仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

愛知県に関連のある仕事人
1973年 生まれ 出身地 兵庫県
いーぱれっと かいはつしゃ「e-Palette」開発者
牟田むた 隆宏たかひろ
子供の頃の夢: パイロット
クラブ活動(中学校): ブラスバンド部
仕事内容
新しい夢のあるコンセプトのクルマを考えて,チームの皆と実現する。
自己紹介
家族とクルマで出かけることが多いです。ご飯を食べに行ったり買い物したり。ゲームも好きなので,出かけた先でポケモンGOをすることもあります。小さいころから釣りが大好きで,最近では海で船に乗って釣りを楽しんでます。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2020年03月06日)時点のものです

未来のクルマをつくる

未来のクルマをつくる

わたしは,トヨタ自動車で「e-Palette(イー・パレット)」という,新しいモビリティ(※モビリティとは「どうしゅだん」のこと)の開発せきにんしゃをしています。 「e-Palette」は,自動運転のじゅつやクルマとモノがつながる通信のじゅつなど,最新のじゅつを組み合わせてつくる新しいモビリティです。

e-Paletteの開発には,せっけいを書く人,部品を組み立てる人,せいのうをチェックする人など,さまざまなやくわりを持った,多くの人たちが関わっています。わたしはe-Palette開発チームのリーダーとして,“どういうクルマにするか”といった開発のほうこうせいを決めたり,全体のスケジュールや予算を調整したりしながら,おおぜいの仲間といっしょに協力して開発を進め,みなさんにじっさいに乗ってもらえようにするのが仕事です。

だれもが安心してどうできるまちを目指して

だれもが安心して移動できるまちを目指して

「e-Palette」は,センサーでしゅうかくにんして自動で走り,必要な時に近くまで来てくれて,行きたいところに連れていってくれます。クルマを運転すること自体がこんなんな人,さまざまな理由で一人での移動が困難な人など,なんらかの理由で「行きたいのに行けない」とこまっている人に,どうの自由をとどけることができます。
また,人以外のさまざまなモノを運ぶことができるので,「買い物に行く」のではなく「お店が近くにやってくる」というような活用も考えられます。

だれもが安心してどうできる社会に必要な,新しいモビリティとして2020年代前半の実用化を目指しています。

小さいころから「モノづくり」が好き

小さい頃から「モノづくり」が好き

わたしは小さいころからモノをつくることが好きで,モノをつくる仕事がしたいと思っていました。そして,モノをつくるならおおぜいの人が愛着を持って自分のつくったモノを使ってしい。そう考えて,クルマをつくる会社にしゅうしょくしました。
入社して最初の10年は,クルマのブレーキの開発をたんとうして,その後,アメリカのテストコースがあるせつでの開発をけいけんしました。日本にもどってきてからは,「走る・曲がる・止まる」というクルマの動き全体をチェックする仕事などもしていました。
その後,トヨタ自動車や自動車業界全体のしょうらいを考えるしょうつり,げんざいは「e-Palette」の開発をしています。

クルマをかんきょうは大きく変化しています。自動運転のような新しいじゅつが次々と生まれ,インターネットとクルマもつながるようになりました。
これからは,これまでのようにせいのうの良いクルマをつくるだけでなく,便利でかいてきどうと生活に,クルマをどう使っていくのかをていあんしていく時代だと思っています。

今までなかったモノをゼロからつくる

今までなかったモノをゼロからつくる

「e-Palette」はこれまでのクルマとはまったくことなるコンセプトを持った新しいクルマです。そのため,開発のすべてがゼロからのスタートでした。 これまでのクルマ開発の多くは,今あるものを参考により良いものを生み出すというものでしたが,e-Paletteは,参考にすべきクルマも,「こうあるべきだ」という決まりごとも全くありません。

クルマ全体をどのような形にするべきか? ドアはどのような形が良いのか? 運転するためにハンドルは必要か? など,すべてをゼロから考えて決めていかなければなりませんでした。

自分と仲間を信じて,新しいちょうせんをするよろこ

自分と仲間を信じて,新しい挑戦をする喜び

これまでのクルマとはちがう,まったく新しいクルマをつくるというけいけんは,わたしにとってもとても特別なものでした。だれも見たことが無いものをゼロからつくるということは,わからないことだらけで,何が正しいのか教えてくれる人もいません。
新しいことへのちょうせんは不安がつきものです。しかし,不安にしつぶされるのではなく,自分を信じて,仲間といっしょに目標に向かってがんることは,やりがいもあり,じゅうじつもしています。

さまざまな部品を組み立てて,初めてe-Paletteを動かしたとき,関係者全員から「おおーっ!」というかんせいがわいたんです。苦労を共にした仲間たちとそういうしゅんかんをむかえられたことに,とても感動しました。

これからの社会のためにクルマができること

これからの社会のためにクルマができること

今,世界ではSDGsという,より良い社会をつくるための目標に向かって,みんなが協力しています。
地球おんだんや交通などの課題をかいけつして,だれもが安心して自由にどうできるまちをつくるのが,これからのクルマ会社が目指すべき未来です。

クルマやどうのあり方が進化することで,社会が大きく変わっていくはずです。ですから,これからも「こんなことがクルマでできたらいいな」ということにどんどんチャレンジしていきたいですね。これからのクルマやどうがどうなれば,もっと社会がよくなるのか,みなさんにもいっしょに考えて欲しいと思っています。

「人の役に立ちたい」という気持ちが原動力に

「人の役に立ちたい」という気持ちが原動力に

働くことの大きなよろこびの一つは,仲間といっしょに何かをつくり上げること,そして,「だれかががおになってくれたら,うれしい」「だれかの役に立ちたい」という気持ちです。

それは,仕事だけでなく,学校や家庭でも同じはずです。自分がきょうのあることをするときに,「だれかのために」という気持ちをぜひ大切にしてみてください。そうすると,自分がやることに大きな意味を感じられるようになるでしょう。
毎日の生活の中で,これは「だれかをがおにすることができるかな?」と,考えてみてもらえるとうれしいですね。

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