監督の仕事は,サッカーを教えたり試合の戦略を考えるだけではありません。人を育てることが,監督の一番大切な仕事です。選手たち一人一人が前を向いて,サッカーを一生懸命やろうと頑張れるようにすること。時にはすごく怒ったり,元気がないときには,元気を引き出すように練習内容を変えることもします。あくまでも人とのふれあいが監督の仕事なのです。選手ができないことをやろうとしたり,できるようになった時の笑顔を見るときが何よりも嬉しいです。監督の方針はそれぞれの監督によって違いますが,僕は選手たちに自由にサッカーをやれとは言いません。何の基準もないのに自由にやれ,と言われても,選手たちは何が良くて悪いのか,正しく判断できないと思うんです。まずは,僕が大事にしているやり方で選手たちにはやってもらいます。僕のやり方ができるようになって初めて,良い悪いの自分なりの判断基準を選手は持つことができる。その後は,自分なりのやり方でやればいい。壁にぶつかった時にも,自分で正しい判断をして前に進むことができるようになるんです。