仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

神奈川県に関連のある仕事人
1985年 生まれ 出身地 東京都
片沼かたぬま 迪太郎みちたろう
子供の頃の夢:
クラブ活動(中学校): 水泳部
仕事内容
いきのみなさんといっしょいきの課題をかいけつし、元気なまちをつくる。
自己紹介
せいかくおだやか。休みの日はつまいっしょに旅行や食事、ショッピングを楽しんでいます。
出身高校
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2023年01月16日)時点のものです

銀行の仕組みを使って、いきかっせいおうえん

銀行の仕組みを使って、地域の活性化を応援

銀行には、お客さまのお金をあずかる(きん)、お客さまにお金をす(ゆう)、お客さまのお金を別のお客さまに送る(為替かわせ)という3つのやくわりがあります。さらに、最近ではこの3つに加えて、じんのお客さまや会社、いきなどのお金にまつわるさまざまな相談に乗るという仕事も大切になっています。わたしは、よこはま銀行のいきせんりゃくとうかつというしょで働いています。そこでは、観光客をやすためのせつづくりや、特産品の開発など、いきかっせいたずさわっていて、その活動の中でぎょうだんたいにお金をす(ゆう)ことにたずさわることもあります。
今、日本では、東京以外のいきにも人やぎょうを集めながら、国全体を元気にしようという取り組みが進んでいます。活力のあるいきをつくるためには、人をふうが必要です。まちを住みやすくせいしたり、働き場所となるぎょうんだり、観光客をやしたり……。それらは、たくさんのお金が必要なこともあります。ですから、銀行が、まちづくりをするぎょうだんたいにお金をすことで、まちづくりをサポートしています。特に、わたしたちよこはま銀行のように、いきに根差した銀行がいきけいざいかっせいをサポートすることは、その大きな役目だと思っています。
銀行はただお金をすだけではなく、お金を管理するプロとして、お客さまが計画通りえきを出せるように関わっています。例えば、事業をこうてきなものとするために、いきの課題のあらしや、かいけつさくいきのみなさんといっしょけんとうしていきます。おししたお金でせつや特産品が完成した後も、まちが元気になっていくためのサポートを続けていきます。そのため、長い期間をかけて、いきのみなさんとお付き合いします。

観光客をみ、いきのみなさんの生活もゆたかにするために

観光客を呼び込み、地域のみなさんの生活も豊かにするために

よこはま銀行では、神奈川県内を6つのいきに分けて、いきごとのとくちょうや課題におうじた取り組みを行っています。わたしたんとうは、県央を中心とする中部いきと、県西を中心とする西部いきです。
2022年には、小田原市のかっせいを進めるぎょうが、観光せつ「箱根口ガレージ」をオープンさせました。小田原市には、わらじょうというらしい観光げんがあります。ただ、「わらじょう以外の観光スポットにらない観光客も多い……」というなやみがありました。そこで、小田原駅からわらじょうけた先にも観光せつを作ろうと、小田原市のぎょうが動き出したのです。わたしたちよこはま銀行は、そのぎょういっしょに観光せつの案を練り、必要なお金をすことで、いきかっせいたずさわりました。
箱根口ガレージには、いきの農作物を使った定食やケーキが食べられるカフェ、いきの花屋などが入っています。また、わかい世代の観光客をやすため、建物はげんだいに合わせてスタイリッシュなデザインに仕上げました。その一方、小田原のれきを感じてもらえるよう、昭和10年から昭和31年まで、小田原駅から箱根板橋駅の間をじっさいに走っていた路面電車の車両をせつないてんし、だれでも車内の見学ができるよう開放しています。

人をむサポートも銀行の役目

人を呼び込むサポートも銀行の役目

まちづくりのプロジェクトでは、建物やせつを作って終わり、というわけではありません。せつをたくさんの人に知ってもらったり、しょうらいにわたっていきが成長するような活動もしています。その一つとして、箱根口ガレージの計画を進めてきたぎょうわたしたちよこはま銀行が協力して、小田原の小中学生をたいしょうに「きんじろうけいざい教室&はまぎん おかねの教室」を路面電車の中でかいさいしました。子どもたちには、お金の使い方に関するじゅぎょうを受けたあと、レモンキャンディーや梅サイダーなど小田原のおやげものじっさいに観光客やいきの人にはんばいして、お金のや働くことのについて学んでもらいました。いきの未来をになう子どもたちに教育の機会をていきょうすると同時に、おやげものを売る子どもたちのみにより、せつは多くの人でにぎわうことになり、せつのPRにもつながりました。
また、箱根口ガレージでた売上の一部はいきのみなさんのために使われます。せつしきないにはたくはい便びんえいぎょうしょとコインランドリーがあります。これらは、いきのみなさんの生活が便利になるようにと、お店の売上の一部で運用しているのです。今、箱根口ガレージは、「休日は観光客がり、平日はいきの方が利用する」という人の流れができてきています。

銀行は、いろいろなお客さまとのつながりが強み

銀行は、いろいろなお客さまとのつながりが強み

わたしは、たんとういきと、他のいきのお客さまを結び付ける仕事もしています。神奈川県の中部いきにある清川村(みや地区)のいきかっせいプロジェクトにたずさわった時のことです。いきに「観光客の交通しゅだんやしたい」という課題があったため、電動キックボードをあつかう他のいきぎょうをごしょうかいしました。げんりょくである自然をぞんぶんに感じながらきんりんの観光きょてんどうしてもらえるよう、観光客向けに電動キックボードのしを始めるお手伝いをしたのです。
わたしたちよこはま銀行には、いきに根差した銀行として、じんぎょうだんたいなど、長年にわたってつちかったいきのネットワークがあります。こうしたネットワークをかして、お客さまの新たなちょうせんをサポートできると思っています。 いきの方と打ち合わせをするさいは、本部のわたしだけではなく、いきにあるてんしょくいんに同席してもらいます。いきの方と日ごろ苦楽を共にし、しんらい関係をつちかってきたてんしょくいんが、いきの方のじょうおもいを一番よく知っているからです。てんしょくいんいっしょに話をすることで、いきの希望に沿うかたちでプロジェクトを進めることができます。

仕事は事前のじゅんと勉強が大切

仕事は事前の準備と勉強が大切

わたしの一日は、みなとみらいにあるよこはま銀行本店へのしゅっきんからスタートします。8時にとうちゃくして、メールをかくにんします。8時45分からはしょぞくしているしょの全体ミーティングでそれぞれの仕事に関するじょうほうを共有します。ほかのメンバーの話は自分のぎょうに生かせることが多いので、大切な時間です。その後、午前中はその日に使うりょうを作ったり、どうりょうと打ち合わせをしたりして、昼前には神奈川県内で自分がたんとうしているいきでの打ち合わせに向かいます。げんで打ち合わせをませ、18時ごろに仕事が終わることが多いです。
わたしの仕事には、神奈川県の各いきの首長(市長、町長、村長のこと)のお名前、まちのれき、観光げん、人口などのりょうをまとめた、オリジナルの手帳を役立てています。いきの方との打ち合わせでは、はばひろい話題が出るので、どう中などにりょうを見て予習をしています。じょうほうこうしんされるたびに中の書類をえています。

調整力がみんなのおもいを形にする

調整力がみんなの想いを形にする

いきかっせいに関わるプロジェクトでは、立場やねんれいちがうさまざまな人が参加しますが、そこでは、意見がことなることもあります。「良いまちにしたい」というおもいは同じでも、それぞれの立場やじょうちがいからゆうせん順位がことなることがある……。そんな時、わたしたち銀行員が間に入って意見を調整する立場をになうことがあります。
それぞれの思いや大切にしていることをべつに聞きながら、最終的にはプロジェクトに関わる全員がなっとくし、いき全体のためになる答えを見つけるのです。銀行は、小売業やせいぞうぎょうなどの実業を本業としているわけではありません。そのため銀行は、事業者の方々と利害関係が起きにくい立場として、調整役をになえることがあると考えています。
これには、調整をかえねばづよさと、みなさんの合意を取り付けるとっ力が必要となります。みなさんと話をするさいは中立的な立場でいられるよう、かんたよらず数字などの事実をベースにした話をすることも大切です。
長い時間をかけて作った計画が完成したり、ゆうじつげんしたり、新しいお店がオープンしたりと、プロジェクトが未来に向けて前に進んでいることが実感できた時、わたしは、「この仕事をしていてよかったな」とうれしくなります。それは、1つの目標に向けておおぜいの人が協力し合い、共にこんなんえていく様子を長年見ているからなのです。計画が一つずつ進んでいくこと自体がごたえとなり、わたしのやりがいにもつながっています。

学生時代のけいけんが仕事につながっている

学生時代の経験が仕事につながっている

わたしは子どものころ、社会科が好きでした。社会科は、じっさいの生活やらしにつながっていると思えて楽しかったからです。社会科で習ったことは、銀行員が身に付けておくべきしきに通じている部分もあります。例えば今のわたしでも、神奈川県の小学生向けさっ『わたしたちの神奈川県』を読むと、さいはっけんできるじょうほうがあり、おどろくことも少なくありません。
また、中学受験をけいけんしたのですが、そのさいはばひろい教科を勉強したことで、さまざまなことがらに目を配る力が養われたと思います。その力は銀行員になった今も、しっかりと生かせていることを実感しています。 いそがしい日々をささえてくれているのは、小学校から高校まで続けた水泳で付けた体力でした。今、みなさんが身に付けているしきや体力は、大人になってからきっと大きな力となると思います。
わたしの出身は東京都ですが、中学・高校時代は神奈川県でごし、友達にもめぐまれじゅうじつした日々でした。放課後、学校周辺をめぐるうちに、1駅ちがうだけでまちのとくちょうや景色がちがう神奈川県にきょうを持つようになりました。「楽しい時間をごさせてくれたいきおんがえしをしたい」。わたしは、大学卒業後、そのおもいをむねよこはま銀行に入行しました。

さまざまなのうせいがある銀行の仕事

さまざまな可能性がある銀行の仕事

わたしが仕事で大切にしていることは2つあります。それは「仕事のはんだんや行動のスピード」と、「話をスムーズに進めるためのコミュニケーション」です。 わたしたちの仕事では、同時にふくすういきかっせいプロジェクトをたんとうし、それぞれを前に進めていかなければなりません。いくつものプロジェクトを同時に進めるためには、はんだんすべきことを先送りにせず、ばやく実行にうつしていくことが大切です。
しかし、いきかっせいプロジェクトは関わる人が多いので、自分だけでははんだんできない場面もたくさん出てきます。そんな時は、いきのみなさんにわたしの意見を伝えながらさいてきなシナリオをさぐっていきます。
そんなふうに、速度を上げて取り組むことと、時間をかけて取り組むことをきわめるためには、相手が何を感じ、何を考えているのかをそうぞうする力が必要だと思っています。きちんと一人ひとりとコミュニケーションを取って相手を知れば、相手のいだきそうなもんや不安に先回りしてたいおうできるので、計画がスムーズに進んでいくのです。
銀行は、じゅうらいぎょうに加えて、さまざまなチャレンジを始めています。デジタルやマーケティングといった分野のスペシャリストも、今、求められる人材ぞうです。みなさんには世の中のいろいろなものにきょうこうしんを持ち、好きな分野を深めていただきたいです。銀行の間口はどんどん広がっているので、いつか意外な形でいっしょに仕事をすることになるかもしれませんね。

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取材・原稿作成:大野 晴香(Playce)・東京書籍株式会社/協力:横浜銀行