社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!
※このページに書いてある内容は取材日(2006年04月14日)時点のものです
私(わたし)たちは,芝生(しばふ)をサッカースタジアムやゴルフ場,公園や校庭,さらには,工場や飛行場などに植える仕事をしています。一口に芝生(しばふ)といっても,その種類はさまざま。暑さに強いもの,寒さに強いもの,とんだりはねたりしてもすりきれにくいもの,日かげでも育つもの,海のそばでも育つものなど,たくさんあります。例えば,テレビの画面に映(うつ)るサッカースタジアムの芝生(しばふ)は,一年中,青々(あおあお)とかがやいています。それはいつも同じ芝(しば)に見えますが,実は夏と冬では生えている芝(しば)が違(ちが)うのです。夏にスタジアムに生えている芝(しば)は,放っておけば冬には枯(か)れて茶色になります。そうならないように,秋に冬芝(しば)といって寒さに強い芝(しば)の種をまいておくのです。ちなみに,あのキレイな芝生(しばふ)のしま模様(もよう)は,私(わたし)たちが芝(しば)をかる機械でつけたものなんですよ。また,校庭に植えるのか,海のそばの公園に植えるのか,家の庭に植えるのかによっても,芝(しば)の種類は変わってきます。だから私(わたし)たちは,芝(しば)を植えたいという人たちから注文を受けると,どんな芝(しば)を,どんな方法で植えるほうがいいのかを考えて,その場所にぴったりの芝(しば)を植えていきます。
この仕事をしていて,いちばんうれしいのは,芝生(しばふ)を使ってくれる人が喜んでくれること。校庭を芝生(しばふ)にしたときなどは,子どもたちがはだしになってかけまわっているのを見たり,「校庭で遊ぶ子が増(ふ)えたよ」などと言われたりするのが,本当にうれしい。芝生(しばふ)の束は重く,夏は暑いと,つらいことも多いですが,喜んでくれる姿(すがた)を見ると,そんなことは忘(わす)れてしまいます。だから,仕事をするときは「喜んでもらうにはどうしたらいいか」をいつも考えているんです。ただ,芝(しば)は生き物ですから,思うとおりに生えてくれないこともあります。だから,普段(ふだん)からもっと良い芝(しば)はできないか,もっと良い植え方はないかと研究しています。そうすることで,「芝(しば)のことなら,あなたたちにまかせておけば大丈夫(だいじょうぶ)」と言ってもらえるようになれるのです。
私(わたし)は,この仕事にとてもやりがいを感じていますし,一日のうちでも仕事のことを考えていることがとても多い。でも,子どものころから,芝生(しばふ)の仕事をしようと思っていたかというと,そんなことはありません。子どものころは,絵を書くのが好きでした。だから,絵をかく仕事がしたいと,看板(かんばん)屋になったこともあります。そのあとは,自分の力を試してみたいと自衛隊(じえいたい)にも入隊しました。そして今は,芝生(しばふ)の会社で社長をしています。まったく関係のない仕事を選んでいるようにみえますよね。でも,ふりかえってみると,私(わたし)にとってムダな仕事はありませんでした。大切な友だちをつくることもできました。だから,みなさんも少しでもやりたいことがあったら,挑戦(ちょうせん)してみてほしい。そのあとで,やりたいことが変わってもいいと思うんです。とりあえず,やってみる。これが大切なんですよ。