(かみ)を染(そ)める)をしたり,パーマをかけたりもします。お店が理容室(りようしつ)なので男性(だんせい)のお客さんが多いです。理容室(りようしつ)と美容院(びよういん)では,仕事をするために必要な免許(めんきょ)が違(ちが)います。赤・白・青の3色の縞模様(しまもよう)がクルクル回転する細長いサインポールは理容室(りようしつ)にしか看板(かんばん)として置けません。美容院(びよういん)と仕事の内容(ないよう)はほとんど変わりませんが,理容室(りようしつ)では男性(だんせい)のお客さんの場合,顔のひげをそります。美容院(びよういん)ではいくら男性(だんせい)のお客さんが来てもひげはそりません。人気のある俳優(はいゆう)さんの髪型(かみがた)などは,テレビや雑誌(ざっし)でいつもチェックするようにしています。お客さんがそうした髪型(かみがた)などを希望することが多いので,流行には敏感(びんかん)でいるように心がけています。スタッフと二人で仕事をしていて,地元の西条(さいじょう)祭りが始まる前の1ヶ月間は1年で一番忙(いそが)しいです。休みは月曜と第1,第3日曜です。
朝8時30分から掃除(そうじ)などの開店準備(じゅんび)をして,9時から営業(えいぎょう)しています。お客さんの予約状況(じょうきょう)を確認(かくにん)しながら,1日の仕事をしていきます。お客さんがお店に来られたら,カットを希望するお客さんの場合,希望通りにカットしていって,最後にお客さんに見てもらい,微調整(びちょうせい)をするという流れで仕事をします。カタログを見て希望されるお客さんも多くいますが,カタログに書いている数字の長さに切っても,人によって頭の形や大きさが違(ちが)うのでその人に合わせて切るようにしています。予約がない場合は,スタッフの練習をしたり,掃除(そうじ)をしたりします。男の人は,待つのがあまり好きではないので,電話予約をして来られる方が多いです。お店としても時間の計画を立てやすいので助かります。19時閉店(へいてん)ですので,最後にも掃除(そうじ)をします。タオルを洗(あら)ったり,使った器材の手入れをしたり,シャンプー台を洗(あら)ったりします。私(わたし)は,短い髪(かみ)を切ることが多いのでショートの髪型(かみがた)が得意です。時間はカットだけだと20分くらいですが,顔をそったりシャンプーをしたりするので,一人50分くらいかかります。
1歳(さい)くらいの子どもさんが来られた時は,大人よりも大変です。その時はお母さんに抱(だ)っこしてもらったまま切っています。「家で切ったんだけど,失敗したので切ってください。」「手に負えない。」と来られるお母さんもいます。小さい子どもさんは,じっとしていないので鏡の隣(となり)においているテレビでアニメを流して気を引いたり,がんばったらアメをあげるねと言ったりして,なるべく動かないように工夫しています。お客さんの要望で「こういう髪型(かみがた)にしてください」と言われても,髪質(かみしつ)や髪(かみ)の量でできないときもあります。「まったく同じ髪型(かみがた)にはなりませんが,同じような感じにできるだけ近づけるようにします」ときちんと話します。手が空いているときには,こまめに掃除(そうじ)や片(かた)づけをしてお客さんが気持ちよく入って来られるようにいつも清潔(せいけつ)にしています。
セットが終わって「良かったよ」とお客さんに喜んでもらえる瞬間(しゅんかん)がうれしいですね。周辺には70件(けん)から80件(けん)の理容室(りようしつ)・美容院(びよういん)があるので,その中から私(わたし)のお店を選んでくれて,その方が何回も繰(く)り返し来てくれると,とてもやりがいを感じます。髪(かみ)の伸(の)び方は個人差(こじんさ)があるので,考えて切らないとボサボサになったり,長くなるとクセが出てきたりします。常連(じょうれん)さんだと,そこにも慣(な)れてくるので,相手の希望にも沿(そ)いやすくなります。店の内装(ないそう)はほとんど自分で考えました。インテリアの仕事をしている人の意見も聞いて清潔感(せいけつかん)が出るようにしています。店内が広かったのでバイクを置いたんですが,バイクが好きなお客さんもいて興味(きょうみ)を示(しめ)してくれます。
来て頂(いただ)いた方の要望に対応(たいおう)することを常(つね)に心がけています。仕上がりに納得(なっとく)してもらわないと次は来てくれないので,よく相手の要望を聞いて納得(なっとく)してもらえる髪型(かみがた)を作っていきます。元々(もともと)話すことは苦手でしたが,この仕事について,色々(いろいろ)な方とお話をしていると段々(だんだん)楽しくなってきました。私(わたし)が知らない話題もたくさんあって,お客さんに教えてもらっています。新しいことを知ることは本当に楽しいですね。西条(さいじょう)に転勤(てんきん)で来られている方から,全然知らない西条(さいじょう)のお勧(すす)めの場所を教えてもらって行ってみるととても良かったこともありました。他の地域(ちいき)のイベントのことを聞けることもこの職業(しょくぎょう)ならではの魅力(みりょく)です。常(つね)に色々(いろいろ)な所から情報(じょうほう)を取り入れるようにしています。
私(わたし)が通っていた中学校は当時男の子全員が坊主(ぼうず)でした。私(わたし)が弟の髪(かみ)をバリカンで刈(か)って,それがとても面白かったんですね。坊主頭(ぼうずあたま)でも友達と一緒(いっしょ)に長さを変えたりしてオシャレを楽しんでいました。高校生の時から理容室(りようしつ)でアルバイトをしていました。そのお陰(かげ)で23歳(さい)で自分のお店を持てたんだと思います。若(わか)かったから思い切りが良かったですね。理容師(りようし)になるためには,理容(りよう)専門(せんもん)学校に行って,お店で実習をして,国家試験を受けて合格(ごうかく)しないといけません。通信教育でも勉強できますよ。
小さい時は大人しい子どもでしたが,小学生になってからは学校が終わった後,みんなでサッカーや野球など運動をしていました。地元のスポーツ少年団(しょうねんだん)に入っていたので,土日はソフトボールばかりしていました。中学生の時は野球部で,高校では髪(かみ)が伸(の)ばせる部活に入ろうと思い,別の部活に入りました。今も運動をしたいと思っているんですが,仕事の休みが周りの友人たちとなかなか合わないので,野球などができないことが残念です。
小学生の時は一生懸命(いっしょうけんめい)友達と遊んで欲(ほ)しいです。中学生くらいからは,自分が好きなことを見つけることが大切だと思いますよ。こんなことに興味(きょうみ)があるということをいくつも書き残しておくと,将来(しょうらい)進路を選ぶときに役に立ちます。やりたいことや好きなことをたくさん見つけて欲(ほ)しいですね。どんな仕事も良いところもあるし,つらいこともあります。好きなことを仕事にできるのは本当に幸せなことです。