仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

神奈川県に関連のある仕事人
1974年 生まれ 出身地 神奈川県
せいがくか・だいがくこうし声楽家・大学講師
しま てるみてるみ
子供の頃の夢: バレリーナ、ミュージカルスター
クラブ活動(中学校): コーラス部
仕事内容
声を響かせ歌う・歌い方を教える
自己紹介
休日は、仕事からはなれてリフレッシュするようにしています。わたしは自然が大好きなので外でごすことが多いですね。最近はりに行っています。

※このページに書いてある内容は取材日(2009年08月04日)時点のものです

声楽とは,体を楽器として使い,声で曲をかなでる音楽のこと

声楽とは,体を楽器として使い,声で曲を奏でる音楽のこと

みなさんは「声楽」って知っていますか?曲をかなでるときには楽器を使いますよね。声楽の場合は自分の体が楽器になります。体を使い,声をひびかせて音楽をかなでる。簡単かんたんに言うとこれが「声楽」なんですよ。わたしは,私自身わたしじしんが声楽家として活動し,また,川崎かわさき市にある洗足せんぞく学園音楽大学という学校で声楽家を目指す学生を指導しどうする仕事をしています。

わたしの歌声をきたい,という人がいる場所ならどこへでも

私の歌声を聴きたい,という人がいる場所ならどこへでも

声楽家は,自分の歌声をきたいという人がいるところへ,どこへでも出かけて行って歌い,歌を通じて喜びや幸せを感じていただく仕事です。日本や外国のコンサートホール,市民会館,学校,レストラン,ミュージアム・・・さまざまなところでコンサートを開いて歌います。ヨーロッパのおしろで歌ったこともあるんですよ。コンサートの形式は,ひとりで歌ったり,他の人と一緒いっしょだったり,オーケストラがついたり,ピアノだけだったり,とさまざま。歌も,オペラだったり,外国の民謡みんようだったり,日本の歌だったりと,コンサートのテーマによって変わります。

ただ声が上手に出せるだけではダメ

ただ声が上手に出せるだけではダメ

コンサートはライブですから,見栄えやステージの雰囲気ふんいきも大切です。衣装いしょうやメイク,舞台ぶたいの照明の明るさや色のバランス,演奏者えんそうしゃ演奏えんそうの仕方など,気を配ることはたくさんあります。コンサート中も声だけではなく,表情ひょうじょうや体の動きなどを使って自分の全身で歌を伝えます。体の管理も大切ですね。声楽家は体が楽器ですから,自分の体をきちんと知らなければなりません。たとえば体調や季節,気温,湿度しつどはのどにとても影響えいきょうあたえます。年齢ねんれいもそう。年をとれば声の出方も変わってきますし,声が変わればその声に合う歌も変わってきます。ギターのチューニングとかピアノを調律ちょうりつするなんて言葉,聞いたことがありませんか?楽器を丁寧ていねいに手入れして管理し,音を調整していくのと同じように,声楽家は自分の体を手入れし,調整し続けていくことが必要です。

声楽の先生とは,スポーツ選手のコーチのようなもの

声楽の先生とは,スポーツ選手のコーチのようなもの

声楽の先生の仕事とは,ここまでお話ししてきた「声楽家」を目指す学生の指導しどうです。レッスンは先生と学生が1対1の個人こじん指導しどう。体を使って表現ひょうげんする技術ぎじゅつを1対1で指導しどうするんです。声楽の先生は,学校の先生というよりはスポーツのコーチに近いかもしれませんね。毎週一人あたり50分ほどのレッスンを行っていて,内容ないようは,定期的に開かれる発表会に向けての練習が中心です。学生の声質せいしつ特徴とくちょうに合わせて曲を選び,レッスンをり返して声を出す技術ぎじゅつみがいていきます。声を出す練習以外にも,曲を作った人はどんな人なのか,どうして作ったのか,どんな時代に作られた曲なのか,曲そのものを理解りかいするための勉強もします。自分の「見せ方」・・・コンサートの舞台ぶたい上での動き方とか,メイクの仕方や衣装いしょうの選び方など,歌う以外での自分らしさの出し方もアドバイスしたりするんですよ。

学生の声がパッと変わった瞬間しゅんかんがうれしい

学生の声がパッと変わった瞬間がうれしい

学生には,自分にしか伝えられない何かを見つけて,人に伝えられる声楽家になってほしいと思います。レッスンではとにかくその何か,をつかまえて引っり出すことに力を入れています。とてもむずかしいことですけどね。でも,レッスンを続けているうちに,パッと学生の声が変わることがあるんですよ。ただ声が上手に出せたということではなく,この学生にしか表現ひょうげんできない何かがパッと開いたな,って分かる瞬間しゅんかん。これはすごくうれしいです。

小学校5年生の時,音楽の先生に「声がいいね」と言われて・・・

小学校5年生の時,音楽の先生に「声がいいね」と言われて・・・

実は小さいころには歌には興味きょうみがなかったんです。毎日毎日,友達と近所の公園で遊びまわっているような子どもでした。歌に興味きょうみを持つようになったのは,ほんとうにちょっとしたことがきっかけ。小学校5年生のとき,音楽の時間に歌を歌ったら先生に「声がいいね」とほめられたんです。それまではバレリーナになりたくてバレエ教室に通っていたのですが,ほめられてすっかりうれしくなっちゃって。今度は歌ばかり歌うようになって合唱団がっしょうだんに入りました。

ないないだらけのまま,ウィーンへ

ないないだらけのまま,ウィーンへ

音楽大学を卒業した後,本場で勉強がしたくてオーストリアのウィーンに行きました。知り合いがいるわけでもないし,レッスンを受ける先生も学校も決まっていないし,言葉もよくわからない。でもとにかく行ってみたい気持ちだけで行きました。最初のうちは大変でした。ドイツ語がほとんど分からかったので,授業じゅぎょうを全て録音して自宅じたくに帰ってから聞き直す,ということをり返したりして。ただもうがむしゃらでしたね。そのうちに,参加したコンクールで賞を受賞したりしてだんだん声楽家としてみとめられ,応援おうえんしてくれる人もえてきて,コンサートが開けるようになりました。

自分でやりたいと思ったことはやってみよう!

自分でやりたいと思ったことはやってみよう!

どんなきっかけでもいいから,やりたいと思ったことはやってみることが大事だと思います。うまくいかなかったらどうしよう,とか結果は考えずに。自分の気持ちに正直に,やりたいと思うことを一生懸命いっしょうけんめい続けていると,必ず見ている人がいて,はげましてくれたり,サポートしてくれたりするようになります。わたしの場合は音楽の先生にほめられたことがきっかけですが,みなさんのまわりにもそんな小さなきっかけが必ずころがっているはずです。どうかそれを見逃みのがさずにつかまえてやってみてほしい。そう思います。

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音楽の理論を噛み砕いて解説している本です。とても分かりやすく、子どもから大人まで読んで楽しい本です。
羽生 善治
棋士として有名な羽生さんが書かれた本です。以前お会いしたことがあるのですが、普段の何気ないしぐさがとても美しい方なんです。あの美しさはどこからくるんだろうと思ってこの本を読んでみました。将棋の世界のことだけが書かれているわけではなく、生き方・考え方のお手本となる内容がいっぱい詰まっています。

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取材・原稿作成:横浜銀行、(c)学校ネット株式会社