社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!
※このページに書いてある内容は取材日(2006年04月13日)時点のものです
結婚(けっこん)しようと決めたカップルは,ふたりの新しい生活を始める前に,いろいろな準備(じゅんび)をしなければなりません。結婚式(けっこんしき)はほとんどの人が,初めて経験(けいけん)するものです。「結婚式(けっこんしき)はどんなふうにしようか?」とか「結婚(けっこん)式場はどうやって探(さが)せばいいんだろう?」とか,この他にも考えていかなくてはいけないことがもりだくさんです。そこで,結婚(けっこん)に必要なたくさんの情報(じょうほう)を雑誌(ざっし)にまとめて伝えるのが私(わたし)の仕事なんです。
雑誌(ざっし)の編集(へんしゅう)という仕事はどういうものか?ということについてお話しましょう。たとえば,『みんなに喜んでもらえる,結婚式(けっこんしき)会場を見つける方法』という特集記事(読者の人にいちばん読んでもらいたいページのことです)を作るとします。その場合はまず始めに,すでに結婚(けっこん)されている読者の皆(みな)さんに結婚式(けっこんしき)会場についてのアンケートを送るんです。アンケートでは「どんな会場を見に行きましたか?」「どこを見ておいたから自分の結婚式(けっこんしき)は成功したと思いますか?」「もっときちんと確認(かくにん)しておけばよかった,と,あとで後悔(こうかい)したことはありますか?」というような質問(しつもん)をいくつかします。それについて集まった答えは,読者の方が自分で実際(じっさい)に感じたことですから『読者の体験談』としてまとめます。アンケートの答えからは「結婚式(けっこんしき)にご招待(しょうたい)している人数が多いので,ひかえ室のいすの数などをチェックしました」など,いろいろなひとの思いが見えてくるんです。そして,アンケートの回答を参考にしながら「結婚式(けっこんしき)の式場を選ぶ際(さい)にはどんな式にしたいかを決めること」「みんなに喜んでもらうためには式場のこういう所を見ておきましょうね!」というような提案(ていあん)を決めていきます。
みなさんは取材という言葉をきいたことはありませんか?編集者(へんしゅうしゃ)は読者にいろいろな情報(じょうほう)を伝えるために,結婚式(けっこんしき)の専門家(せんもんか)に会ったり,式場に行ったりしてあれこれとたくさんのお話を聞きます。記事はひとりの頭の中だけでは絶対(ぜったい)に作れませんから,自分が知らないことがあれば,プロの人や専門家(せんもんか)の意見を聞きます。これを取材といいます。たとえば,「結納(ゆいのう)」ってみなさんはごぞんじですか?日本の伝統(でんとう)的な儀式(ぎしき)で,婚約(こんやく)のしるしとして品物や金銭(きんせん)などをカップルのご実家の間で交換(こうかん)をすることです。決まった手順やセリフがあり,ふつう,みなさんはやり方を知りません。こういうことは,結納(ゆいのう)のときに使う品を専門(せんもん)に扱(あつか)っているお店の方や,結納(ゆいのう)をとり行うホテルや料亭(りょうてい)の方などにお話を聞くと,たくさんの情報(じょうほう)を教えてもらえます。その他にも,いま人気の結婚(けっこん)指輪・婚約(こんやく)指輪はどんな物か,ドレスのカタチにはどんなものがあるかというような情報(じょうほう)を取材しながら集めていくんです。もう結婚式(けっこんしき)の準備(じゅんび)にはものすごくいろいろとやることがあるので,教えてあげられる事はとにかく読者に教えてあげようという感じ。取材ではたくさんの仕事プロの方と話すので,自分が知らなかったことが見つけられたりして,とても勉強になるんです。
もしかしたら,「編集(へんしゅう)の仕事は国語が好きじゃないといけない。国語の成績(せいせき)が良くないと編集者(へんしゅうしゃ)にはなれない。」そんな印象を持っている人は多いと思います。だけど私(わたし)はそれだけではないと思うんです。確(たし)かにきちんとした日本語の読み書きは大切だけど,それよりも「伝えかたを一生懸命(いっしょうけんめい)考えることができる」ということが大事なんじゃないかなと。文章がうまくなくても,誌面(しめん)をこんな感じで作りたいという気持ちがあれば編集者(へんしゅうしゃ)になれると思っています。
文章が苦手でも大丈夫(だいじょうぶ)ってどういうことだろう?と不思議に思うかもしれませんね。会社には多くの人が働いています。ですから,もし自分の書いた記事(文章)が読みにくかったり,伝わらなかったりしても,ちゃんと誰(だれ)かが教えてくれたり,直してくれたりします。私(わたし)も先輩(せんぱい)に「やっと読める文章になってきたな」と言ってもらえるまでに4,5年かかりましたから。ちゃんとやりたいと思う気持ちがあれば,ちゃんと導(みちび)いてくれる人がいるのが会社なんだと思います。
じつは子どもの頃(ころ),作文は苦手でした。でも本やマンガを読むのは大好きで,ゴハンを食べ忘(わす)れてしまうぐらいたくさん読んでいました。言葉にふれて言葉に感動するような体験をいっぱいしていました。だから,すごく印象的な言葉って今でも憶(おぼ)えています。本が好きという気持ちは,大人になる頃(ころ)には,自分が好きな本を作れるようになりたい!という気持ちに変わっていました。それが,編集者(へんしゅうしゃ)になった一番大きな理由だったと思います。
怒(おこ)られるとガッカリしたりクヤシイって思ったりしますよね。でも,そういう時は素直(すなお)に怒(おこ)られた理由を考えることが大事。そして,怒(おこ)った人にたいして怒(いか)りを感じないこと。反省や落ち込(おちこ)むことってけっこう大切なことだと思います。自分の考えや行動を成長させるために誰(だれ)かが何かを教えてくれるなら,それはいつか自分のためになるはずです。
運動でも勉強でも好きなことが見つかったらまずは挑戦(ちょうせん)してください。才能(さいのう)があるとかないとかというのは関係なし。私(わたし)は作文が苦手だから編集者(へんしゅうしゃ)になれないかな…という人でも,じっさいに書いてみたらたくさんの人を感動させるようなすごいものが書けるかもしれません。とにかくやってみることが大事だと思います。その中から自分に向いていると思えるものがきっと見つかるはずです。