仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1968年 生まれ 出身地 東京都
髙橋たかはし 芳文よしふみ
子供の頃の夢: 漫才師
クラブ活動(中学校): 野球部
仕事内容
ユニークなかんばんのアイデアを考えること。人を「カンバン」にしてかがやかせる世界観をつくること。
自己紹介
せいかくはマイペースです。サウナに行ったり、詩を書いたりしています。

※このページに書いてある内容は取材日(2022年11月04日)時点のものです

ユニークな屋外こうこくとトリック3Dアートを手がける

わたしは東京都にある「こうサインかぶしきがいしゃ」の社長をつとめています。こうサインは、屋外こうこくをメインに手がけている会社です。SNSで話題になるようなきょだいかんばんから、見る人がおどろくようなトリック3Dアートのかんばんまで手がけています。
ビルの正面に大きくせっしたネオンかんばんが、えいで使われたり、人気ミュージシャンが写真をったりして、とても有名になったこともあります。また、人気ユーチューバーの動画で、エレベーターのゆかあなが空いているようなトリック3Dアートをしかけることに協力したこともあります。これもかなりはんきょうがあり、動画自体も600万回以上さいせいされています。

鉄道かんばんから、働き方かいかくぎょうたいへんこう

鉄道看板から、働き方改革で業態変更へ

会社のそうぎょう自体は1973年で、わたしは2代目です。もともとは鉄道かんばんという、駅の中にあるこうこくかんばんの仕事がメインの会社でした。駅の中で工事を行うには、安全面などのはいりょが必要で、作業できる会社がかぎられています。鉄道かんばんの工事は電車の運行がなくなり、駅がまる夜間の作業が中心になります。社員のたんも大きく、働き方としてだんだんむずかしくなってきたと感じ、会社のしゅくしょうしました。そうして今のようなユニークなかんばんやトリック3Dアートを中心に手がける会社へと変わりました。

なによりも大切なのは安全であること

屋外こうこくを手がけるうえで、「安全できちんとしたものを作ること」はとても大切です。特に屋外こうこくというのは、どんなにばつで目立つものを作っても、万が一こわれたり、風で飛んでしまって人にケガをさせたりしてはいけません。そのため、「屋外こうこく」などのとくしゅかくを持った業者しかせっができません。よりクリエイティブでおもしろく、変わったものでありながら、こうこくぶつとしてを起こさず安全にせっできていることを第一にしています。かんばんをつくるときは、風へのたいさくはもちろん、雪がった場合にかかる重さなども計算に入れて考えます。

こうこくの未来を考え、トリック3Dアートを手がけるように

広告の未来を考え、トリック3Dアートを手がけるように

トリック3Dアートを手がけ始めたのは、「こうこく」の変化を感じてからです。例えば、昔はお店をさがすときは「タウンページ」という電話帳を見てさがしたり、じっさいにお店のかんばんを見たりするというのがお店を選ぶしゅだんでした。しかし、インターネットが広まり、どんどん社会かんきょうが変化したことで、お店を選ぶときもかんばんではなく、ネットでけんさくしたじょうほうをもとに選ぶ人がえてきました。かんばんやくわりも変わり、よりSNSとのしんせいが求められる時代になってきたのを感じました。
トリック3Dアートを選んだ理由は、人がかんばんの世界の中に入ることができるからです。つうかんばんとはちがい、トリック3Dアートだったらみんな自分がかんばんの世界の中に入って写真をりたくなりますよね。そうしたら今度は、った写真をSNSにアップしたりしてかくさんする人がたくさんいます。これからのかんばんやくわりを考えたときに、これは強みになると思い、トリック3Dアートを手がけ始めました。

3Dソフトを使ってシミュレーションしながら作り上げる

3Dソフトを使ってシミュレーションしながら作り上げる

トリック3Dアートかんばんは、3Dぞうしょやデザインをせんもんとするスタッフたちといっしょにつくっていきます。もともとゲームクリエイターで、アート作家としてかつやくしているスタッフもおり、トリック3Dアートに必要なぞうを作るのはお手の物です。
つうかんばんに関しては「こうしたい」という具体的なイメージを持っているお客さまも多いですが、トリック3Dアートに関してはそもそもどういうことができるのかがわからない人も多いです。そのため、まず、トリック3Dアートでつくれるこうぞうから説明していきます。今は3Dソフトを使って、じっさいせっしたらどうなるかをシミュレーションして見せることもできるので、お客さまといっしょにイメージを共有しながら作っていくことができます。

かんばんは街の中のコミュニケーションツール

かんばん」というのは、だれもが目にするものです。げんそんする最古のこうこくは、げんぜん11せいごろからきずかれた都市のせきである、トルコのエフェソスせきにあるものとも言われています。今、こうこくにまつわる仕事というのはたくさんあります。例えば、インターネットのWEBページのせいさくやデザイン、チラシやさっのデザインの仕事があります。それらとかんばんせいさくちがうところは、作ったものがリアルに空間の中にかんで、人々の目にまるということです。
2004年に「けいかんほう」というほうりつができました。それこう、屋外にあるかんばんは「風景をこわす悪者である」と思われることがあります。実は「戦後の東京のふっこうはネオンから」と言われるくらい、昔はネオンの光やかんばんというのは人々の希望の光でした。時代は変わっても、かんばんが街の中にそんざいするということはいつまでも変わらない。だから、街の中に、人を笑顔えがおにしてつながりをつくる「コミュニケーションツール」としてのかんばんそんざいするのだと思います。そうやって自分がえがいたものがリアルの空間に残るというのは、らしい仕事だと思っています。

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(千葉県 小6)
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取材・原稿作成:リーブルテック/川口有紀(フリート)/東京書籍株式会社