• 東京都に関連のある仕事人
  • 1993年 生まれ

    出身地 静岡県

じえいかん自衛官

石川いしかわ 友理ゆり

  • 仕事内容

    後方支援(しえん)を行う部隊に所属(しょぞく)して,さまざまな部品の管理と調達を担当(たんとう)しています。

  • 自己紹介

    性格(せいかく)は明るくて,好奇心(こうきしん)旺盛(おうせい)です。体を動かすのが好きですが,映画(えいが)を見るのも好きです。

  • 出身大学・専門学校

    大原法律専門学校 公務員科

  • 【このページに書いてある内容は取材日(2016年09月26日)時点のものです】

石川 友理


仕事人記事

自衛隊(じえいたい)(ささ)え,被災地(ひさいち)(ささ)える

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(わたし)は,陸上自衛隊(じえいたい)・第1師団(しだん)の中の,補給(ほきゅう)支援(しえん)に関わる第1後方支援(しえん)連隊という部隊に所属(しょぞく)し,東京都の練馬駐屯地(ちゅうとんち)勤務(きんむ)しています。今年で入隊して3年目です。
みなさんは自衛隊(じえいたい)というと,国土の防衛(ぼうえい)災害(さいがい)時の救援(きゅうえん)活動といった「国を守る」役割(やくわり)(おも)()かべると思いますが,実際(じっさい)には他にもいろいろな仕事があります。(わたし)の仕事は,第一線で活動する部隊をサポートすることです。主な業務(ぎょうむ)のひとつに,自衛隊(じえいたい)で使う機材の整備(せいび)に必要な,さまざまな部品の保管(ほかん)・管理があります。タイヤやバッテリーをはじめ,全部で千以上の部品を(あつか)っています。また,訓練時の給水や給油,入浴場の設置(せっち),他の隊員に対する衛生面(えいせいめん)でのサポートも行います。
地震(じしん)などの災害(さいがい)時には,被災地(ひさいち)支援(しえん)を行う「災害(さいがい)派遣(はけん)」があり,水道やガスが止まっている地域(ちいき)へ出向き,被災者(ひさいしゃ)の方へ入浴場を提供(ていきょう)します。これは,部隊の隊員全員が行くのではなく,まず限定(げんてい)されたメンバーが派遣(はけん)されるものです。
普段(ふだん)自衛隊(じえいたい)の活動を後方から(ささ)え,災害(さいがい)時には被災者(ひさいしゃ)の方の生活を支援(しえん)することが(わたし)役割(やくわり)です。

被災者(ひさいしゃ)()りそった支援(しえん)

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平成28年4月の熊本(くまもと)地震(じしん)では,熊本(くまもと)県へ派遣(はけん)され,小学校の敷地(しきち)内で入浴支援(しえん)を行いました。現地(げんち)到着(とうちゃく)後,まず入浴場を設置(せっち)します。テントを建てたあと,鉄(わく)を組み立てて浴槽(よくそう)をつくり,お湯をわかすボイラーにホースでつなぎました。
設置(せっち)した翌日(よくじつ)から被災者(ひさいしゃ)の方に使っていただきました。浴場への案内や温度の調節などを行う中で,被災(ひさい)された方と直接(ちょくせつ)お話しする機会もあります。「水が出ない」「ガスが止まっている」といった被災(ひさい)状況(じょうきょう)だけでなく,地域(ちいき)にまつわるお話などもしていただきました。この入浴場は,1日に平均(へいきん)で150名ほどの方が利用しました。
(わたし)が初めて災害(さいがい)派遣(はけん)に参加したのは,平成27年,茨城(いばらき)常総(じょうそう)市の豪雨(ごうう)災害(さいがい)のときです。入隊してまだ1年程度(ていど)のころだったので,知識(ちしき)が十分になく他の隊員に(たよ)りがちになり,思うように動けない(くや)しさでいっぱいでした。この経験(けいけん)をばねに,知らないことは自分で調べたり,先輩(せんぱい)に聞いたりして知識(ちしき)()やしていきました。今回の熊本(くまもと)への派遣(はけん)では,これまでの積み重ねが生かされ,被災者(ひさいしゃ)の方に()りそった支援(しえん)をやりとげられたと感じています。

特殊(とくしゅ)な部品を(あつか)うには

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(わたし)の部隊に所属(しょぞく)する約100名の隊員のうち,女性(じょせい)は16名と少数派(しょうすうは)です。普段(ふだん)(あつか)う部品や機材は特殊(とくしゅ)で重いものが多いのですが,周りは男性(だんせい)が多いので,どうしても体力的な差が出てしまいます。でも,もともと体を動かすことは好きなので,「自分も負けていられない」と,災害(さいがい)派遣(はけん)のときだけでなく普段(ふだん)から(きた)えて,体力面でも男性(だんせい)に負けないように頑張(がんば)っています。
また,千以上の部品を管理しているうえ,大きさの単位も「センチ」と「インチ」が()ざっているので,初めは覚えるのが大変でした。形の()ているもの同士を()(ちが)えそうになったり,インチで用意するところをセンチで(はか)ってしまったりということもありましたが,毎日部品を見ているうちに自然と身に付いていきました。部品の中には()れやすいものもあり,一度にたくさん(あつか)わないといけないときは,細かい作業になるので特に注意を(はら)っています。

「ありがとう」が一番のやりがい

「ありがとう」が一番のやりがい

普段(ふだん)業務(ぎょうむ)自衛隊(じえいたい)の活動を(うら)から(ささ)える立場ですが,自分の性格(せいかく)に合っているように思います。自分が管理していた部品が実際(じっさい)整備(せいび)に使われていたり,整備(せいび)の人から直接(ちょくせつ)「ありがとう」と言われたりすると,とてもやりがいを感じます。
また,熊本(くまもと)災害(さいがい)派遣(はけん)のときには,入浴場を利用した方から「お風呂(ふろ)に入れるとぜんぜん(ちが)う」「すごく助かる」といった言葉を毎日のようにいただきました。4月のまだ肌寒(はださむ)い時季で,お風呂(ふろ)に入ったあと,みなさんが笑顔になっていて,見ているこちらまでとてもうれしくなりましたね。支援(しえん)をしていく中で(むずか)しいことや大変なこともたくさんありますが,被災者(ひさいしゃ)の方に喜んでいただけると,やっていて本当によかったなと感じます。入浴支援(しえん)は,被災(ひさい)された方と直接(ちょくせつ)関わることで笑顔になってもらえる,やりがいのある仕事だと思うので,これからもぜひ(たずさ)わっていきたいです。

いつでも相手の目線に立つ

いつでも相手の目線に立つ

この仕事をする中で,女性(じょせい)ならではの視点(してん)が強みになることもあります。熊本(くまもと)での入浴支援(しえん)では,高齢(こうれい)の方も利用するのでもっと椅子(いす)が必要ではないかとか,浴槽(よくそう)は深さがあるので(こし)かける台があったほうがいいのではないかといった提案(ていあん)をしました。こういったきめ細やかな配慮(はいりょ)は,女性(じょせい)ならではかもしれません。入浴支援(しえん)では,周りを見て,どうやったら気持ちよくお風呂(ふろ)に入ってもらえるかを考えるようにしています。
また,普段(ふだん)補給(ほきゅう)支援(しえん)業務(ぎょうむ)では,保管(ほかん)している部品をしっかりと手入れすることを心がけています。部品の中には長期間,保管(ほかん)するものもありますが,たとえば使えないバッテリーを用意してもしかたありません。()しいと言われたとき,すぐに使用できる状態(じょうたい)でないと,保管(ほかん)する意味がなくなってしまうからです。「どうすれば使う人の役に立つか」を考え,普段(ふだん)から点検(てんけん)や手入れをしっかりして,(わた)す前にも再度(さいど)チェックするようにしています。

東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)被災地(ひさいち)で知った入浴支援(しえん)

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東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)が起こったのは(わたし)が高校生のときでした。その後,専門(せんもん)学校に進み,被災地(ひさいち)でのボランティアに初めて参加することになりました。そこで目にしたのが自衛隊(じえいたい)員による入浴支援(しえん)です。過酷(かこく)状況(じょうきょう)に置かれている被災者(ひさいしゃ)方々(かたがた)が,ほっとした表情(ひょうじょう)()かべ,次第に笑顔になっていく様子を見て「ああ,これだ」と思いました。通っていた専門(せんもん)学校では公務員(こうむいん)全般(ぜんぱん)のコースを受けていましたが,このことがきっかけで自分も被災地(ひさいち)での活動に(たずさ)わりたいと思い,自衛隊(じえいたい)という職種(しょくしゅ)を希望するようになりました。
東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)は,(わたし)が物心ついてから初めて起きた大災害(さいがい)だったので,その後の自分の考え方にも大きく影響(えいきょう)したのだと思います。震災(しんさい)ボランティアの経験(けいけん)やそこで見たことを通して,人の役に立つことがしたいという気持ちを強く自覚するようになり,今の職業(しょくぎょう)につながりました。入隊後,あのとき見た隊員の人たちと同じ活動に(たずさ)わるようになり,本当に感慨深(かんがいぶか)い思いです。今後もいろいろな経験(けいけん)を積んで,自分にできることを()やしていきたいと思います。

体を動かすのが大好きだった子ども時代

体を動かすのが大好きだった子ども時代

子どものころは周りが山や田んぼ,畑ばかりだったので,(おに)ごっこなどをして日が()れるまでずっと外で遊んでいました。野球やサッカーなど,スポーツもよくしましたね。ひたすら外で遊ぶ,そんな子ども時代だったので,どちらかというと昔から体力には自信があったと思います。
学校の部活動も,中学,高校ともに,運動(けい)の部活動をやっていました。中学ではバレーボール部,高校ではがらりと変えて弓道部。入部体験のときに(はかま)姿(すがた)を見て,かっこいいと思ったんですね。 こういった経験(けいけん)のおかげで自然と体を動かすことが習慣(しゅうかん)になり,今の仕事にも生かされていると思います。自衛隊(じえいたい)での仕事は体力勝負な面もあるので,小さいころから体を動かしてきたことで体力がつき,とても役立っています。

いろいろなことに挑戦(ちょうせん)しよう

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大人になってから気づいたのは,挑戦(ちょうせん)する気持ちが大事だということです。いろいろなことに挑戦(ちょうせん)していこうという気持ちをずっと持ち続けてほしいと思います。
自衛隊(じえいたい)に入ってからのことですが,偶然(ぐうぜん),外国の方と話す機会がありました。ただ,ぜんぜん英語を話せず,身振(みぶ)手振(てぶ)りだけになってしまいました。「もっと英語をやっておけばよかったな」とそのときに思いましたね。
大人になって働きだしてから,子どものときにもっとやっておけばよかったと思うことが出てきたりします。小さいころからいろいろなことに挑戦(ちょうせん)していくことが大事なのではないかと思います。今は自分に関係ないように思えることでも,機会があればぜひ挑戦(ちょうせん)してみてください。また,挑戦(ちょうせん)する気持ちさえあればいろいろな人と関わることができると思うので,その気持ちを(わす)れずに持ち続けてほしいです。

  • 取材・原稿作成:東京書籍株式会社

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    岡崎 慎司

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