仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1978年 生まれ 出身地 東京都
壹岐いき 真由美まゆみ
子供の頃の夢: 幼稚園教諭
クラブ活動(中学校): 吹奏楽部
仕事内容
子どもの笑顔えがおが、未来をつくります。ようえんきょうは、子どもの一番近くでゆめを育む仕事です。
自己紹介
楽しいことが大好きで、いやなことやこまったことも「なんとかなるさ!」でえるせいかくです。土日の休みはテニスをしたり、家でくつろいだり。長期休みには海外旅行をします。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2025年09月16日)時点のものです

ようえんは「教育」を目的とする場所

幼稚園は「教育」を目的とする場所

わたしは東京都だちにある「だちつばめようえん」でようえんきょう(先生)として働いています。ようえんは、満3さいから小学校に入るまでの子どもたちが通うせつで、わたしたんとうしているのは年中クラスです。いくえんとのちがいは、いくえんしゃの代わりに「いく」を行うせつであるのに対し、ようえんは小学校しゅうがくに向けた「教育」を目的とするところです。それぞれ働くために必要なかくちがいますし、いくえんこうせい労働省、ようえんは文部科学省と、かんかつするかんちょうちがいます。また、19時ごろまで子どもをあずかるいくえんに対して、ようえんではほんてきには14時には子どもがこうえんします。ただ、最近は両親ともに働いているご家庭が多いことから、ようえんでもつうじょうこうえん時間の後、しゃの仕事が終わるまでお子さんをあずかるところがえています。だちつばめようえんでも、18時半までの「あずかりいく」を行っています。2さいのクラスもありますので、いくえんのように利用されているご家庭も多いです。

子どもたちとごす日々

子どもたちと過ごす日々

しゅっきんは大体8時より少し前です。大体8時半から子どもたちが登園してくるので、朝のたくを手伝ったり、声をかけたりします。9時半ぎにクラスの全員がそろうので、そこからトイレやあらいなどをうながし、10時前後からいっせいの活動が始まります。出欠を取ったり、その日のお当番を決めたりした後、図画工作などの「せいさく」やプール、たいそうなどの主活動に入ります。12時から給食のじゅんが始まり、13時ごろまで給食の時間です。午後は天気がよければ外で、悪ければ室内で子どもたちと遊びます。13時半から帰りのじゅんが始まり、子どもたちに絵本やかみしばを読んで、13時45分には子どもたちはこうえんとなります。ただ、通園バスに乗って帰る子としゃがおむかえに来る子たちの時間がバラバラなので、全員帰るのは大体14時45分です。全員がこうえんするまでは子どもたちと室内で遊んだりしてごし、あずかりいくの子は昼間とは別の先生がたんとうしますので、そこで交代になります。
子どもたちが帰った後は、えんしゃや部屋のそうをして、その日のにっを書きます。16時ぐらいに終礼があり、終わったら同じ学年の先生と打ち合わせやじゅんをして、17時15分に退たいきんします。
土日祝日と、夏休み、春休み、冬休みなどの長期休みはようえんほんてきにはお休みですが、あずかりいくを希望するご家庭もあるので、先生たちは交代でしゅっきんします。

子どもどうのトラブルにたいおうするのも大切な仕事

子ども同士のトラブルに対応するのも大切な仕事

1年を通してさまざまな行事がありますが、一番いそがしくなるのは11月です。というのもおゆうかいが12月にあり、そのじゅんを行わなくてはいけないからです。運動会などもじゅんは必要ですが、そちらは学年全体でじゅんを行うのに対し、合唱やおどり、げきなどを練習して発表するおゆうかいは、クラス単位でえんもくじゅん、発表することとなります。そのため、そのじゅんをすべて自分1人でやることになります。
主な作業はしょうを作ったり、手につけるかざりや頭につけるかざりを作ったり、うわきにテープをったりというものです。人数分のしっかりしたしょうを作らなくてはいけないので、そのじゅんが一番大変です。
また、園と子ども、しゃの関わり方や、子どもたちのコミュニケーションのしかたが少し以前よりも変化しているように感じています。例えば、なにか思うことがあったり、お友達どうでトラブルなどがあったりしても、その場では言ってくれない子がえたいんしょうです。家に帰って「今日こんなことがあった」とおうちの方にほうこくし、しゃの方がようえんに相談してきて……ということがえています。その場でかいけつするのではなく、後からかいけつしようとすると、ややこしくなってしまうこともあります。なるべくそうならないように、子どもの様子にごろから目を配るようにはしています。

子どもたちの成長を見守れる

子どもたちの成長を見守れる

この仕事のやりがいは、「子どもたちの成長が見える」ところです。年少クラスのおさないときから見ていた子が、年中、年長となり、卒園していくときにはいつもすごく感動します。「こんなことができるようになったんだな」とか「おむつをはいていたのに」とか、そういった成長を近くで感じられるという点で、とてもりょくてきな仕事だと思っています。
また、つうの仕事よりも、「一年間の流れ」というのをしきすることが多い仕事ではないでしょうか。学生のころみたいに長期休みがあり、この季節はこんな感じで、こういう行事があって、というのを、子どもたちに教えながら、自分自身も感じつつ仕事をしていきます。季節のうつろいや自然の変化も身近に感じますし、一年ごとに「今年もやりきった!」という気持ちになれるのもいいところだと思います。
あと、だちつばめようえんの特色としては、開園したのが1967年と、とても長く続いているようえんです。そうなると、この園を卒園した子が大人になり、けっこんしてお子さんができて、今度は自分が通っていたようえんにお子さんを通わせる、という方も多いです。また、年長のときに同じクラスだった卒園生どうけっこんして、今、お子さんを通わせている方もいます。そういうさいかいがあるのも、この仕事のりょくですね。

子どもたちみんなが「今日は楽しかった」で帰れるように

子どもたちみんなが「今日は楽しかった」で帰れるように

日々心がけているのは、「来たときと同じじょうたいで子どもを帰す」ということです。これはわたしが通っていたせんしゅう学校で教えられたことなのですが、登園してきた子どもがけがなどをせず、来たときと同じように元気なじょうたいたくできるように、ということです。もちろん、朝なにかがあり泣きながら登園してくる子どももいるので、そういう子は笑顔えがおで帰れるといいですよね。最終的には、みんなが「今日は楽しかったな」という気持ちで帰れるようにしたいなと思っています。
あとは、「正しい言葉」を使うこと、きたない言葉を使わないことを心がけています。流行の言葉などもあまり使わないようにしています。また、「正しいこと」「よくないこと」をきちんと教えることも大切にしています。子どもたちがなにかよくないことやあぶないことをしていたとき、軽く「ダメだよ」と流してしまうと、エスカレートしてけがにつながることもあります。悪いことをしたときは「ダメだよ」と、その都度きちんと教えるようにしています。

ようえんの楽しい思い出が「ようえんの先生になりたい」に

幼稚園の楽しい思い出が「幼稚園の先生になりたい」に

この仕事を選んだ理由は、わたし自身もかつてようえんに通っていて、ようえんが大好きだったというおくからです。泣きながら登園してくる子どもがいるのが不思議なくらい、ようえんがとにかく楽しくて、熱が出て親から「今日はようえんには行けない」と言われたら、泣いて「行きたい!」と言うくらいに好きでした。また、自分が子どものころから小さい子どもや赤ちゃんがとても好きだったというのも理由となり、小学校低学年のころからずっと「大きくなったらようえんの先生になろう」と思っていました。
わたしは高校卒業後、ようえんきょういくめんきょしゅとくできるせんしゅう学校に入学しましたが、ようえんで働くには「ようえんきょうめんきょじょう」が必要となります。このかくしゅとくのためには大学や短大、せんもん学校などの決められたコースに通い、卒業と同時にめんきょしゅとくするという方法がいっぱんてきです。また、いくめんきょを持っていれば、じつけいけんを積んだ後にようえん教員かくにんてい試験を受験するという方法もあります。わたしの通っていた学校もそうでしたが、いくかくようえんきょうめんきょを同時にしゅとくできる学校も多いようです。短大やせんもん学校では2年間でかくしゅとくできます。
学校卒業後にだちつばめようえんしゅうしょくしましたが、実は学生時代に実習でお世話になったのがこのようえんでした。そのときに園のふんや先生どうの空気感がとてもよく、「こんな場所で働きたいな」と思い、ちょうどさいようしゅうが出ていたのでおうし、働くことになりました。

かくしゅとくに役立ったピアノのスキル

資格取得に役立ったピアノのスキル

わたしようえんが大好きな子どもでしたが、実は小学校はあまり好きではありませんでした。というのも、給食が苦手で、特にぎゅうにゅうが飲めず、それが理由で「学校に行きたくない」と思うことが多かったからです。しかし友達もいて、給食以外は楽しいことが多かったので、毎日きちんと通ってはいました。教科では体育や音楽のじゅぎょうが好きで、すわってじゅぎょうを受けるよりも体を動かしていたいタイプでした。ようえんの先生は子どもたちの前で歌ったり、体を動かしたりすることも多いので、今の仕事は合っているのではと思います。
小学4年生から中学2年生くらいまでピアノを習っていたのですが、これはそのときすでに「しょうらいようえんの先生になりたい」と思っていたからです。いくようえんの先生はピアノをくスキルが必要になることが多く、ようえんきょういくを養成する多くの学校のじゅぎょうではピアノのカリキュラムがあります。小さいころから習っていた人と、大人になってからじゅぎょうで習う人ではどうしても差がつきます。もしもようえんの先生やいくを目指すのであれば、ピアノのスキルは役に立ちますよ。

失敗をおそれず、どんなことでも楽しんでほしい

失敗を恐れず、どんなことでも楽しんでほしい

ようえんで子どもたちと日々せっしていると、自分の気持ちがうまく言えなかったり、あんだったりする子が以前よりえてきたかな、と感じます。また、自分から積極的に動く子どももいますが、「だれかにやってほしい」という子どももいて、なんとなく後者の子がえているように思います。おそらく、その理由は「失敗をおそれていること」ではないでしょうか。今これを読んでいるみなさんには、失敗をおそれず、いろいろなことに積極的にチャレンジしてほしいです。また、行事やイベントごとなどにもずかしがらずに参加して、楽しんで取り組んでほしいなと思います。
また、「ようえんの先生になりたい」という人がいたらお伝えしたいのは、ようえんの先生は「人と関わる仕事」であるということです。子どもやしゃなど、いろいろな人と日々関わることになります。わかいときからなるべくいろいろな人と関わり、自分をひょうげんできるようになっておくといいと思います。

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自由で、自主性を重んじる環境で、個性豊かな同級生とともに成長していく様子が書かれており、教育のあり方や、子どもの可能性について考えさせられました。

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取材・原稿作成:川口 有紀(フリート)・東京書籍株式会社/協力:城北信用金庫