※このページに書いてある内容は取材日(2023年01月23日)時点のものです
会社の経営に必要な資金を貸し出す仕事
私は、横浜銀行自由が丘支店の法人渉外課という部署で働いています。「法人渉外」は、あまり聞きなれない言葉ですよね。横浜銀行の「法人渉外」は、会社などの企業のお客さまに銀行のサービスを提供する役割を担っています。
銀行には、お客さまのお金を預かる(預金)、お客さまにお金を貸し出す(融資)、お客さまのお金を別のお客さまに送る(為替)という3つの役割があります。さらに、最近ではこの3つに加えて、個人のお客さまや会社、地域などのお金にまつわるさまざまな相談に乗るという仕事も大切になっています。
その中でも、私はおもにお金を貸し出す「融資」業務を中心に幅広いサービスをご提案しています。
例えば「会社を経営するための資金が足りない……」「会社をもっと大きくするために、新しい機械を導入したい」といった課題やご希望があるお客さまには、会社の経営に必要な資金を融資します。とはいえ銀行は、どんなお客さまにでも簡単に融資できるわけではありません。まずは、その会社にしっかりと返済できる能力があるかどうかを調査し、判断する「審査」を行います。この時、お客さまからいただいた会社の業績などの資料をもとに、審査に必要な書類を作成することが重要です。そしてこの審査に通過すると、銀行はお客さまに融資します。
上場企業や中小企業といった会社等とコミュニケーションをとり、お客さまにとって最適な銀行のサービスを提供することが法人渉外のおもな業務となります。そのため、さまざまな業種の経営者の方々と話をする機会が多いのも特徴です。
会社が抱える経営課題を聞いて、一緒に解決をする
定期的にお客さまを訪問し、会社の経営状況や業績、抱えている課題などをお聞きすることも大切な仕事です。お金のことだけでなく、経営に関するさまざまなご相談をお受けしています。「商品の仕入れ先を探している」「新しいシステムを導入したいから、システム開発を行う会社を探している」といったお客さまには、横浜銀行のお客さまの中から最適な企業を紹介する「ビジネスマッチング」というサービスをご提供しています。また最近は、会社の経営を引き継ぐ後継者がいないと悩むお客さまからのご相談も増えています。後を継ぐ親族がいない場合は、従業員が経営を引き継ぐのか、もしくは他の企業に会社を売却したいと考えているのかなどをヒアリングし、その際に必要となる資金や手続きなどをご案内します。さらには税理士、公認会計士などの外部専門家とも連携して、スムーズに経営の引き継ぎができるようにサポートしています。
このような、さまざまな支援を通して、お客さまが経営する会社の成長を支えていくことは、法人渉外の大切な役割になっています。
新聞を毎日読んで、常に情報収集を
出社すると最初にメールを確認します。返信などを一通り終え、当日の予定を確認したら、担当しているお客さまを訪問します。だいたい午前中に1社、午後に1~2 社訪問することが多いです。お客さまにお会いすると、何気ない世間話から、「実は投資をしようか迷っているため、相談に乗ってほしい」といった依頼につながることも多いため、お客さまのところへ足を運ぶことは、とても大切です。外出を終えると支店に戻り、融資を希望するお客さまの審査用の資料作成などを行い、業務を終えます。時には、社内の勉強会に参加することもあります。勉強会では、金融・経済や経営に関する知識を学んだり、担当するお客さまの課題やニーズを社内で共有し、ビジネスマッチングなどの提案に役立てたりしています。
お客さまからご相談やご質問を受けた際、しっかりとお答えできるように、日ごろから情報収集は欠かせません。今では、新聞を読むことは日課の一つになっています。こうした積み重ねがお客さまからの信頼につながり、「何かあれば、次も相談してみよう」とお声がけいただくきっかけになるのではないかと思います。
また、業務の合間には資格の取得にも励んでいます。銀行員に求められる代表的な資格は、簿記検定やFP 技能検定(ファイナンシャル・プランニング技能検定)、銀行業務検定があります。その中でも銀行業務検定は、財務や税務、法務、証券、外国為替……など全部で30種目以上の銀行業務に関する試験があります。私は最近、法務とマネジメントの試験に合格しました。このように、自分の業務に関わる科目や興味のある分野の検定を定期的に受けるようにしています。
他の部署のスタッフと協力することも大切
横浜銀行には、お客さまと直接お会いして銀行業務を行う支店のほか、本部という部署があります。本部は銀行全体の経営について計画を立てることや支店の業務のサポートをしています。また資本政策、プロジェクトファイナンス、デジタル支援、海外ビジネスといった特定の分野に詳しいプロフェッショナルが多く在籍しているという特徴があります。お客さまが抱えている課題によっては、より専門的な知識が必要となるケースもあり、支店の担当者だけでは解決できないことがあります。そんな時は、本部のプロフェッショナルと連携し、チーム一丸となってお客さまの課題解決に取り組んでいます。
新人のころは、つい自分一人で解決しようとしてしまうこともありましたが、経験を重ねたことで、「この分野は本部のあの部署に協力してもらおう」「この案件は支店長にアドバイスをもらおう」といった判断ができるようになりました。上司や先輩、本部のプロフェッショナルといった経験豊富な方々の力を借り、よりお客さまに満足していただけるご提案やサポートを提供できるように心がけています。
お客さまの喜ぶ姿が、仕事を頑張る原動力に
お客さまへの融資やサービスの提供を通して、お客さまの会社の成長をサポートできることがこの仕事の醍醐味です。その中で「新保さんが担当だったから、資金が調達できて会社が大きくなったよ」と言ってもらえた時は、本当に心からうれしくなりますし、お客さまのために頑張ってよかったと感じます。
また、仕事をする上で私が大切にしていることは、お客さまからのご依頼やご相談には1日でも早く対応することです。お客さまが取引をしている銀行は、横浜銀行だけではありません。他の銀行、信用金庫などにも融資などの相談をされているケースがほとんどです。私の対応が遅いことで、「他の銀行にお願いすることになった」とならないように、お客さまのご要望にスピーディーにお応えすることを意識しています。時には、お客さまからのご依頼が重なり、業務に追われることもありますが、忙しいことはありがたいことだと感じながら、毎日仕事をしています。
やりたいことが見つからなかった学生時代
高校生のころの将来の夢は、学校の先生でした。学校で身近に働く姿を見ていて、何となく「学校の先生っておもしろそうだな」と思ったことが理由です。しかし、大学に入学し自分の視野や世界が広がると、学校の先生という夢は消え、どんな職業に就きたいのか、どんなことをやりたいのか見つけられない日々が続きました。そんな中、就職活動が本格的にスタートし、将来について考えていた時に「とくにこの仕事に就きたいというものはないけれど、さまざまな業種の経営者と会える仕事がしたい」と思っていることに気がつきました。そして、そのことを実現できるのは、銀行の法人渉外の仕事だと思いいたりました。また、私の実家は造園業を営んでおり、会社を経営するとはどういうことなのか、学びたいと思ったことも銀行員を目指す大きな後押しとなりました。
そして横浜銀行への就職が決まると、希望していた法人渉外に配属となりました。常にいろいろな業種の経営者の方々と関わりながら、さまざまな経験を積むことができる今の環境には、とても感謝しています。
人見知りをしない、活発な子どもでした
子どものころからとにかく活発で、いろいろなことに興味を持ち、チャレンジしていました。小学生の時、運動会で一輪車のパフォーマンスに参加することになりました。約40 名のメンバーのうち、3 名しか乗れない高さ2m 程ある一輪車がありました。何としてもその一輪車に乗りたかった私は、練習をたくさんし、その希望を叶えることができました。
高校時代には、メンバーが足りないと誘われた剣道部にいきなり入部し、初心者ながら大会に出場したこともありました。
よく言えば、失敗をあまり恐れないチャレンジ精神旺盛な子どもだったと思います。そのおかげか大人になった今でも、「度胸がある」と言われることも多いです。
また、幼いころからあまり人見知りをせず、誰とでもすぐにうち解けられるところは、今の法人渉外の業務に生かされているのではないかと感じています。