仕事人

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東京都に関連のある仕事人
1976年 生まれ 出身地 東京都
下田しもだ あかねあかね
子供の頃の夢: インテリア関係
クラブ活動(中学校): 演劇部
仕事内容
デザイナーのイメージや、オフィス空間に合わせて観葉植物をコーディネートする。
自己紹介
家具を組み立てたり、きゃたつ上の作業をしたりするのがとくです。休みの日にはヨガをしたり、レゴで遊んだり、かんこくドラマを見てインテリアの研究をしたりしています。
出身大学・専門学校
文化女子大学 家政学部 生活造形学科

※このページに書いてある内容は取材日(2022年09月01日)時点のものです

オフィスかんきょうてきした観葉植物を選び、コーディネート&

オフィス環境に適した観葉植物を選び、コーディネート&貸し出す

わたしは今、プランツコーディネーターとして働きながら、観葉植物のレンタルやはんばいを行う会社のけいえいをしています。プランツコーディネーターというのは、せっけいさんやデザイナーさんの要望や、かんきょう、予算に合わせた植物を選び、コーディネートするしょくぎょうです。
わたしけいえいしているかぶしき会社ほう園では、主にオフィスやてんの方々に観葉植物のレンタルやはんばいを行っています。オフィスやてんを新しく作ったりリニューアルするときに合わせて、「観葉植物などのグリーンを置きたい」という要望がオフィスやてんのオーナーさんから出ることがあります。しかし、観葉植物といってもどのくらい太陽光が入るか、風通しがいいか、などのかんきょうに合った植物を選んだり、てきせつに管理をしたりしないとれてしまいます。オフィスのデザインやかんきょうなどふくめ、空間に合った植物を選び、レンタルという形でオフィスにおとどけして、定期的にメンテナンスを行うのがわたしたちの仕事です。オフィスビルだけでなく、マンションのエントランスにある植物や、公園や道路わきだんなどの場所のメンテナンスとえ作業をうこともあります。また、「レンタルではなく自分で育てたい」という方もいらっしゃるので、昨年ははんばいを行う実てんもオープンしました。

コーディネートデザインから植物の管理まで

コーディネートデザインから植物の管理まで

毎日のスケジュールとしては、7時45分にしゅっきんし、8時から全体朝礼を行った後にぎょうを開始します。まずはしきないにあるはんばい用の植物や、温室に置いてある植物に水やりやメンテナンスを行い、その後は作業。昼食後は外出をします。お客さまをほうもんしたり、らいされたコーディネートをデザイナーさんやクライアントさんと打ち合わせしたりします。もどってきたらそのコーディネートの見積もりなどを作成し、18時にぎょうしゅうりょうというサイクルです。
お客さまに観葉植物をレンタルした場合は月に2回、わたしたちがうかがって水が足りているか、葉がれていないか、良くない成長のしかたをしていないか、虫がついていないかなどをチェックし、水やりもふくめてメンテナンスをします。少し調子が悪そうな植物は元気なものとこうかんし、社内の温室で養生させます。また、観葉植物はおろしうりじょうで仕入れるのですが、東京都内には大田区の中央おろしうりじょうをはじめ、生花や植物をあつかおろしうりじょうが何か所かあります。週に1回は午後からそれらのおろしうりじょうに行き、レンタルやはんばいに使う観葉植物の仕入れをします。
1年の中でもいそがしい時期があり、4月と10月などぎょうてんかいがよくかいさいされるシーズンは、てんスペースに置く植物のじゅようが高まります。また、11月はクリスマスツリーのじゅん、年末はクリスマスツリーからかどまついっせいに変える作業があるので、この時期もかなりいそがしいですね。

デザイナーのイメージと用意できる植物とをすり合わせていく

デザイナーのイメージと用意できる植物とをすり合わせていく

デザイナーさんかららいをされるときは「この空間に何か植物を置きたい」という要望だけの事が多いので、緑を使ってどんな空間にするかというのを考えるのもわたしの仕事になります。時々「こんなイメージの植物を置きたい」とめいかくに決まっているデザイナーさんもいるのですが、その植物と建物のかんきょうが合わないときは大変です。イメージに近く、そのかんきょうでも育つような別の植物をていあんすることもありますし、あくまでもその植物を使いたいというのであれば、わたしたちが行うメンテナンスの方法をふうすることでかいけつすることもあります。
また、新たに建物やないそうを作る場合、わたしたちが植物をむのは最終だんかいになるので、たいていは時間との戦いになります。作り付けのたななどに緑を置く場合も、じっさいに出来上がった家具のすんぽうせっけいちがっていることもあるので、調整する作業が発生することもあります。建物ができあがってから「何かさびしいね……」と感じてわたしたちがらいされることも多いので、スピーディーなたいおうが求められることも多いです。

植物をかいしてコミュニケーションが生まれるよろこ

植物を介してコミュニケーションが生まれる喜び

植物をはこみ、すべてが出来上がったときにお客さまに「わあ、きれいだね」「だいぶ変わりましたね」と言っていただけたしゅんかんは、大きなよろこびを感じます。「いい空間になり、上司にめられました」とか、「おとずれた人に『らしいオフィスですね、うらやましい』と言われたんですよ」という言葉をいただけると「この仕事をしていてよかったな」と実感します。 身の回りに植物を置くこうのうに関してはさまざまなことが言われていますが、わたしかくてきやしのこうはもちろん、「コミュニケーションが生まれること」が大きいのではと思っています。例えば「そういえばこの木、うちでも育ててますよ」とか「これ、育ててみたいなあ」とか、こうかんしたときには「あ、この間と観葉植物が変わりましたね」とか、社員さんどうの話のきっかけにすることができます。わたしたちのレンタルする植物が、いいオフィスかんきょうをつくるお手伝いになればうれしいな、といつも思っています。

インパクトのあるものを作るために、日々のじょうほうしゅうしゅう

インパクトのあるものを作るために、日々の情報収集も

植物をコーディネートするときに心がけているのは、「インパクトのあるもの」をごていあんすることです。例えばつい先日、「エントランスに何か緑を置きたい」というらいがあったので、2m以上の大きな植物から、小さな植物までいくつかの種類を組み合わせ、小さな「森」を作るイメージで植物を入れました。そうやってふうして植物を置くことで、空間がさらに"変わった"イメージを持つことができますし、お客さまにもよりよろこんでいただけるのではと思っています。そのためにも、アイデアに使えそうなもののじょうほうしゅうしゅうにちじょうてきにしています。表参道やぎん、丸の内など流行の最先端を行くビルが集まっている場所に足を運んで事例を見たり、インスタグラムなどのSNSで海外のオフィスの写真を参考にしたり。かんこくドラマなど、海外のテレビドラマからヒントをもらうこともありますね。 また、近年はかんきょう問題をしきされているお客さまも多いので、例えばさいせい材を使ったはちを使用するなど、そういったふうもしています。

植物だけでなく、はばひろしきが求められる仕事

植物だけでなく、幅広い知識が求められる仕事

かぶしき会社ほう園は、わたしの父が始めた会社です。父が早くにくなってしまったため、その後はわたしの母が中心となり会社をけいえいしてきました。会社のそうぎょうは1967年ですから「オフィス向けの観葉植物レンタル」というしょくしゅは、当時は他にはあまりなかったのではと思っています。おさないころから母の働く姿すがたを身近に見て育ったので、自分も家業をぎたいなと自然に思うようになりました。
わたしは大学ではせい学部の生活ぞうけい学科というところでインテリアやデザインに関係したことを学びましたが、プランツコーディネーターになるにはいろいろな方法があります。例えば大学の園芸学部や園芸学科で植物のしきを身に着け、わたしたちのような会社に入社し、げんけいけんを積むのも1つの方法でしょうし、お花の問屋で働いたり、ぎゃくにインテリアデザイン的なことを学んでから植物のしきを身に着けていく、というのも方法の1つです。ただ、仕事をする上でせっけい図面をわたされ、そこから具体的な空間をイメージしなければいけなかったり、ないそうけんちくざいの話になったりすることも多いので、そういうスキルとしきは必要になります。はばひろしきが求められる仕事ではありますね。

ものを作って遊ぶのが好きな子どもでした

ものを作って遊ぶのが好きな子どもでした

子どものころは、わりとおとなしい子どもだったようです。ふうしてものを作って遊ぶことが好きで、例えばティッシュを丸めてお寿さんごっこをしたり、ぬいぐるみの目に紙を切ってってまぶたを作ったり、そういうことをしていました。家の手伝いも時々していて、クリスマス前のはんぼうには、クリスマスツリーのかざりつけを手伝うのがこうれいでしたね。中学校のときのクラブ活動もえんげきで大道具・小道具たんとうでしたし「自分の手を動かして何かものを作るのが好き」という点はずっと変わらず、今の仕事ともつながっているなと思います。

を広く持ち、いろいろなものを見てください

視野を広く持ち、いろいろなものを見てください

これからの時代、かんきょう問題がよりしんこくになってくるはずです。そんな時代の流れの中、植物に関わる仕事というのは、けしてなくなることはないと思います。植物に関わる仕事がしたいと思っている人がいるなら、ぜひがんってください。
また、なるべくを広く持ち、チャンスがあればたくさん海外に行き、いろいろな事例をその目で見てきてください。わたしは今、コーディネートの参考にするためにいろいろな国のオフィスの写真をSNSで見ることが多いのですが、アメリカがっしゅうこくかんこくといったじょうほうれる機会の多い国はもちろん、たとえばブラジルなど日本からは行く機会や、じょうほうの少ない国のオフィスデザインにおどろかされることが多いです。SNSやインターネットでいろいろなじょうほうが手に入る時代ではありますが、わかいみなさんにはなるべくげんに行って、自分の目で見てたしかめて、「これはどうなっているんだろう」と考え、けんしょうしてほしいなと思います。

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子どものころ、夢中になって読んだ記憶があります。作者の描くイメージの豊かさが本当に素晴らしいと感じました。
J・K・ローリング
本でまずストーリーを楽しみ、想像し、映画でプロのつくった世界観・インテリアを堪能しました。ファンタジー作品は、仕事をする上でも既成概念を打ち破ってくれる気がします。

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取材・原稿作成:川口 有紀(フリート)・東京書籍株式会社/協力:城北信用金庫