• 東京都に関連のある仕事人
  • 1988年 生まれ

    出身地 東京都

ゲームエンジニア

かく 龍徳たつのり

  • 【このページに書いてある内容は取材日(2016年10月25日)時点のものです】

角 龍徳


仕事人記事

『モンスターストライク』にプログラムを組みこむ

『モンスターストライク』にプログラムを組みこむ

(わたし)株式会社(かぶしきがいしゃ)ミクシィの「XFLAG スタジオ」に勤務(きんむ)し,ゲームエンジニアとして『モンスターストライク』(以下『モンスト』)というスマートフォン用ゲームのプログラミングを担当(たんとう)しています。「ゲームエンジニア」というのは,プログラミングをするだけでなく,商品としてのゲームのクオリティを高めていくところまで関わる仕事です。『モンスト』は世界累計(るいけい)で3,500万人を()える方にプレイしていただいているんですよ(※数値(すうち)は2016年4月時点。2017年1月時点で,世界累計(るいけい)利用者数は4,000万人を突破(とっぱ)している)。
(わたし)はゲームのプログラミングの中でも,「ユーザーがボタンを()したり画面を(さわ)ったりした時に,どんな絵や音,動き,演出(えんしゅつ)などを,どのように出すか」という部分を担当(たんとう)しています。なかでもキャラクターの能力(のうりょく)や動きを設定(せってい)するためのプログラムを組みこむのが,(わたし)の仕事です。『モンスト』には各キャラクターごとの必殺技(ひっさつわざ)である「ストライクショット」や,仲間のキャラクターに()れると,()れられたキャラに発動する「友情(ゆうじょう)コンボ」という攻撃(こうげき)手段(しゅだん)があるのですが,(わたし)はこうした部分を担当(たんとう)しています。

「ストライクショット」のプログラム

「ストライクショット」のプログラム

仕事の流れとしては,まずゲームディレクターなど,ゲームの内容(ないよう)を考える企画(きかく)側から,「こういうことをしたいから,ゲームで使えるようにしてほしい」という依頼(いらい)があります。そして,デザインを担当(たんとう)するゲームデザイナーも(ふく)めて,いろいろと話し合いながらプログラミングを進めていきます。プログラムができあがると,「どんな端末(たんまつ)でもきちんと動くか」をチェックする部署(ぶしょ)に回して,確認(かくにん)してもらいます。確認(かくにん)が終わって問題がなければ,ユーザーに配信されます。
(わたし)担当(たんとう)する「ストライクショット」だと,「何回,(てき)のキャラクターにヒットするか」や「どういう効果(こうか)が出るか」は企画(きかく)側から指示(しじ)があり,(わたし)はタイミングや効果(こうか)の出かたを調整しながら,プログラムをしていきます。『モンスト』には終わりがなくて,(つね)に新しいキャラクターが()えていくので,次々(つぎつぎ)と新しい必殺技(ひっさつわざ)に取り組むことになります。()れてきているので,「ストライクショット」を1つプログラミングするのに,簡単(かんたん)なものなら3日かからずにできるようになりました。
仕事が終わった後は,職場(しょくば)のみんなでよく『モンスト』をして遊びます。実際(じっさい)に遊ぶ中で,不便な点やそれをどう改善(かいぜん)するかのアイデアも()かんでくるので,ゲームをプレイしやすく,おもしろいものにしていくための大切な時間にもなっています。

ハート型のレーザーができた!

ハート型のレーザーができた!

企画(きかく)側から「こうしたい」と言われたことが,自分の技術力(ぎじゅつりょく)不足でうまくできないと,精神(せいしん)的につらいですね。「これ,できますか?」と聞かれたときに「できない」ということのない,知識(ちしき)と力を(そな)えたエンジニアになりたいと,日々(ひび)努力しています。
以前,あるキャラクターで,ハート型のレーザーを出せるようにしてほしいと企画(きかく)側から言われたことがありました。それまでにない形だったのでどうしようと考えているうちに,コンピューター上でハートの形を()く関数があるという情報(じょうほう)をインターネットで見つけました。それをゲームの中のコードに落としこむために試行錯誤(さくご)して,とうとうハート型レーザーのプログラムに成功したんです。こうしたことがあると,自分にできることの(はば)が広がり,こちらから企画(きかく)側に演出(えんしゅつ)提案(ていあん)ができるようにもなります。エンジニアという(わく)にとらわれず,ゲームクリエイターとして自分を高めていきたいですね。

プログラムしたものが世に出るとうれしい

プログラムしたものが世に出るとうれしい

自分のプログラムしたゲームが世に出ると,やはり一番うれしいです。電車の中で『モンスト』をやっている人たちがいて,会話から,自分のプログラムした「友情(ゆうじょう)コンボ」を使っているのがわかったりすると,「それをプログラムしたのは自分だぞ」と心の中で思います。そういうときはうれしくて,興奮(こうふん)しますね。
ユーザーさんから応援(おうえん)のメッセージをいただくことも(はげ)みになります。「おもしろい」と言ってもらえるのももちろんうれしいですが,最近ではゲーム()れしたユーザーさんもいて,「この(わざ)のプログラミングは大変そうなのに,中の人はよくがんばってるな」というようなメッセージをいただくこともあります。制作(せいさく)サイドのことも気にしてくれているんだなと,ありがたく思っています。「バグの原因(げんいん)はここではないか」と指摘(してき)してくれるようなユーザーさんもいるんですよ。

情熱(じょうねつ)(わす)れないように

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「ゲームとは何か」ということを自分なりに見つけるまでには,まだ何十年もかかると思っています。「ちゃんとゲームを作れているのか?」「ただ画像(がぞう)が動いているだけのプログラムになっていないか?」ということは,毎朝,自問自答します。そして,「情熱(じょうねつ)(わす)れない」ということを,自分の中でいつも意識(いしき)するようにしています。「ユーザーが実際(じっさい)にやってみておもしろい,楽しいと感じるものを作ろう」という情熱(じょうねつ)を持ち続けるということです。
(わたし)はゲーム好きが高じてそのまま作りはじめたようなタイプなので,作る理由をきちんと言葉にするようにしています。なんとなく作っていると,ゲームもぼやけたものになってしまいます。自分が他のゲームをやって感じることや気づいたことも取り入れながら,いろいろと試していきたいです。

ゲームをする側から作る側へ

ゲームをする側から作る側へ

高校で進路を決めなければならなくなった時に,とにかくゲームが好きだったので,ゲームを作る仕事につきたいと思い,ゲーム業界への就職(しゅうしょく)につながりそうな学部を(さが)しました。そんなとき,ちょうど東京工芸大学に,実際(じっさい)にゲームを作って世に出すための勉強ができる学部が新設(しんせつ)されたので,受験を決めました。
大学に入ってから,初めてプログラミングの勉強を始めました。今は小学生でもプログラミングをする子がたくさんいるので,(わたし)(おそ)いほうです。卒業後はゲームエンジニアとして,まず家庭用のゲーム機で遊ぶためのゲームを作る会社に入りました。そのうちに,ソーシャルゲームや携帯(けいたい)アプリゲームの市場が大きくなってきたので,ソーシャルゲームの会社に(うつ)り,さらに一度,会社を(うつ)って,今に(いた)っています。
ゲームを作る側になりましたが,ゲームをプレイすることも変わらず続けていて,それが仕事にも生きていると思います。作るのは作るので楽しくて,プレイするのはプレイするので楽しいので,まったく()きることはありません。

小さいころからゲーム一色

小さいころからゲーム一色

小学校の時からゲームが好きで,ずっと変わっていません。学校が終わったらすぐに家に帰って,ひたすらゲームをする生活でした。友だちの家で集まってプレイすることもありました。「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」から始まって,いろいろなゲームをやりましたが,なかでもロールプレイングゲームには熱中しましたね。
小学生のとき,(わたし)の家では基本(きほん)的に平日はゲーム禁止(きんし)だったのですが,両親とも働いていたので,留守(るす)を見はからって,よく家で兄とゲームをしていました。ゲーム機が熱くなっていて,ばれてしまうこともありましたが…。両親が帰ってきそうな時間の少し前に止めて,ばれないように,扇風機(せんぷうき)で冷やしたりもしました。
そんなゲーム好きのまま今に(いた)って,ゲームを作る仕事をすることができているので,好きなことを追い続けてよかったなと思っています。

興味(きょうみ)を持ったら行動に(うつ)そう!

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色々(いろいろ)なことに興味(きょうみ)を持つのはすごく大事だと思います。でも,興味(きょうみ)を持った後に実際(じっさい)にやってみようと行動に(うつ)せる人は,実はそんなに多くないのではないかと思います。行動にちゃんと(うつ)そうというのは,(わたし)も大事にしています。興味(きょうみ)を持ったら手を出してみることはとても大切ですので,みなさんもぜひ,行動力を持ってがんばってください。(わたし)も,おもしろいゲームを作りたいという情熱(じょうねつ)(わす)れずに,思いついたことをどんどん試していきたいと思っています。
ゲームをプレイしていて楽しいと思っている人はたくさんいると思います。それを自分で作れるようになるのが,ゲームエンジニアという仕事です。ゲームを作るのはプレイする以上に楽しいことなので,もし興味(きょうみ)があったら,ぜひ目指してみてください!

  • 取材・原稿作成:東京書籍株式会社

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  • こころ

    夏目漱石

    教科書に載っていたのがきっかけで読みました。表現がなめらかで理解しやすく、全体的に言い回しが好きです。人物の心情や葛藤の表現に感動しました。