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神奈川県に関連のある仕事人
出身地 大阪府
すいぞくかんしいくいん じゅういし水族館飼育員・獣医師
竹中たけなか 良太りょうた
子供の頃の夢: 獣医師
クラブ活動(中学校): 弓道部
仕事内容
動物の世話や健康管理をする
自己紹介
性格せいかくは終始マイペース。休みの日には職場しょくばの仲間たちとクライミングをして、あせをかいています。

※このページに書いてある内容は取材日(2014年03月04日)時点のものです

水族館の飼育員しいくいん獣医師じゅういし

水族館の飼育員・獣医師

わたしは,神奈川かながわ横浜よこはま市にあるテーマパーク「横浜よこはま・八景島シーパラダイス」で,水族館の飼育員しいくいん獣医師じゅういしとして働いています。横浜よこはま・八景島シーパラダイスの水族館は日本最大級の大きさで,イルカやアシカを始めとする海獣かいじゅう類や,ペンギンやペリカンといった鳥類,そして多くの魚類など,500種類・10万点以上の動物がわれています。水族館には約50人の社員と100人近いアルバイトさんが働いており,わたしは「ふれあいラグーン・うみファーム」という20人ほどのチームに所属しょぞくしています。このチームでは,お客様の目の前にイルカやクジラ・セイウチなどを展示てんじし,動物たちとのふれあい体験をしていただ施設しせつ運営うんえいしています。わたしは,飼育員しいくいんとして動物たちの日々ひびの世話と芸の練習をすると同時に,獣医師じゅういしとして病気の予防よぼう治療ちりょう・健康管理も担当たんとうしています。

飼育しいく基本きほんは3つの「じ」

飼育の基本は3つの「じ」

毎朝7時に起きて8時30分前に事務じむ所に到着とうちゃくしたら,飼育しいく基本きほんと言われている3つの「じ」に取りかかります。まず始めは「掃除そうじ」。同僚どうりょう一緒いっしょに動物の飼育しいく場所を周り,ホースで水をかけてデッキブラシでゆかみがきます。次に「調餌ちょうじ」と言って,動物たちのエサを準備じゅんびします。体重や好み・その日の体調におうじて,アジ・サバ・イカなどのうち,どの種類をどれだけあたえるかを考え,一頭ごとの名札が付いたバケツにり分けていきます。施設しせつがオープンすると,クジラと泳いだりイルカをジャンプさせたりする,ふれあい体験に申しまれたお客様がお見えになるので,案内役をつとめます。ふれあい体験がない時間には,動物たちにエサをあたえながら芸を練習します。これが3つ目の「じ」である,「給餌きゅうじ」です。夕方にはエサを入れていた大量のバケツを片付かたづけ始め,翌日よくじつのエサを倉庫から取り出し,動物たちの便や尿にょうの様子・トレーニングの進み具合などを日誌にっしに記録して,17時30分に一日の仕事が終わります。

動物たちのトレーニング

動物たちのトレーニング

動物たちの芸の練習は,望ましい行動ができたらエサをあたえるという方法で行い,最初は簡単かんたんなものから始めて,段々だんだんむずかしいものを教えていきます。例えばイルカをジャンプさせるには,始めは先端せんたんに目印の付いた長いぼうを水中に入れて,イルカが目印にれたらエサをあたえます。次に目印の高さを水面すれすれまで上げ,イルカが頭を上げるように仕向けます。これができたら,目印を徐々じょじょに水面の上に上げていくことで,やがてはジャンプができるようになるのです。動物たちと言葉を交わすことはできませんが,こうして毎日芸の練習をする中で注意深く観察していると,目印にってくる動きがするどい・にぶい,体が安定している・ふらついている,目つきがしっかりしている・定まっていないなど,動物たちの体調や気分も分かるようになってきます。

「わあっ」という歓声かんせい

「わあっ」という歓声

この仕事のやりがいは,お客様に動物たちの魅力みりょく迫力はくりょくを間近でお伝えし,喜びを感じていただけることです。例えばふれあい体験の時間に,イルカがお客様のすぐ近くで高々たかだかとジャンプをすると,「わあっ」という歓声かんせいが上がります。しかし,動物たちの素晴すばらしさをお伝えする機会は,ジャンプだけではありません。イルカのはだれていただいたさいには,これまで知らなかった感触かんしょくを実感することができます。全速力でプールを泳ぎ回るイルカは,予想していたよりとても速くておどろかれるはずです。エサを食べるためにイルカがパクッと口を開けた時,口の中がどうなっているか気になりませんか。こうした様々さまざまな場面を通してお客様に感動や興奮こうふんを味わっていただくことが,わたしの喜びでもあります。

動物たちのわずかな異変いへんに気づけるか

動物たちのわずかな異変に気づけるか

仕事をする上で大切にしていることは,動物たちがお客様の前で生き生きとえるように,かれらの心と体を万全の状態じょうたいたもつことです。そのためには,動物たちのわずかな異変いへん見逃みのがさないことが重要です。動物たちは,基本きほん的に具合の悪い様子を見せようとしません。弱っているところを見られると,てきねらわれて,食べられてしまうという野生の本能ほんのうが残っているからです。いざぐったりしているのを見つけた時にはかなりの重症じゅうしょうですから,そうなる前に「何かがおかしい」と気付けなくてはならないのです。また獣医師じゅういしとして,動物たちの血液けつえき検査けんさを毎月行い,必要とあればレントゲンや内視鏡ないしきょう,エコー検査けんさなどもしています。病気だということが分かれば,エサに薬をぜてあたえたり,注射ちゅうしゃ点滴てんてきなどで治療ちりょうを行ったりします。

生き物を拾ってきてっていた

生き物を拾ってきて飼っていた

わたしは小さいころから生き物が好きな子どもでした。カブトムシやカメ・カエルなど,山や河原かわらでいつも何かを拾ってきて,家でっていました。ちなみにそのカメは,30年近くも生き続けていて,まだ実家でらしています。遊ぶ時は外に出かけることが多く,平日は近所の空き地に友達と秘密ひみつ基地きちを作ったり,休みになると父親にりや山登りに連れて行ってもらったりしていました。また,勉強にはもくもくと取り組む性格せいかくでした。宿題が終わらないと外に遊びに行けないという家庭のルールがあったために,友達と約束した待ち合わせ時間におくれないよう,必死で算数のドリルなどを片付かたづけていました。

動物の魅力みりょくを伝えたい

動物の魅力を伝えたい

高校生になって将来しょうらいの進路を考えるさい,多くの人々ひとびとに動物の魅力みりょくを伝えることにあこがれて,動物園や水族館で働きたいと思いました。そして,動物にたずさわる職業しょくぎょうくのであれば,獣医師じゅういしと言う資格しかくを持っていることが有利になると考え,獣医学じゅういがく部のある大学に進学しました。しかし,水族館の獣医師じゅういしという仕事は人数がかぎられていて,日本全国でも30~40名しかいないと言われています。わたしの場合は,ちょうど就職しゅうしょく活動をする時期に横浜よこはま・八景島シーパラダイスが募集ぼしゅうをしていて入社することができました。大学の獣医学じゅういがく部で主に教えているのは,犬やネコ・牛やブタについての知識ちしきですので,仕事にいた後も書籍しょせき論文ろんぶんを読むなど,海獣かいじゅう類の勉強を続けて今日にいたっています。

日々ひびの努力がゆめ実現じつげんする力に

日々の努力が夢を実現する力に

わたしは,高校生になるまで将来しょうらいゆめがはっきりしていませんでしたが,小学生の時から勉強を続けていたおかげで,獣医学じゅういがく部に進学しようと決めた時に,入学試験の勉強で大変な苦労をするということはありませんでした。もし中学生や高校生のどこかで手をいていれば,このゆめかなえられなかったかもしれませんね。ゆめを持つことは大切ですが,それをかなえることは決して簡単かんたんではありません。日々ひび努力して勉強していれば,なりたいゆめが見つかった時に,きっとそれを実現じつげんする力になってくれると思いますよ。

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私のおすすめ本

ヒュー・ロフティング
動物と話ができるドリトル先生が様々な冒険をする、全12巻の長い物語ですが、私は小学生のときにこの本を何度も読み返して、将来獣医さんになろうと夢見ました。
ミヒャエル・エンデ
この本を読んで時間やお金のことについて色々と考えるようになりました。ぜひ大人になってからも読み返してみてください。

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取材・原稿作成:横浜銀行、(c)学校ネット株式会社