仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

沖縄県に関連のある仕事人
1979年 生まれ 出身地 沖縄県
えいぎょう おろしうりぎょう営業(卸売業)
幸地こうち 由華子ゆかこ
子供の頃の夢: 花屋
クラブ活動(中学校): なし
仕事内容
お店の希望や使い道にあわせた商品を提案・販売する仕事です。
自己紹介
明るい性格せいかくで,面白い事が好き。いつでも笑っていたい。
黄金 言葉くがに くとぅば:やーなれーふかなれー
(家庭での行いや習慣は,外に出たときに表れる)
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2017年03月21日)時点のものです

らしをささえる仕事

暮らしを支える仕事

卸売おろしうりって言葉を聞いた事はありますか。聞きなれない言葉だと思うので簡単かんたんに説明しますね。
みなさんが普段ふだん買い物をするときは,文房具屋ぶんぼうぐやさんとかスーパー,コンビニエンスストアなどで買い物をすると思います。そういうお店は小売店とばれます。一方,商品をつくる会社はメーカーとばれます。商品をまとめて買ってほしいメーカーと,少しずつ買いたい小売店をつなぐのが卸売業おろしうりぎょうです。
わたしつとめている福山商事は卸売業おろしうりぎょうをしている会社です。会社では,コピー用紙やティッシュペーパーといった紙製品せいひんや,水道管やスプリンクラーといった水道に関係するモノをメインにあつかっています。その他にも,ビニールハウスや,工業製品せいひん,またオフィスで使う椅子いすつくえ事務じむ用品などいろいろな種類の商品をあつかっています。一般いっぱんの人は気づきにくいけれど,実は生活の中になくてはならないものを販売はんばいしているのがわたしたちの仕事です。沖縄おきなわではわたしたちの会社ぐらい,たくさんの商品をあつかっているところは他にないんですよ!

「紙」ってこんなに面白い!まさに紙ワザ!

「紙」ってこんなに面白い!まさに紙ワザ!

わたし所属しょぞくしている紙業部しぎょうぶは,その名のとおり紙を専門せんもん担当たんとうしています。紙業部しぎょうぶは,新聞紙やチラシの元となる大きな紙を印刷会社に販売はんばいする一課と,コピー用紙や家庭で使われる紙などをあつかう二課に分かれていて,わたしは二課で働いています。ちなみに,沖縄おきなわには二つの大きな新聞会社があるのですが,その新聞紙は福山商事が販売はんばいしている紙が使われているんですよ。
みなさんが普段ふだんよく目にするノートの紙やコピー用紙といった紙は普通紙ふつうしといいます。それとは別に特殊紙とくしゅしばれる紙は光沢こうたくがあったり,凹凸おうとつがあったり,水に強かったりとさまざまな材質ざいしつのものがあります。キラキラした紙はキレイですし,ざらざらした触感しょっかんさわっても楽しいですよね。過去かこには,その特殊紙とくしゅしを使ってアーティストとコラボレーションした『KAMI・GAKARI』というイベントも開催かいさいしました。和紙でウエディングドレスを作って美術館びじゅつかん展示てんじしたり,色とりどりの紙を使ってオリジナルのメッセージカードを親子で作るワークショップなどを行いました。
これからもわたしの仕事を通して,もっと多くの人たちに紙の面白さや可能かのうせいを知ってもらえるといいなと思っています。

紙をとどけるプロフェッショナルとして!

紙を届けるプロフェッショナルとして!

紙業部しぎょうぶでのわたしの仕事は,豊富ほうふな種類の紙の中から,お店の希望や使い道にあわせた商品を提案ていあんして,一般いっぱんのお客さんに向けて販売はんばいしてもらえるよう,お店やオフィスに「営業えいぎょう」をすることです。わたしは会社に入って13年間,営業えいぎょうの仕事を続けています。紙業部には10人いますが,女性じょせいわたし1人だけです。紙業部では1人で営業えいぎょうに出かける事が多いので,どうしてもみなと顔を合わせる機会が少なくなってしまいます。そのため,ミーティングの回数を多くして仕事の進み具合を確認かくにんし,小さなことでも声をかけて積極的にコミュニケーションを取るようにしています。 ライバル会社の商品もある中,わたし営業えいぎょうした商品を買ってくれると決まった瞬間しゅんかんは「よっしゃあ!」とアドレナリンがてきます。あきらめないで良かったなと,1番やりがいを感じる瞬間しゅんかんです。それを味わうためにも,商品の勉強をし,お客様が1番喜ぶのは何だろうと,相手の立場に立って一生懸命いっしょうけんめい考える事を大事にしています。

お客様の声がわたしを成長させる

お客様の声が私を成長させる

わたしは一つの事に集中しすぎてしまい,周りが見えなくなってしまうことや,営業えいぎょうをするときに問題点に気づかず,たびたび上司に注意されることがありました。そのときはやっぱりイヤな気持ちになることもあります。でも,自分なりに問題を解決かいけつして営業えいぎょうをするとお客様から「幸地こうちさんがおすすめしたから使ってみようか」っていう言葉をもらえるんです。それからは,注意されたときもお客様の言葉を思い出すことで,何もしないで終わりにするのではなく,しっかり反省して「次に活かすぞ!」という気持ちにえるようになりました。
今は,問題点がないかを自分で考え,物事をいろんな角度から見る工夫を毎日続けています。「言われたことだけやる」のは簡単かんたんですが,「言われる前に考える」ことを意識いしきしています。そうやって苦手な事を克服こくふくするように努めたり,他の部署ぶしょあつかっている商品の知識ちしきつねに頭に入れたりと,自分をレベルアップさせていくと,「幸地こうちさんがいる福山商事からまた商品を買いたいな」と思ってくれるお客さんがえていくんです。それがうれしいですね。

自分の進む道がわからなくなっていた高校時代

自分の進む道がわからなくなっていた高校時代

今は前向きに仕事に取り組んでいますが,高校生のときはなやみが多い日々ひびを送っていました。
親のすすめと好奇心こうきしん旺盛おうせい性格せいかくから,高校は家から少しはなれた所へ進学しました。同級生は初めて会う人がほとんどで,今までの環境かんきょうとはちがう新しい世界は楽しく,かけがえのない親友もできました。放課後に友達と遊ぶのはとても楽しかったけど,勉強や部活にんだりすることがなかったので「本当にこれでいいの?」と心のどこかでいつも自問自答していました。なやみながらも高校生活を続けていましたが,3年生のときに,2人でごすことの多かった1番の親友が学校を辞めてしまうことが分かりました。勉強はあまり好きではなかったし,高校生活も楽しくなくなってしまうので,いっそのこと,わたし一緒いっしょに高校を辞めようかとも考えました。でも,辞めてしまうと,今まで積み重ねてきた高校生活をぼうってしまうのではという不安もあり,自分でも自分の進みたい道がわからず,もやもやとした気持ちでいました。

今ここで1時間がんばってみる

今ここで1時間がんばってみる

そんなふうになやんでいたある日,国語の授業じゅぎょうがありました。国語の先生が黒板に書いた詩を退屈たいくつだなあと思いながら渋々しぶしぶノートに書き写していたのですが,そのとき
頑張がんばるんだよ/頑張がんばるんだよ/今そこを頑張がんばるんだよ」
というの一節が,すうっと自分の中に入ってきたんです。すごく心にひびきました。
今自分が求めているのはこれなんだ,やっぱり自分の中には,あきらめたくない気持ちがあったんだ,と気づいてなみだぐんだことを覚えています。親友が辞めてしまうのはさびしいけれど,わたしは必ず高校を卒業しようと決めました。決意をしてからも卒業までの道のりが遠すぎるように感じて,何度もくじけそうになったけれど,このを思い出して,今日1日だけ頑張がんばってみよう,今この1時間の授業じゅぎょうだけでも頑張がんばってみようと,自分をふるたせました。
世の中には大人になって働きながら高校卒業の資格しかくを取る人もたくさんいますが,あのとき途中とちゅうであきらめなかったからこそ,今の自分があると思います。

「あきらめない」をささえる力

「あきらめない」を支える力

高校を卒業すると決めたものの,その後の進路にはまよいがありました。大学へ進学するあこがれはあったのですが,自分に自信が持てなくて無理だろうなと半ばあきらめていたとき,担任たんにんの先生が,地元の大学への推薦すいせん入試をすすめてくれました。学校がわたし推薦すいせんしてくれると聞いて「これはやるしかない」と思い,毎日小論文ろんぶんの練習を続けました。人生の中で1番といっていいほどつくえにかじりついて,念願だった大学へ入学することができました。
高校を辞めようかなやんでいたときも,大学へ行くと決めて勉強をしていたときも,両親からは何度も何度も「あきらめないで」と言われていました。言われているときは,「何回も言わなくても分かっているよ」っていう気持ちになりましたが,今ならわたしのためを思ってかけてくれたエールだと理解りかいできます。うっとうしいと思われても,声をかけ続けてくれた両親や担任たんにんの先生は,いつもわたしにエールを送ってくれていたのです。友達や後輩こうはいわたしがつらいときにはなやみを聞いてささえてくれました。そのおかげで頑張がんばってこられたことに,今はとても感謝かんしゃしています。

あきらめないで自分を信じて

あきらめないで自分を信じて

わたしの人生を変えたきっかけは,国語の授業じゅぎょうでした。そのの言葉がひびいて行動にうつせたのも,自分がずっとなやんで,答えを求めていたからこそだと思います。身近にあるきっかけに気づいて行動にうつすかうつさないかは自分自身です。わたしも高校を辞めずに,今の仕事を続けてきたから,今こうしてみなさんへお話しできる機会が持てたんだと思います。
例えばもし,あなたが勉強や運動が苦手で,下から順番を数えたほうが早くてなやんでいても,自分を卑下ひげすることはしないでほしいです。必ず,あなたがかがやける何かを見つける事ができると思います。そのきっかけをつかむまであきらめずに自分を信じていてください。そして自分だけでなく周りで声をかけてくれる人達も大切にしてくださいね。

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