仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1988年 生まれ 出身地 東京都
竹原たけはら 征志まさし
子供の頃の夢: プロバスケットボール選手
クラブ活動(中学校): バスケットボール部
仕事内容
デザイン・せっけいこうを通じてお店をつくる。
自己紹介
つねに元気で前向きです。休日の楽しみは,ショッピングモールやスポーツセンターへ子どもたちといっしょに出かけることです。

※このページに書いてある内容は取材日(2020年01月24日)時点のものです

建物の“中”を作り上げる

建物の“中”を作り上げる

わたしは,とうきょうだちにあるらくしんかぶしきがいしゃで働いています。らくしんじゅうぎょういん数5名の小さな会社で,主にないそうぎょうを手がけています。ないそうぎょうは,ゆかかべがみったり照明を取り付けたりして,建物の“中”を作る仕事です。らくしんでは,しんちくないそう工事をすることもあれば,もともと別の店だった場所をないそう工事して,新しく作り変えることもあります。飲食店を手がけることが多いのですが,オフィスのないそうや,ときにはじんのお客さまのたくないそうを手がけることもあります。当社ではお客さまとの打ち合わせから,デザインのていあんからこうまで,すべて行っているため,スムーズな仕事をじつげんできます。
また,らくしんでは,ないそうぎょう以外に,ネイル・まつげエクステサロンのうんえいや焼肉店のけいえいもしています。一見,ないそうとはまったく関係ないように思える事業ですが,これらのうんえいけいえいを通じて,らくしんの主なお客さまであるお店のオーナーの目線をかいすることができるというメリットがあります。お客さまにも,例えば「無理に客席をやすより,空間にゆうを持たせてじゅうぎょういんの通る通路をかくしたほうがいいですよ」といった,お店の立場に立ったないそうていあんをすることができるようになります。
わたしの仕事は,主に新しい仕事を見つける,えいぎょうの仕事です。に発注をいただいたお客さまけいで,新しいお客さまをしょうかいいただくことが多いですね。また,新しい仕事は新しい人との出会いからも生まれるため,さまざまなしょくぎょうの人たちが参加するぎょうしゅ交流会へ行っていろいろな人と知り合い,そこから仕事につながることもあります。

お客さまのイメージ通りのデザインに

お客さまのイメージ通りのデザインに

ないそうの仕事は,お客さまかららいを受けて,打ち合わせをするところから始まります。例えば,新しく飲食店をつくるとき,まずお客さまから「こういうふんのお店にしたい」というイメージをお聞きします。
次に,そのイメージをデザイナーに伝えて,店内のデザインを考えていきます。お店のコンセプトをじつげんした空間を作るため,デザイナーと何度も相談しながらデザインを決めていきます。デザインが決まったら,それをもとにお店の完成予想図である「イメージパース」を作ります。これは,店内をより具体的にお客さまにイメージしてもらうためのイメージぞうです。
イメージパースが完成したら,それをお客さまに見せて,要望に沿ったものになっているかを入念にかくにんします。テーブルの大きさやかべの色,のれんの位置や形まで細かくチェックして,お客さまが本当に望んでいるないそうデザインを作り上げていくのです。

工事のスケジュールを管理する

工事のスケジュールを管理する

デザインが固まったら図面を作成し,ゆかてんじょう,テーブルの木材など必要なざいを調達して,いよいよ工事に取りかかります。せっけいをもとにゆかったり,かべそうしたり,まどガラスやとびらを取り付けます。このとき,工事はほんてきしょくにんさんが行い,わたしたちは予定通りにげんの作業が進んでいるかといったスケジュールや予算を管理します。げんの場所にもよりますが,つうじょうわたしたちも工事げんに行って,図面を見ながらこうていしんちょく具合をかくにんします。のうせまっているときは,積極的にしょくにんさんたちに声がけするなどしてげんの士気を高め,スムーズに作業が運ぶよう努めています。
らくしんで手がける工事には,1日で終わるようなものから,大きな倉庫のぞうちくなど,半年くらいかけて行うものまで,いろいろな種類があります。

スケジュールがきつくとも,仲間とのきずなえる

スケジュールがきつくとも,仲間との絆で乗り越える

仕事で大変なことの一つは,工事のスケジュール管理です。完成予定日までに必ず工事をかんりょうさせなければなりません。期日までにないそうを作り上げることは当たり前のように思われるかもしれませんが,悪天候で作業が思うように進まない場合や,「開店日がすでに決まっているからこの日までにどうしても仕上げてほしい」という要望を受けて,短い作業期間で完成させなければいけない場合もあります。
今までけいけんした仕事の中でも特に苦労した仕事が,ある飲食店のないそう工事です。建物のとなる柱やはりがいへきなどだけを残して,残りの部分をすべて作らなければならなかったのですが,完成までのスケジュールにとにかくゆうがありませんでした。そのため,つうじょうの,デザインを決めてからそれをもとに工事へ進む,という流れではどうしても間に合わず,デザイン,せっけいこうを同時にスタートしなければならない,というれいたいになりました。わたしふくめて社員そうげんへ向かい,「デザインはどうするのか」「せっけいはどうするのか」など,一つ一つかくにんし合いながら,なんとか進めることができました。無事にのうに間に合わせることができたのは,仲間同士の強いしんらい関係のもと,全員が一丸となって同じ目標にすすめたからだと思います。

お客さまのがおが何よりの喜び

お客さまの笑顔が何よりの喜び

この仕事をしていてのやりがいは,何といっても完成したないそうを見たときのお客さまのがおです。「たけはらさんにたのんでよかった」と言っていただけたときは,この仕事をやっていてよかったと,心から実感できます。手がけたあんけんが飲食店の場合,完成後にお店に足を運べるのもうれしいですね。お店がオープンして,お客さまの入った店内が,ねらったとおりのいいふんになっていると,じゅうじつ感を覚えます。
このようにお客さまの喜んだ顔を見ることができるのは,ちょくせつお客さまから仕事のらいをいただいているからです。例えば,病院や区役所のけんせつといっただいな公共事業の工事では,受注するのは大手のけんせつ会社の場合が多く,わたしたちのような小さな会社が工事に入れるにしても,したけでということになってしまいます。当社でちょくせつ,受けられるのはさほど大きくないの仕事ではありますが,ちょくせつらいを受けることで,お客さまの顔を見ながら仕事ができるのです。まだまだしょうな会社ですが,わたしも会社も,着実にけいけんを積んで成長していきたいと思っています。

かかわる人みんなの「楽しい」をえんしゅつしたい

かかわる人みんなの「楽しい」を演出したい

当社のポリシーは,「楽しい」という心をわすれずに仕事と向き合うことです。ある作業に対して,「つまらないな,早く終わらないかな」と思うのも,「楽しいな」と思うのもその人だいです。こなしている作業は同じでも,楽しいと思いながらやるほうがぜったいにいいですよね。そして,お客さまだけでなく,わたしたちといっしょに働いてくれるしょくにんさんやデザイナーさんが,わたしたちとかかわることで「楽しかった」と思える仕事を作りたいと考えています。楽しさの追求にきょうはありません。楽しむ心を大切にしたいから,会社の名前を「らくしん」としたんです。
そもそも,この会社の始まりは,社長とわたしが「仕事に対して楽しむという心」をたんきゅうしていたからでした。もともとわたしたちはおたがい別々の会社で働いていましたが,いつか自分たちの思いをこめた,新しい会社をつくりたいと考えていました。そして,2017年,ついに社長が当社を立ち上げ,その約半年後にわたしが入り,いっしょに働き始めたのです。
当社は楽しむ心をそんちょうしているので,もしじゅうぎょういんないそうぎょう以外の事業に本気でちょうせんしたいと思えば,それをかなえることができます。らくしんうんえいしているネイル・まつげエクステサロンは,もともとらくしんで働いていた人が希望して始まった事業でした。やりたいことにチャレンジできる社風は,当社の強みだと思います。

バスケットボールでつちかったはんだんりょく

バスケットボールで培った判断力

わたしはバスケットボールが大好きで,ようえん生のころからクラブチームにしょぞくしていました。実は,わたしと社長の初めての出会いはバスケットボールを通じてでした。別々の小学生チームにしょぞくしていて,同じ区内のチームでしばしば対戦相手として顔を合わせていたんです。この当時は,まさかしょうらい,同じ会社で働くことになるとはゆめにも思っていませんでした。
ようしょうのころからやっていたバスケットボールのけいけんは,今の仕事でも生かされています。わたしはポイントガードというポジションで,だれよりもコート全体のバランスを見る必要があり,広いで試合のじょうきょうつねあくしていました。このけいけんのおかげで,わたしは仕事でも会社全体のバランスを見ることができます。部下に対して「この人はあのあんけんかたづいたばかりでろうがたまっていそうだから,少し休ませてあげないといけない」とか,「あのお客さまとのこうしょうは,ものごしやわらかいこの人がたんとうしたほうがいいだろうな」といったように,じょうきょうこうりょしながら気を回したり,さいてきな方法を考えたりできるのです。
バスケットボールにかぎらず,学生時代のスポーツのけいけんは,仕事に生きるとわたしは思っています。例えば,サッカーのディフェンダーは,試合のじょうきょうあくして守りの役目を果たすポジションなので,昔ディフェンダーをしていた人は仕事でも全体のバランスを取ることが上手だったり,得点を入れるやくわりのフォワードをしていた人は,前を向いて仕事に集中することが得意だったりするものです。

友人とのかけがえのない時間を大切に

友人とのかけがえのない時間を大切に

わたしたちの会社は,友人同士が集まってできています。社長以外にも,じゅうぎょういんのうちの一人はわたしの中学校の同級生,もう一人は高校時代の同級生で,らくしんけいえいしている焼肉店の店長も高校の同級生です。
このように,しょうらい大人になってから,学生時代の友人といっしょに仕事をすることもあるかもしれませんし,ぜひ,みなさんも学校やクラブ活動を通してたくさんの人とかかわり,友達をつくってください。そして友達とごす時間を大切にしてください。しょくの仲間と話すとき,話題に上がるのはいつも10代のころの話です。子どものころに共有した時間というものは,それだけ大人になっても色あせない思い出なのです。
そして,もう一つぜひ大切にしてほしいこと,それは「なんで?」と思うことがあれば,そのもんてないでほしいということです。子どものころは,「なんで勉強をしなければいけないの?」など,いろいろなもんいだくことがあると思います。その「なんで?」にとことん向き合って,考えてみてください。もしかしたら,考えても答えは見つからないかもしれません。それでも,もんを放置せずにいっしょうけんめい考えた,そのことがとても大切だと思います。それが何か新しいことを学びたいと思うきっかけになるかもしれません。自分ののうせいを自らざさずに,ぜひどんどん広げてほしいと思います。

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江戸時代の思想家であり教育者でもある吉田松陰の熱いメッセージを集めた本です。大人になって何かを決めなければいけないときに,背中を押してくれるような言葉がたくさん収められています。
岸見 一郎/古賀 史健
アルフレッド・アドラーによるアドラー心理学を「青年」と「哲学者」の対話を通してわかりやすく教えてくれる本です。物事の考え方や感じ方,捉え方を変えることで,前向きに生きられるということを教えてくれます。

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取材・原稿作成:深谷 幸子(Playce)・東京書籍株式会社/協力:城北信用金庫