社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!
※このページに書いてある内容は取材日(2006年04月14日)時点のものです
「サッカーの試合は,敵地(てきち)のアウェイよりホームの方が有利だ」なんてよく言われますが,では,それはなぜだと思いますか? ホームグラウンドのほうが慣(な)れているから。たくさん集まってくれるサポーターの声援(せいえん)が力をくれるから。もちろん,それも正解(せいかい)。でも,芝生(しばふ)もまた,その理由のひとつなんです。例えば,早いパス回しを得意とするチームなら,ホームグラウンドの芝(しば)は短くかられます。芝(しば)が長いと,ボールのスピードが落ちて,思ったとおりのパスにならず,相手チームにボールをうばわれてしまったりするからです。つまり,思いどおりの試合ができるかどうかが芝(しば)にかかっているともいえるのです。だから,サッカー選手は「どんな芝生(しばふ)なのか」ということをとても気にしますし,インタビューで,芝生(しばふ)が良かったかどうかについて話すこともあるんですよ。
芝生(しばふ)が大切なのは,ほかのスポーツでも同じ。芝生(しばふ)があることで,スライディングをしたりジャンプをしたりするときに,ケガをしにくくなるからです。少し前の話になりますが,メジャーリーグに行きたいという野球選手に,「グラウンドの芝生(しばふ)を,もっと良いものに変えるから残ってくれないか」と球団(きゅうだん)が言ったそうです。スター選手の引きとめに,芝(しば)が使われたということ。この話でも,スポーツ選手にとって,芝生(しばふ)がどれだけ大切なのかが分かってもらえますよね。
私(わたし)の仕事は,そんな芝(しば)を植えること。でも,もともと日本では,芝生(しばふ)はあまりなじみがあるものではありませんでした。芝生(しばふ)といえば,やっぱりアメリカが進んでいて,庭一面が芝生(しばふ)だなんて家も本当に多い。日本では,そんな家はほとんど見かけません。だから,もっといろいろな場所を芝生(しばふ)にしたいと思っています。例えば,みなさんも校庭が芝生(しばふ)になったらいいなとは思いませんか。
この仕事がおもしろいのは,芝生(しばふ)は生き物だということでしょう。ちょっとした気候の変化などで,芝(しば)の育ち方は変わります。同じように芝生(しばふ)を植えていても,毎回変化がある。これでカンペキということはないんです。そこが,大変だけれども,おもしろい。やっぱり,仕事でも何でも楽しくないと続きませんからね。だからみなさんにも,「これはすごい!」って感動できるものや,「これだけはやりぬくぞ」ってがんばれるものを見つけてほしいなあと思います。