仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1981年 生まれ 出身地 東京都
ぷろだくとまーけてぃんぐまねーじゃープロダクトマーケティングマネージャー
浅見あさみ 慎一しんいち
子供の頃の夢: プロ野球選手
クラブ活動(中学校): 野球部
仕事内容
ブランドのイメージとプロジェクトを上手く融合できるように、コントロールする
自己紹介
今までの部活動を通してつちかった、体力、忍耐力にんたいりょくがあります。今はコミュニケーションとして、ゴルフが趣味しゅみ実益じつえきですかね。

※このページに書いてある内容は取材日(2015年07月10日)時点のものです

全てを統括とうかつする総合そうごうプロデューサー

全てを統括する総合プロデューサー

商品を売るためにはどのようなことをすべきか,商品のイメージはどうあるべきか,ブランド戦略せんりゃくから販売はんばい量の管理まで,ポカリスエットの全てに関わるのがわたしの仕事です。例えば,ポカリスエットは海外でも販売はんばいしていますので,各国の商品の色やロゴの整合せいなどもチェックします。原料調達や開発など,新しいものを作り上げる所にも関わります。みなさんが手に取って飲んでもらうまでには,多くの人たちが働いているんです。その人達がバラバラにならずに,同じ想いで進んで行くために,全てを統括とうかつしています。この役割やくわりは社内では,一人しかいませんので,ポカリスエットの総合そうごうプロデューサーとして責任せきにんを持って働いています。

短期計画から長期計画までを組み立てる

短期計画から長期計画までを組み立てる

一年を通じて決まった仕事の流れがあるわけではありません。ある一日を例にあげると,9時に出社し,午前中は短期的な解決かいけつのための社内会議や,資料しりょうの作成をします。午後は色々いろいろ部署ぶしょとメール等のやりとりをして,現在げんざい販売はんばい状況じょうきょうや,これからの中長期的な予測よそくを,デスクや社内会議で行います。問題や課題,原因げんいんに対して,中長期的に行っていくものは社外の方とも会議をします。終業時間は5時20分ですが,沢山たくさん方々かたがたと会話をするので気がついたらたいてい夜おそくなっていますね。来年の製品せいひん計画をする場合,原材料のコスト,販売はんばい量,商品のコンセプトなどを考え,再度さいど資材しざいや生産,原材料調達の調整をしてもらいます。そうして商品の価格かかくが決まっていきます。
社内のそれぞれの担当者たんとうしゃわたし一緒いっしょに関わりますから,プロダクトマネージャーとして大事なことは,多くの人に動いてもらうために,相手を尊重そんちょうしながらも,理性りせい感情かんじょうに働きかけ,進むべき道へ理解りかいが得られるように説得することですね。

目標や価値観かちかんの共有は大変

目標や価値観の共有は大変

沢山たくさんの人を説得してまわりますが,わたしはまだ34さいですから,ベテランの先輩せんぱいがいる営業えいぎょう突っ込つっこんで行って説得するのはとてもむずかしいです。それぞれの立場や想いがありますからね。それでも,単純たんじゅんにモノが売れた,売れないということではなく,子どもたちがこれからも飲み続けたいと思う商品にすることが,ぼくたちのミッションではないですか,必要なことは何でしょうかと話をします。今を乗り切ることと,これから先にやることの両方を実行しないとやっぱり長く続いていきません。説得することは大変ですが,多くの人が関わっていますから,ぼくたちが目指している価値かちや目標が共有されることで,より大きな力となります。それから,先輩せんぱい納得なっとくしてもらえるととてもうれしいですよね。

飲んでいる人を見た瞬間しゅんかんはうれしい

飲んでいる人を見た瞬間はうれしい

やっぱり,多くの人に必要とされ,飲んでいただいていることはうれしいですよ。自分が消費者としてスーパーへ行ったとき,ポカリスエットを買う人を見たり,グラウンドであせをかいた後にポカリスエットをガブガブ飲んでいる人を見たりした瞬間しゅんかんは,はずむような気持ちになります。商品を世の中へ出している人間として,手にとって飲んでくれる様子を見たときは,感謝かんしゃと同時に仕事へのやりがいを感じますね。

持続的な商品の魅力みりょく

持続的な商品の魅力

この先も魅力みりょく的な製品せいひんとして,世の中に必要とされ続けるように,未来についても予測よそくしながら,進むべき方向をしめして行くことが大切だと思っています。例えば,2020年に開催されるオリンピックに向けて,海外から様々な製品が,どんどん入ってくるかもしれません。しかし,目先の対応たいおうばかりしていると,お客さんに「ポカリスエットって変わったね」と言ってはなれてしまうかもしれません。みなさんに手に取ってもらうためには,そんな短期的なものではなく,つねに必要とされて,みなさんの心の中でつながっているきずながあることを追及ついきゅうし,ブレないようにすることが,重要だと思っています。

人を助ける立場になりたい

人を助ける立場になりたい

わたしは,高校最後の野球大会の前に怪我けがをして,結果としてプロ野球選手のゆめをあきらめることになりました。野球選手としては体が小さく,不安で沢山たくさん練習をしたため,オーバーワークだったのかもしれません。そのときに「無理をするより,こうした方がいい」と正しい知識ちしきがあれば,と感じたのをよく覚えています。そこで,わたくしみたいに故障こしょうで選手人生を終えてしまう前に,人を助ける立場になりたいと思い,大学で人間科学部に入りました。ゴルフ部にも入り,キャディーも経験けいけんしました。そのため,人の機微きびつながりが分かるようになり,コミュニケーションを取る勉強になりましたね。大塚おおつか製薬せいやくに入社してからは営業えいぎょうを6年半経験けいけんし,本社へ配属はいぞくになりました。今思うとキャディーでつちかったコミュニケーション力が生かされていますね。

戦略せんりゃく的な野球が楽しかった

戦略的な野球が楽しかった

小さいころは,水泳教室にも通いましたが,自分の意思で野球を選びました。でも,小学5年生のとき,受験のためにその野球を一度辞めたんですよ。そのときに初めてみんなの前で泣いたんです。チームで同じ目標に向かい,ピッチャーなのに自分の理由で辞めるのが,申しわけなくて。結局,最寄もよりの中学に入り,みんなとまた野球ができるようになって,関東大会へ出場し,高校に入るきっかけとなりました。そのころは1番バッターでした。ぼくみたいに体が小さいバッターだと,ピッチャーは一球目を何気なく投げてくるんです。それを奇襲きしゅうして,次は警戒けいかいされるからセーフティーバント,3打席目はピッチャーがまよって,フォアボールになる。そういう風にして意外せいのあるプレーが大好きで,戦略せんりゃく的にやるのが楽しかったです。そうやっていろいろと考えて野球をしたことは今にもつながっていますね。性格せいかく的には,ひねくれ者だと思いますよ。

どんなに大きなゆめいてもいい

どんなに大きな夢を描いてもいい

たくさんの子ども達にゆめを聞いてきたのですが,すぐに出てくる子が少なくなっているなと感じます。東南アジアでもポカリスエットを販売はんばいしていて,そこで子ども達にゆめを聞くと,明快めいかい反応はんのうがあるんです。そのゆめは,先生や警官けいかんなど身近なヒーローなんです。新興国しんこうこくですから,経済けいざい的な理由でかぎられた仕事しかないということもあります。一方,日本の子ども達には沢山たくさん選択肢せんたくしがあるのに,自分では選ばなかったり,色んなことに不安をかかえていたり,自分の言葉で話さなかったりする子が多く,すごく悲しいなって思います。ぼくはプロ野球選手も,プロゴルファーにもなれませんでした。でも,今この仕事をしているのは,あの時に目標に向かって頑張がんばり続け,仲間と気持ちを共有し,積み重なったからだと思うんです。だから,どんなに大きなゆめいても良くて,それに向かってあきらめずに進んでしいです。それで駄目だめなら変えてもいい。そこからもう一回,新しいゆめいたら良いんです。ゆめを持つことを大切にしてほしいなって思います。

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取材・原稿作成:株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所/東京書籍株式会社