仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
出身地 東京都
村上むらかみ 友和ともかず
子供の頃の夢: 樹木医
クラブ活動(中学校): ラグビー
仕事内容
自然などの面白さを伝える
自己紹介
とにかく外に出ることが好きです。最近カメラを買ったため、鳥を取ることに夢中むちゅうになっています。年に2、3回しか行けないキャンプとタイ料理も好きです。

※このページに書いてある内容は取材日(2015年03月12日)時点のものです

自然の面白さや価値かちを伝える

自然の面白さや価値を伝える

わたしは,自然教育研究センターという会社に所属しょぞくして,自然の面白さやその価値かちを多くの人に伝える仕事をしています。会社では,東京都や他県からの委託いたくで,いくつかの自然公園や都市公園を運営うんえいしています。高尾たかおビジターセンターでは8名の解説員かいせついんが働いています。わたしは,だいたい週に4日くらい高尾たかおビジターセンターで勤務きんむし,高尾山たかおさんおとずれる人に自然の面白さや価値かちを知ってもらうために案内したり,展示てんじ配布はいふ物などの企画きかく作製さくせいを行ったりしています。また,高尾山たかおさんに登山にくる学校と事前に打合せをしたり,キャンプ場などのイベントで高尾山たかおさん以外の自然について話をしたりすることもあります。解説員かいせついん(インタープリター)という仕事は,自然以外に,歴史や文化,科学などについて伝えるものもあります。

自然の情報じょうほう収集しゅうしゅうが大切

自然の情報収集が大切

わたしは,朝8時のケーブルカーで高尾山たかおさん駅まで登り,山頂さんちょうにあるビジターセンターまで,自然の情報じょうほう収集しゅうしゅうしながら歩くことから仕事が始まります。どんな花がいているのか,どんな鳥が見られるのか,道の状態じょうたいはどうなのかなどを調べます。9時頃じごろにセンターにつき,10時の開館までの間にその日に勤務きんむする3,4名のスタッフと情報じょうほうを共有して開館の準備じゅんびをします。高尾山たかおさんには7つの登山道がありますが,月に2回ずつスタッフが手分けして歩いて,時間をかけて登山道の状態じょうたい調査ちょうさすることも重要な仕事になります。また,参加者を募集ぼしゅうして実施じっしするガイドウォークでは,何をどのように伝えるかという内容ないよう検討けんとうのために,ご案内する以上の時間をかけてコースの下見をしています。

山の中では何が起こるかわからない

山の中では何が起こるかわからない

高尾山たかおさんは,ケーブルカーやリフトで途中とちゅうまで登れますし,マスコミで取り上げられることも多く,気軽な服装ふくそうくつおとずれる人も多い山です。そのため,来訪者らいほうしゃも多く,すべって転んで骨折こっせつする人や意識いしきを無くしてしまう人など,ビジターセンターには事故じこ通報つうほうも入ります。そういった場合は,現場げんばへかけつけてできるだけのお手伝いをします。AEDという心臓しんぞうに電気的なショックをあたえて,正常せいじょうな働きにもど装置そうちそなえつけられていますが,スタッフは講習こうしゅうを受けてあつかえるようにしています。今までに何度か装置そうちを使いましたね。本当にたくさんの方が来ますので,安全情報じょうほうなどを全ての人に知ってもらうことはむずかしいと実感しています。

思いを共感できるときが喜び

思いを共感できるときが喜び

登山者をむかえる準備じゅんびのために自分なりにいろいろと調べて,実際じっさいにお客様をご案内したときに,「ああ」とか「おお」とか,感嘆かんたんの声が上がると,自分たちが考えている自然のすごさや面白さ,価値かちが伝わり,共有できたと思えます。わたしは,お客様から「花の名前や鳥の名前を覚えました」,「勉強になりました」と言われるより,その場で,お客様がおどろいたり,感動したりしてもらえる方がとてもうれしくなります。

自然を楽しんでもらうことが第一

自然を楽しんでもらうことが第一

お客様へ自然の素晴すばらしさをどのように伝えるか,ということを考えると,生きものの名前や特徴とくちょうを説明するだけではなく,その背景はいけいにある物語をお客様へ伝えたいと考えています。例えば,虫を引き寄ひきよせる植物の構造こうぞうは,非常ひじょうに面白い仕組みがいっぱいあります。自然に興味きょうみをもって楽しんでもらうことで「高尾山たかおさんってすごいんだな」と思ってもらえるよう,案内する内容ないようかたよらないように心がけています。生物多様せい環境かんきょう問題を大上段じょうだんかまえるのでなく,徐々じょじょに自然の価値かちに気づいてもらえるようになれば良いなと思っています。

野生動物の保護ほご活動で知ったインタープリター

野生動物の保護活動で知ったインタープリター

大学では,野生動物について学ぶために農学部の畜産ちくさん科に入りました。野生動物を専門せんもんに学ぶ機会がほとんど無かったためです。ボランティア活動で,野生動物の保護ほご現場げんばへ参加したときに,インタープリターという仕事があることを知りました。資格しかくは特に無く,そのような活動をしている団体だんたいや会社に入ると解説員かいせついんとして働けます。ですが,なかなかせまき門で,大学卒業後は,山梨やまなし県のアウトドアスポーツを行う会社に入り,カヌーやマウンテンバイクのインストラクターをしながら自然環境かんきょうを案内する仕事をしていました。その後,現在げんざいの会社に入ることができ,解説員かいせついんとして働いています。

いろいろな土地をめぐった経験けいけんが根っ子

いろいろな土地を巡った経験が根っ子

子どものころは,とにかく外に出ることが大好きで,外で友達と活発に遊んでいました。中学を卒業した後の春休みや,高校の長期休暇きゅうかでは,1人でヒッチハイクをして四国や北海道などを回りました。そのときに,いろいろな人と出会って,いろいろな自然にせっしたことが,今の仕事の根っ子になっているような気がします。

自分で発見することが大切

自分で発見することが大切

みなさんが好きでは無いことでも,沢山たくさんのことに興味きょうみをもってほしいと思います。登山を例にすると,山頂さんちょうに登って雄大ゆうだいな景色を楽しむこと(ピークハント)も素晴すばらしいことではありますが,ただ登るのではなく,周りに目を向けて,その途中とちゅうを楽しんでほしいですね。これは自然にかぎったことではなく,自分で何かを発見すること,自分らしい楽しみを見つけ出すことを大切にしてほしいと思います。

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特別時代小説が好きなわけではないが、一癖も二癖もある主人公の持つ秘剣がとにかくカッコイイ。また花や自然など、季節の描写が繊細で、目に浮かぶような表現がとても好き。

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取材・原稿作成:株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所/東京書籍株式会社/協力:株式会社ウィズ