仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

岐阜県に関連のある仕事人
1974年 生まれ 出身地 岐阜県
石田いしだ 宏樹ひろき
子供の頃の夢: プロ野球選手 国会議員
クラブ活動(中学校): 器械体操部
仕事内容
ドローンを活用したいき課題かいけつじっせんする。
自己紹介
げんじょうが苦手で、つねに新しいことにアンテナをり、いいと思ったことにはすぐにチャレンジします。一方で、人見知りな一面もあります。月に1度はバスりに行って自然の中でごしています。また、本にぼっとうする時間も好きです。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2024年04月30日)時点のものです

ロボットテクノロジーを身近なものにする

ロボットテクノロジーを身近なものにする

わたしは、ドローンに関する仕事を行う会社である「ROBOZ(ロボッツ)」の代表をつとめています。ドローンでプロモーションえいぞうっているところを初めて見たときに、れたえいぞうの美しさやそうじゅうしやすさなどに感動し、多くの人にこうしたロボットテクノロジーを身近に感じてもらいたいと思い、2017年にROBOZをせつりつしました。
げんざいは、上空からのさつえい調ちょう、農薬さんなど、ドローンを活用したはばひろい分野の事業を行うほか、ドローンをそうじゅうする人を育成するドローンスクールをうんえいしています。また2021年には、さまざまなドローンをてんし、空を飛ぶドローンだけでなく、陸上を走行するドローンやせんすいできるドローンなどもそうじゅうできる、約1800つぼせんよう飛行場をもうけたたいけんがた博物館「ドローンミュージアム&パークみの」をオープンしました。
最近は、LEDライトをとうさいしたがたドローン数十台を使って、上空でさまざまな動きをさせ、それによってえがかれるデザインを楽しんでもらう屋内ドローンショーをかくし、イベントなどでろうする仕事もしています。今はまだ国内でドローンショーができる会社は少ないので、ドローンショーにちょうせんしてみたいという人やぎょうに、機材のはんばいうんえいどうもしています。

ドローンを活用できる人材を育成する

ドローンを活用できる人材を育成する

わたしは、ドローンを仕事で使用したい人や、もっと多くの場所で飛ばしたいと思っている人などをたいしょうに、かくしゅとくできるスクールをかいせつし、わたし自身もインストラクターとして、どうをしています。
ドローンは、ほんてきに屋内やドローン練習場、人がいないゆうせんじきなどでは、だれでも飛ばすことができますが、飛ばせる場所にはせいげんがあり、国土交通省のきょが必要な場合があります。しかし、ドローンのかくしゅとくすると、じゅうたくなど、せいげんのある場所などでも飛行させることができるようになります。
以前はドローンそうじゅうかくは民間のだんたいぎょうもうけたかくしかありませんでしたが、2022年からは国家かくせいも始まりました。国家かくには「一等無人こうくうそうじゅう」と「二等無人こうくうそうじゅう」の2種類があり、「一等無人こうくうそうじゅう」のかくがあれば、人がいる上空を、もくできないエリアまで飛ばすことができるようになるため、今後、物流やそくりょうなどの分野で、じゅうたくへの荷物そうなどをするときに役立つとされています。
わたしは、スクール以外でも、いきの学校などでドローンを使ったじゅぎょうを行うこともあります。小・中学校では、ドローンをどのように飛ばすかを考えて、その動きをタブレットたんまつでプログラミングし、じっさいに飛ばします。高校や大学では、じゅぎょうの中でドローンの民間かくや国家かくしゅとくに必要なしきを教える学校もあります。わたしは、ドローンを何に活用して社会で役立てるかを考えてみてほしいと思っています。そのため、どの学校でも、身近にあるいき課題のかいけついきかっせいにドローンを役立てる方法を考えることをテーマにして、じゅぎょうを行うようにしています。

ドローンを知ってもらうことからスタート

ドローンを知ってもらうことからスタート

わたしが会社をせつりつしたころは、まだドローンのそうじゅうを体験できる場所や、ドローンをあつかう仕事をする会社もあまりなかったため、どんな仕事が求められているのか、だれに向けてせんでんをすればいいかなどを、一から考えなければいけませんでした。
そこでわたしは、毎週末にだれでもドローンをそうじゅうできる無料体験の機会をもうけ、ドローンにはどんな作業ができ、どのような場面で役立つのうせいがあるかを伝えることから始めました。また、いろいろな場面でかつやくするドローンをじゅんし、空から写真やえいぞうさつえいするくうさつ(空中さつえい)や、ドローンで農薬をまく農薬さん、人が入りにくい場所のけいじょうや面積をはかそくりょうなど、相談があった仕事は何でもたいおうできるようにしました。
会社を始めて2年ほどは、なかなか人も仕事も集まりませんでしたが、こうした取り組みのおかげで「ここに行けばドローンにれられる」と知ってもらうことができ、今では全国から体験希望者がおとずれるようになりました。また、仕事をらいしてくれた会社からも「自分たちでもそうじゅうできるようになりたい」と、スクールをじゅこうする人がえています。だれもやっていないことを始めるのは大変でしたが、ドローンのりょくを多くの人に知ってもらうことができて、よかったと思っています。

ドローンを使っていきかかえる課題をかいけつ

ドローンを使って地域が抱える課題を解決

この仕事のおもしろさは、ドローンを使うことで、これまでかいけつできなかったなやみごとや課題をかいけつできることです。ドローンで社会を便利にし、いきこうけんできることが一番のよろこびです。
たとえば、農作物をさいばいする農家さんは、ざっそういたり農薬をまいたりする作業が、体のたんになることが課題となっていました。そこで農薬やじょそうざいをドローンでまくことをていあんしたところ、何日もかかっていたのが3分でできるようになりました。特に、こうれいの農家さんにはたんけいげんされてじょうよろこばれ、毎年、らいが来ています。
また、会社があるをはじめ、さまざまな県や市町村と、ぼうさいや観光、まちづくりなどにドローンを活用する協定を結び、さいがいが起こったときにドローンでがいじょうきょうかくにんしたり、ドローンで市のりょくを伝えるプロモーションビデオを作成するくうさつコンテストをかいさいしたりと、まちの安全かっせいに協力しています。
最近では、まだ日本でも数少ない直径3メートルのおおがたドローンを岐阜県で初めてどうにゅうしました。岐阜県は山が多いため、今後は買い物をするてんが少ない山間いきへ、食料品やさいがいぶっなどをそうすることにもチャレンジしていく予定です。

社会のニーズにってちょうせんを続ける

社会のニーズに寄り添って挑戦を続ける

わたしは、ドローンをもっと社会で活用してもらうために、これからどんなかつやくの場や方法があるか、どのようなドローンが求められるかなど、社会や使う人のニーズにうことを大切にしています。そのためにも、つねにアンテナをって最新のじょうほうをつかむように努め、新しいことにちょうせんするようにしています。
その一つとして、2023年からはより使いやすく、多くのニーズにこたえられる新しいドローンの開発を始めました。これまでドローンを使ってはばひろい分野の仕事をしてきたけいけんを生かして、配管やえんとつの中などのせまい場所にせんにゅうしてさつえいてんけんができるがたドローンや、水平をたもちながら重い荷物をうんぱんできるドローンなど、さまざまなタイプのドローンを開発しています。
また近年、世界では多くの国がドローンじゅつの開発に力を入れており、じゅつが急速に進歩しています。そこで2024年には、特にドローン開発に力を入れている中国にも会社をつくり、最新のじゅつを学ぶかんきょうを整える予定です。海外のじゅつやアイデアを取り入れながら、細かな部分まではいりょする日本のていねいなものづくりを組み合わせ、世の中にないドローンやサービスを生み出していきたいです。

じゅくけいえいけいけんを生かしてドローンスクールを開校

塾経営の経験を生かしてドローンスクールを開校

わたしは高校時代、大学ごうかくだけを目指して勉強にはげんでいたため、大学入学後は勉強する目標を見失い、ちゅう退たいして働く道を選びました。その後、じゅくうんえいする社長に出会い、「このじゅくを日本一にしたい」という思いに共感して入社、21さいで東京へ行ってがむしゃらに働き、11年でそのじゅくを全国に300てんまでやすことができました。
そのけいけんをもとに、自分で会社をつくりたいと思っていたわたしは、会社をめてきょうの岐阜県へもどりました。「せっかくなら今までにないことをしたい」と考えていたとき、ドローンでえいぞうさつえいする人と出会い、「これは今後、さまざまな場所で活用できるのうせいがあるけれど、わたしのように多くの人がまだそのことを知らないはず。ならば、これを広めることを仕事にしよう」と決意しました。
会社せつりつ当初は、ドローンを活用する場をやすために、まずは使い方を教えることが必要だと考え、スクールを開くことにしました。自分自身もドローンのしきそうじゅうの仕方を必死に勉強し、じゅくけいえいしていたときのしきや手法を生かして、自分でテキストやカリキュラムをせいさくしました。また、今後ドローンがきゅうしたら、自動車のようにめんきょが必要になるだろうと考え、民間かくや国家かくなど、希望に合わせたかくしゅとくできるスクールを目指しました。

ちょうせんするなら何でもトップを目指したい

挑戦するなら何でもトップを目指したい

わたしが生まれ育った岐阜県じょうは、山々にかこまれた自然ゆたかないきです。子どものころはゲームセンターや遊び場もなかったため、友達と山や川へ行き、自分で遊びを考案して楽しむ毎日でした。そのころから、何でも思い立ったら行動してしまう子だったので、小学生のときには「一人で山をえてみよう」と山を登ったところ、だんだんと暗くなって道にまよってしまい、家族にさがしに来てもらったこともあります。
中学生のころは、とにかくどんなことでもトップにならないと気がまないせいかくでした。当時は、バック転やバックちゅうがえりなどのアクロバットのわざろうするだんせいアイドルが人気を集めていたので、部活動はかいたいそうに入るなど、目立つことも大好きでした。もちろんトップを目指して努力しても、失敗することも多かったですが、大人になっても何でも一番が好きなのは変わらず、今も日本一のドローンぎょうを目指しています。

いいと思ったことは、何でもすぐにチャレンジを

いいと思ったことは、何でもすぐにチャレンジを

わたしは、「これはいい」と思ったことは、失敗をおそれず、何でもすぐに行動にうつすことを大切にしてきました。多くの人は「行動にうつすのがむずかしい」と言いますが、実は勇気さえあれば、だれでもかんたんにできます。それは、ちょっとしたチャレンジでもだいじょう。今まではなかなかできなかったけど、明日の朝は早く起きてみよう。今日出された宿題は、必ず今日やるようにしよう。そんな、昨日より少しだけ今日をよくしようとする一歩をすだけでも、かくじつに新しい世界が広がります。
こうしたチャレンジは、「自分で決めて、一歩してみる」というトレーニングになります。自分に自信がないと言う人は、「やればできる」というかくしんが持てないからです。ちょっとでもチャレンジを続けることで「自分もやればできるんだ」という自信やじゅうじつかんを感じることができるので、小さなことからぜひちょうせんしてみてください。よく「自分のやりたいことやゆめが見つからない」という声を聞くことがありますが、同じことをかえしている毎日の中では、見つけるのはむずかしい場合があります。小さなチャレンジで、いつもと同じ毎日を少しでも変えると、が広がって新しいことやゆめが見つかるかもしれませんよ。

<物流用ドローンの動画>

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司馬 遼太郎
自分の思ったことや言いたいことをなかなか伝えられないという人も多いと思いますが、主人公の竜馬は、自分を強く持ってしっかりと意見を主張していくことで、革命を起こしていきます。若い人にこそ、こうした生き方を知ってほしいと思います。

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取材・原稿作成:船戸 梨恵(クロスワード)・岐阜新聞社 /協力:株式会社 電算システム