仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
出身地 山形県
土屋つちや 栄二えいじ
子供の頃の夢: 東京へ出てくること
クラブ活動(中学校): サッカー部
仕事内容
ていねいに仕込みをして、お客さんの注文には素早く料理をする
自己紹介
一つひとつていねいに作り上げることがモットーです。休みの日は買い出しなどで外へ出かけます。

※このページに書いてある内容は取材日(2015年03月17日)時点のものです

仕込しこみも調理も全部一人で

仕込みも調理も全部一人で

わたしの店は,従業員じゅうぎょういんがいない個人こじん事業だからね,食材を自分で仕入れて,仕込しこみも全て自分で作って,キャベツなども切って,調理も全部自分一人でやっています。つまには補助ほじょとして配膳はいぜんのサービスや,仕込しこみが間に合わなかったら,ちょっと手伝ってもらっています。主なものですと,わたしの店はハンバーグのデミグラスソースがメインですから,ソースやなんかもみんな自分で作ります。デミグラスソースは何でも使えるソースで,牛スジを焼いて作り始めて3~4日は煮込にこみますね。毎日火にかけ,新しく作ったソースと,前に作ったソースの1/3ぐらいずつを合わせてかします。そのときによって野菜の値段ねだんが変わりますから,季節によってはキャベツの青い葉を入れたり,リンゴやバナナを入れたりします。しますので,最後は同じ味になります。

すぐに提供ていきょうできるように準備じゅんび

すぐに提供できるように準備

朝の9時30分にお店に入り,お米を研いで味噌汁みそしるを作り,ソースを温め,ランチのパン粉を付け,野菜を切っていると,11時30分にはランチのお客さんが入って来ます。ランチが終わると,次の日の仕込しこみを始めます。1日分のランチの仕込しこみは,いろいろ合わせて30人前を用意します。ランチのときにお客さんがバタバタとたくさん来ても,すぐに提供ていきょうできるように,肉をカットして焼くぐらいの8わりまで仕上げておきます。夜の営業えいぎょうは17時30分から始まりますが,お客さんが来ると調理をして,それが無いときは仕込しこみをします。夜は21時30分までの営業えいぎょうで,店をめた後,かたづけや掃除そうじをして,終るのが22時30分からいそがしかったら23時近くになりますね。我々われわれの商売は1日13時間ぐらい拘束こうそくされますが,15時~17時に仕込しこみが終わったら,ちょっと横になるときもあります,ずっと立ちっぱなしですからね。

仕込しこみがあるので連休を取るのはむずかしい

仕込みがあるので連休を取るのは難しい

この仕事は連休を取るのが大変なんです。定休日は月曜日で,1日ぐらいは休んでも大丈夫だいじょうぶですが,3,4日休むと仕込しこみが全部無駄むだになっちゃいますからね。正月休みなど,4日間お店を休みにするには,4日目にはお店に出てきて開店前の仕込しこみをするから,休み明けの前日は,本当の休みにはなりません。でも自分の仕事だから,いやとは言えません。ただね,やっぱり連休が取れないのは,なかなかむずかしいですね。例えば,他に従業員じゅうぎょういんを入れてお休みすれば良いと言われますが,人を使うってことは味がみなそれぞれちがいますから,なかなか簡単かんたんにはいきません。

計算通りに仕事が運ぶのが一番

計算通りに仕事が運ぶのが一番

計算した通りに物事が運んでくれるのが,一番いいですね。今日はランチがいくつ出て,ハンバーグはこれぐらいの数を仕込しこんでおけば間に合うだろうっていうのを,頭の中で考えて用意していますから。それがスムーズに流れてくれた時はうれしいです。それから,やっぱりお客さんから帰りがけに「ごちそうさまでした」って言われるのがうれしいですね。それがこういう仕事の魅力みりょくじゃないですか。みんな同じことだと思いますけどね。

ソースは一口食べてから

ソースは一口食べてから

肉も野菜も,国産のものを使うようにしています。冷凍れいとう食材はミックスベジタブルのみで,他は全て生のものから調理します。ポテトも皮をむいてカットしてでて使います。ハンバーグに使う挽き肉ひきにくは国産のちょっと高価こうかなお肉を使っていますが,販売はんばいする値段ねだんギリギリの所でおさえるようにしています。それから,お客さんの中には,ハンバーグを出すといきなりテーブルに置いてあるソースをかけて自分の味にしちゃう人がいるけど,ちょっと待ってほしい。コロッケも下味を付けていますから,ソースをかけないで一口食べてみてってね。いきなりソースをかけちゃうと,ソースの方の味が強いからね。元の味が分からなくなっちゃうよ。

何も知らない所から自分のお店を持つ

何も知らない所から自分のお店を持つ

ぼくは,田舎いなかから東京に出てきて大学や専門せんもん学校へ行く余裕よゆうなんてなかったから,中学校を卒業して,親戚しんせき叔父おじも働いていた「肉の万世」の面接めんせつを受けに東京へ来ました。調理場の食器や道具のあらものから,下働きをだいたい3年ぐらいやりましたね。まだ15才で何も知らない所から教えられた通りに覚え,フライパンを持たされて,ステーキもハンバーグでもできるようになるまで12年かかりました。そこで叔父おじと共同経営けいえい独立どくりつしたり,知り合いの紹介しょうかいでレストランのシェフをしたり,別の店でも7年ほど働きました。42才のときに,三河みかわ島(東京都荒川あらかわ区)でやっと自分の店が持てました。20年ぐらいでその場所からうつり,昨年10月に新たなお店をオープンしたところです。

小さいころはやんちゃで山の中で遊ぶ

小さいころはやんちゃで山の中で遊ぶ

子ども時代は,山の中で3メートルも雪がるところで育ちました。男4人兄弟で,山に山菜採さんさいとりに行ったり,かきとかりんごを食べたり,小遣こづかいで食べ物を買うなんてことは,ほとんどなかったですね。ほんとに田舎いなかだったものですから。ぼくは次男で一番やんちゃで,きかんぼうでしたね。中学生のころはサッカーをしていたけど,走り回ってるのがせいいっぱい。学校の授業じゅぎょうより,遊んでいる方が好きでした。まあ,山に入っている方が多かったですかね。スキーもしたよ。でも,冬は大変ですよ。雪が深いので,家の雪おろしの手伝いをしたり,水道がこおらないようにわらいたりしてね。

だんだんと仕事が好きになって

だんだんと仕事が好きになって

仕事によっていろいろちがうけれど,自分がしていることを好きにならないと駄目だめですよね。ぼくらの時代は,なかなか最初から好きな仕事にはけなかった。コック(シェフ)の仕事を始めたころは,段取だんどりなんて何にも知らないわけですから,教えてもらうばかりですよ。包丁で手は切るし,火傷やけどえないです。でも,10年くらいってフライパン持たされて肉を焼くと,周りの人から信用されてまかされているんだな,自分もこのくらいできるんだなと感じて,そのころからですね,好きになっていくのがね。何でも最初から良いことばかり続かないですから,好きになるまで我慢がまんできるかどうかですね。 みなさんもすぐにあきらめないで,続けてみてくださいね。続けているとだんだんと好きになっていくこともあります。

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