仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1985年 生まれ 出身地 東京都
田中たなか 慶子けいこ
子供の頃の夢: 漫画家
クラブ活動(中学校): 軟式テニス部
仕事内容
いくえん全体のじょうきょうあくし,てきかくを出す。
自己紹介
自分を思いきりはっできるいまの仕事が大好きで,「しゅは仕事」と答えてしまうほどです。自分の子どもがまだ小さいので,休みの日は子どもがゆうせんです。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2018年02月01日)時点のものです

園全体のじょうきょうあくする

園全体の状況を把握する

わたしは東京・あらかわにある東京都にんしょういくしょ「あっぷる園」で,園長をつとめています。一時期,ほかの大きないくえんで働いたこともありますが,2006年の「あっぷる園」開園時からのメンバーなので,もう通算で10年以上,ここで働いています。いくえん周辺のいきには待機児童が多いため,2017年には近くに姉妹園「あぷりこっとナーサリー」も開園しています。
げんざいわたしが園長をつとめる「あっぷる園」では,せいしょくいん8名をふくめた15名たいせいで,0さいから2さいまでの子どもたち25名をあずかっています。少人数なので,きめ細かく子どもたちを見て,アットホームないくをしています。園長の仕事では,子どもたちといくスタッフたちのじょうきょうつねあくして,じゅうなんたいおうすることが求められます。子どもたち全員の安全を第一に考え,つねに園全体を見て動きます。どこかあぶないところはないかなど,かんきょうせいを心がけ,気をつけてほしいと思ったことはすぐにいくスタッフに話して,かいぜんするようにしています。

自らいくに入ることもある

自ら保育に入ることもある

自分の子どもがまだ小さいので,げんざいは9時半から17時の時短きん(子育てのために,働く時間をたんしゅくしてきんすること)をしています。だいたい9時すぎにしゅっきんし,まず,園全体のじょうきょう,子どもの人数といくスタッフの人数をあくします。そして,一日のいくが安全でスムーズに進められるように,人員を配置したり,その日の活動ないようをスタッフたちにかくにんします。そのあとは,人手が足りなければいくとしていくに入ることもありますし,人手が足りている時は,スタッフたちのシフトや園だよりをつくるなどの作業をします。また,まめに園全体をうろうろするようにして,通りかかったときに気になるところがあれば,手伝いに入ったり,声をかけたりすることを大切にしています。
いくとしていくに入るときは,子どもたちが自分の思いを言葉で伝えられないねんれいなので,ひょうじょうやしぐさなどの様子をしっかりと観察します。その子が何を感じているのかをくみ取って,てきせつに関わることを心がけています。
「あっぷる園」は小さないく園ですが行事に力を入れていて,おたんじょう会やハロウィン,発表会などの行事があります。行事のじゅんわたしそっせんして進めるので,行事前はいそがしくなりますね。また,2月末は,いくえんさがしゃからの問い合わせが多く来るので,あわただしくなるシーズンです。

人の命をあずかる仕事

人の命を預かる仕事

いくえんでは子どもたちの命をあずかるので,わたしの仕事には大きなせきにんがともないます。また,仕事中は,どうすれば子どもたちが楽しくかいてきごせるかを考えるのが楽しい反面,大変なところでもあります。この仕事のとくちょうとして,何か一つのことだけに集中してしまうことはありません。たとえ書類仕事をしながらも,いつもしんけいぎすませて,まわりを気にしています。そのぶん,一日の仕事を終えるとぐったりしますね。何らかの理由で子どもがケガをしてしまったときに,「見ていなかった」とはぜったいに言えません。なぜケガをしてしまったのか,必ず説明できなければいけません。だから,いくに入っていない時もつねに子どもたちにしきを向けることができなければ,園長の仕事はつとまらないんです。
また,「あっぷる園」はしゃいくスタッフとのきょが近いいくえんです。しゃとはおむかえのタイミングなどにお話をして,さまざまなじょうきょうをしっかり伝え合うように心がけています。「あっぷる園」ではしゃの見学はいつでもできますし,いく参加といって,しゃにマスク,ぼうをつけてもらい,だんの子どもの姿すがたを見てもらう試みも行っています。
スタッフには,子どもやしゃのことで少しでも気になることがあったら,すぐにわたしに伝えてほしいといつも言っています。また,しゃと園との間でやりとりするれんらくノートに少しでもしゃの意見や要望が書いてあれば,その都度かいけつしていけるよう,おむかえ時にたんとういくわたしがお話をお聞きするようにしています。子どもたちがかいてきごせるかんきょうをつくる努力はおこたりません。

子どもの「初めて」に立ち会えることも

子どもの「初めて」に立ち会えることも

子どもが日々,成長していくのを間近に見られるのは,いくの仕事の大きなやりがいです。例えば,野菜を食べられなかった子が,食育活動を通して「自分たちが育てたものだから食べてみよう」と野菜を口にする姿すがたを見たり,トイレではいせつできなかった子が初めてトイレでできたり,歩けるようになるしゅんかんに立ち会えたり,語りつくせないくらい,いろいろなことがあります。0さいから2さいの時期というのは,毎日ぐんぐん成長して,さまざまな変化を見られるころです。わたしたちは子どもと長い時間いっしょにごすので,初めてのしゅんかんに立ち会えるケースもたくさんあります。

いくスタッフとは心を開いて話す

保育スタッフとは心を開いて話す

園長として,いくスタッフたちとの関わり方にはいつも気をつけています。何か気になることがあるときは,その都度ミーティングをして,スタッフのみんながどう思っているのかを聞き出します。わたしが一方的に言うのではなく,なるべくスタッフと同じ目線で話すようにしています。心を開いて話し合いをするには勇気も必要ですが,話し合いがうまくいくとスタッフのたいおうが大きく変わるので,言ってよかったなと思うことが多いです。また,どんなに小さなことでもほうこくれんらく・相談をしてもらうことが大切です。園長として,園全体のことは何でも知っておくことがせきにんだと思っています。

いくは自分の好きなことがまった仕事

保育士は自分の好きなことが詰まった仕事

わたしいくになりたいと思い始めたのは,中学校の終わりごろからです。そして高校に進学し,卒業後の進路を考えたときに,子どもが好き,ピアノをく,絵をくなど,自分の好きなことを全部挙げてみたらいくしかないと思い,進路を決めました。そこで,高校を卒業してから,いく養成のせんもん学校に進学したんです。このせんもん学校では,卒業と同時にかくを取れるので,すぐにいくとしてしゅうしょくができます。卒業後はげんざいいくえんしゅうしょくし,いくとしてけいけんを積んでいきました。
わたしが園長になることをしんされたのは,ちょうど育児きゅう中で仕事を休んでいたときのことでした。前の園長が出産のためのきゅうに入るタイミングで,理事長から「園長をやってみないか」と言われました。そこで,「やらせてください」とそくとうしたのを覚えています。いくとして働いてきて,「こういういくがしたい」という思いがちょうどしっかり固まってきた時期でもあったので,話をいただいたときはぜったいにやりたいと思ったのです。

小学生のころから世話好きだった

小学生のころから世話好きだった

小学生のころから友達に「ママ」とばれるような子どもでした。すでにそのころから人のめんどうを見るのが好きだったのです。小学校の卒業アルバムで「大きくなったらいいお母さんになりそうな人」ナンバー1がわたしでした。相手が何を考えているのかを考えたり,人をよろこばせたりすることが好きで,これは今も変わりません。
小学生のころは,世話好きなだけでなく目立ちたがり屋な一面もあって,学芸会のげきでは目立つ役にりっこうしたり,ピアノのばんそうしゃも進んで引き受けたり,自分にできるものは全部やっていたおくがあります。放課後は校庭で友達とキックベースをしたり,体を動かすのも大好きでした。中学生のころは部活に熱中して,真っ黒になりながら,毎日ソフトテニスに打ちこんでいました。部活がない日の放課後は,友達とごすことが多かったですね。

好きなことがあれば,自分のはばを広げられる

好きなことがあれば,自分の幅を広げられる

わたしがみなさんに伝えたいことは,何かひとつでもいいから好きなことをさがしてほしいということです。本当にちょっとした好きなことでもいいのですが,それが自分のしょうらいしょくぎょうつながってくるはずです。わたしの友達で,ほうそうでラッピングすることが好きな人がいます。かのじょは子育てで仕事をだんねんしていた時期に,ちょっとしたすき間の時間にできることをさがして,商品をきれいにラッピングしてネットではんばいする仕事を始めました。そうしたら,今ではものすごくヒットしています。ほんの小さなことからでも,自分の得意なことをつなげて,人はどんどん自分のはばを広げていけます。だから,今からでも少しずつ,ひとつでもいいから好きなことをさがしていってほしいです。

ファンすべてを見る

(神奈川県 中1)
(愛知県 小6)
(福岡県 中1)
(宮崎県 中1)
(東京都 小6)
(愛媛県 中1)
※ファン登録時の学年を表示しています

私のおすすめ本

林 明子
小さい子でもストーリーが分かりやすい絵本です。私は特にお月さまが好きで,この絵本に出てくるお月さまの丸い顔にいやしを感じます。子どもたちは丸いものが好きで安心するので,私の子どもも大好きな一冊です。

もっと知りたいこの仕事人

取材・原稿作成:東京書籍株式会社/協力:城北信用金庫