社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!
※このページに書いてある内容は取材日(2009年11月12日)時点のものです
私(わたし)の仕事は,野球のユニフォームを作ることです。昔,ユニフォームは作業着の1つと考えられていましたが,現在(げんざい)では個性(こせい)を出すファッションの1つになっています。私(わたし)の会社ではユニフォーム作りを,機械がする仕事と人間がする仕事に分けています。まず裁断(さいだん)は機械が行い,人の手で30分かかる作業が5,6分で終わり,1枚(まい)1枚(まい)の誤差(ごさ)もほとんどありません。次に縫製(ほうせい)は,大まかな部分は7台のミシンが担当(たんとう)し,設計図(せっけいず)を組み込(こ)んだフロッピーをコンピュータに入れ,自動で操作(そうさ)します。そして細かい部分は,人がミシンを操作(そうさ)して少しずつ調整しながら作っています。現在(げんざい)39名で仕事をしていて,20代~70代のいろいろな世代の仲間と協力して仕事を行なっています。
仕事は朝8時30分~夕方17時までです。朝,仕事に来たらまずミシンの手入れをします。油を差し,サビを拭(ふ)き取り,一枚(まい)縫(ぬ)って糸の調子や縫(ぬ)い目などを確認(かくにん)します。そして,何も問題がなければ仕事を始めます。ズボンを作るための工程(こうてい)は全部で31あり,上着を作るための工程(こうてい)は27あります。全ての工程(こうてい)を1人で担当(たんとう)するのではなく,私(わたし)はズボンのボタンホール,ゴムや紐(ひも)などを入れる裾(すそ)の始末,腰(こし)の部分のワッペン付けなど8工程(こうてい)を担当(たんとう)しています。他にも,周囲の状況(じょうきょう)を見て,後ろポケットを作る工程(こうてい)の手伝いなど2工程(こうてい)の補助(ほじょ)もしています。自分の作業工程(こうてい)だけだと,1日600~700枚(まい)仕上げています。同僚(どうりょう)が担当(たんとう)している他の工程(こうてい)には,ズボンにステッチを付ける工程(こうてい)やポケットの袋(ふくろ)付けをする工程(こうてい),それから上着の袖(そで)付け・脇(わき)と背中(せなか)の縫(ぬ)い合わせ・仕上げ止めをする工程(こうてい)などがあり,3人で協力しなければできないものもあります。
ズボンは2種類の型しかありませんが,上着の型は種類が多く,新しく覚えることがたくさんあるので大変です。また,ズボンも上着も,普段(ふだん)は伸(の)びる生地を縫(ぬ)っていますが,たまに伸(の)びない生地を使うことあり,その時は縫(ぬ)うことが難(むずか)しく時間がかかります。入社した時は,生地に合った縫(ぬ)い目の調節などを覚えることに苦労しました。縫(ぬ)い方を間違(まちが)えてしまったこともあります。数をこなすことにより,段々(だんだん)上手になってきました。ただ「縫(ぬ)う」と一言で言っても技術(ぎじゅつ)が必要な部分はたくさんあります。ミシンがもっと自動化されると,人間の手でないと上手くできない所に時間をかけることができるようになるので,早く実現(じつげん)すると良いなと思います。
私(わたし)は,この仕事を始めて1年くらいになりました。ミシンを使う技術(ぎじゅつ)が上がり,家でも自分で小物を作って楽しむようになりました。また,できなかったことが少しずつできるようになった時は嬉(うれ)しいですね。工場全体の流れを理解(りかい)して,1枚(まい)でもたくさんの製品(せいひん)を作っていきたいと思っています。これからも,目標を達成できるように頑張(がんば)ります。この仕事に就(つ)いてからは,衣料品などを買う時には,裏(うら)の縫(ぬ)い目をチェックして良い物を買うようになりました。私生活(しせいかつ)でも仕事で学んだことが役に立っています。
どのようにすれば綺麗(きれい)に仕上げることができるか,時間を短縮(たんしゅく)する方法はないかといつも考えています。でも,焦(あせ)って失敗したのでは意味がありません。今は無理をしないで丁寧(ていねい)に縫(ぬ)うことを心掛(こころが)けています。また,工場全体を見て,それぞれのチームがどのような仕事をしているか把握(はあく)するようにしています。空いた時間には違(ちが)う仕事も覚えていて,全体で協力しながら仕事を進めています。機械を使って作業をするので,大きいケガをしないように気を付けて作業をする必要があります。ユニフォームは県外からの注文が多いです。だから,これまで実際(じっさい)に自分達が作ったユニフォームを着ている姿(すがた)を見ることはありませんでした。もしかしたら,皆(みな)さんの中には私(わたし)達が作ったユニフォームを着て,野球の試合に出たり練習を頑張(がんば)っていたりする子がいるかもしれません。そんなことを考えると,私(わたし)達も一生懸命(いっしょうけんめい)作ろうと励(はげ)みになります。
私(わたし)は,洋裁(ようさい)専門(せんもん)学校に通っていたので,学校で習ったことが生かせると思いこの仕事を選びました。会社に入って研修(けんしゅう)期間が3ヵ月あり,その間に機械の使い方の勉強をしました。好きなので長く続けていきたいなと思っています。また,この仕事は団体(だんたい)で仕事をするので,一人ひとりの責任(せきにん)を果たし,チームの皆(みな)に迷惑(めいわく)を掛(か)けないように気を付けています。それから,私(わたし)達の会社には,中国から来ている方もいて,友達になることができます。中国の方と交流することで,日本と中国の文化の違(ちが)いを知ることが出来,様々(さまざま)な発見がありとても楽しいです。
子どもの頃(ころ),外で遊ぶことが好きでしたね。皆(みな)とワイワイしていることが楽しくて,よくドッジボールをしていました。家が山の上にあったので,スケボーで坂道を下って遊んだことも・・・危(あぶ)ないですよね(笑)。子どもの頃(ころ)は色々(いろいろ)な遊びを考えて遊んでいました。また,小さい頃(ころ)から手先が器用で自分の意見がある子どもでした。世界中に行くことが夢(ゆめ)でしたね。
皆(みな)さんには,自分の好きな事を見つけてやり通して欲(ほ)しいです。初めから何でもできる人はいません。興味(きょうみ)があればどんどん挑戦(ちょうせん)してください。困(こま)っていたらフォローしてくれる仲間がたくさんいますよ。失敗してもやり直すことができます。また,本をたくさん読んで欲(ほ)しいです。本を読むことで視野(しや)が広がり,色々(いろいろ)なことに興味(きょうみ)を持つことができます。夢(ゆめ)を持つきっかけにして欲(ほ)しいです。皆(みな)さん,夢(ゆめ)をたくさん持ってくださいね。