社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!
※このページに書いてある内容は取材日(2008年04月23日)時点のものです
洋菓子(ようがし)を作って,売ることが自分の仕事です。作ったケーキは自分の店舗(てんぽ)で販売(はんばい)していますが,喫茶店(きっさてん)などに卸(おろ)したりもしています。その他,学校の授業(じゅぎょう)や公共施設(しせつ)でお菓子(かし)作りを教えたり,学生の職場(しょくば)体験実習なども受け入れたりしています。今後は地元を発信(はっしん)して行くようなお菓子(かし)を作りたいと思っています。この街が大好きなので,自分の作るお菓子(かし)が少しでも地域(ちいき)に活かせればと考えています。
朝7時から8時頃(ごろ)に店に出てきます。まず,ショーケースの中に置く,その日に売るためのケーキを朝一番に作ります。お店が開店する9時半までに準備(じゅんび)をして,それから翌日(よくじつ)のためのケーキの仕込(しこ)みをします。夜7時半に閉店(へいてん)し,後片付(あとかたづ)けをして厨房(ちゅうぼう)での作業は終わりです。その他に,事務(じむ)所でお店の売上や支出(ししゅつ),従業員(じゅうぎょういん)の給料など経理(けいり)の事務(じむ)作業や店内のポップやプライスカード(値札(ねふだ))の作成,ホームページの作成を行います。また,新商品の開発やお店の外観や内装(ないそう)を考案したりしてもいます。お店に飾(かざ)っているものは近所で買ったものや海外で見つけて買ってきたおみやげなど様々(さまざま)ですが,自分が気に入ったものを置いていますね。作り手の顔が見えてくるような,お客様との距離(きょり)が近いお店作りを心がけています。
パティシエという言葉も一般(いっぱん)的に使われるようになり,見た目は華(はな)やかな印象の職業(しょくぎょう)のようにみえますが,実際(じっさい)は一日中立ち作業で結構(けっこう)きつい仕事です。種類も大量にそろえなければならないのでとても体力がいります。そのためにも普段(ふだん)から身体を動かすようにしています。
この職業(しょくぎょう)をして一番思うことはお客さんとの信頼(しんらい)関係。自分が作ったものをお客さんは嬉(うれ)しそうにしながら買ってくださり,「おいしかったよ」と言ってくださいます。こんな風に感謝(かんしゃ)の言葉を直接(ちょくせつ)いただけるのは幸せなことだと思います。人に喜びを与(あた)えられるこの仕事にやりがいを感じています。
お客さんとの信頼(しんらい)関係が大切なので,衛生面(えいせいめん)には特に気をつけています。この店を選んで信頼(しんらい)して来てもらっているからには,安心して食べていただけるようなものを提供(ていきょう)しなければならないと常(つね)に思っています。
中学校3年生の時にはこの職業(しょくぎょう)に就(つ)くことを決めていました。きっかけは父親がお菓子(かし)職人(しょくにん)だったからでしょうかね。形態(けいたい)は違(ちが)っていましたが,両親もお菓子(かし)を作っていたので,小さい頃(ころ)はよく手伝ったりもしました。当時は,他の人が休みのときに忙(いそが)しい仕事なのでいやだったんですが,だんだんと自分で物を作ることのおもしろさ,形のないものから形のあるものを生み出していく楽しさに惹(ひ)かれていくようになりました。高校卒業後,専門(せんもん)学校に行き,卒業してから修行(しゅぎょう)に入る前にどうしても自分の目で本場のお菓子(かし)を見たいと思い,ヨーロッパの方を7カ国ほどを回りました。向こうでは生活習慣(しゅうかん)の中に洋菓子(ようがし)が文化として根付いていました。戻(もど)ってから東京のケーキ屋さんで,朝6時から働いて,夜11時半頃(ころ)まで働くというような修行(しゅぎょう)を積み重ねました。早く技術(ぎじゅつ)をつけたいと思う気持ちが強かったので,給料が安くても,勤務(きんむ)時間が長くても苦にはなりませんでした。自分には技術(ぎじゅつ)がないので当たり前だと思っていたし,一生食べていける技術(ぎじゅつ)を身につける課程(かてい)だと思い,その期間はとりあえずがむしゃらに働きました。4年目にはシェフと呼(よ)ばれるようになり,東京で1店舗(てんぽ),横浜(よこはま)で1店舗(てんぽ)のシェフを経験(けいけん)して地元に帰ってきました。普通(ふつう)に決められた通りやっていくだけではパティシエにはなれないと思っています。あの時必死で修行(しゅぎょう)をしたので,技術(ぎじゅつ)やスピードも身について,早く自分のお店が持てたのだと思います。
小さい頃(ころ)は芸能(げいのう)人になりたかったです。活発で目立って,人を笑わすことが好きだったので,漠然(ばくぜん)とテレビに出てみたいと思っていました。とにかくめちゃめちゃやんちゃでした。こども達だけで船で無人島に行ったりとか,海に潜(もぐ)って漁をしたりとか・・・(笑)学校から帰ると海か山か川に行って,野人のように外で走りまわっていました。何かを作ったりすることも好きで,習字や絵などではいつも賞状(しょうじょう)をもらっていました。今でも身体を動かすことが好きで,地元の少年団(しょうねんだん)のコーチもしています。その他テニスをしたり,フットサルをしたり,ボクシングをしたりしています。やっぱり体力はつけておかないといけませんからね。
自分はいろんなものに興味(きょうみ)をもって,いろんなことをやってきました。その経験(けいけん)が今の自分を創(つく)っているような気がします。ですから,みなさんも興味(きょうみ)があることはどんどんやっていってほしいと思います。