仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1972年 生まれ 出身地 東京都
柳生やぎゅう 浩臣ひろおみ
子供の頃の夢: プロ野球選手
クラブ活動(中学校): 野球部
仕事内容
立体ちゅうしゃじょうはんばいし,連係プレーでげんおさめる。
自己紹介
昔から何か一つのことに集中するよりは,広く周りを見て自分がどう動いたらよいのかを考え,人と人との間でバランスを取るのがとくでした。体を動かすことが好きで,週末は天気がよければ,あらかわの土手を2時間くらい散歩したり,走ったりしています。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2021年06月04日)時点のものです

せまいスペースにたくさんの車をちゅうしゃするための立体ちゅうしゃじょうはんばい

狭いスペースにたくさんの車を駐車するための立体駐車場を販売

わたしは,マンションや商業せつなどのけんせつ時に,立体ちゅうしゃじょうはんばいしておさめる「みちしょうかぶしきがいしゃ」の社長をつとめています。道商事は,1987年にわたしの父がせつりつした会社で,本社はとうきょうぶんきょうにあります。立体ちゅうしゃじょうは,ちゅうしゃじょうを2だん,3だんと立体的に重ねて,せまいスペースでもたくさんの車をちゅうしゃできるようにしたものです。
立体ちゅうしゃじょうにはさまざまな形,のうのものがありますが,大きくは2種類に分けられます。一つは,平面のちゅうしゃじょうと同じように,利用する人が目的の階まで自分で車を運転してちゅうしゃする「自走式」のちゅうしゃじょう。もう一つが,エレベーターのように,人がちゅうしゃそうそうして車の入庫や出庫を行う「機械式」のちゅうしゃじょうです。わたしたちの会社では,主にかぶしきがいしゃIHIというメーカーの機械式ちゅうしゃじょうせつはんばいしていますが,自走式の立体ちゅうしゃじょうや自動車用のエレベーターなどをあつかうこともあります。
わたしたちの会社では,ただ立体ちゅうしゃじょうせつを売るだけではなく,新しく建てられるマンションやせつじょうけんに合わせて,どの形の立体ちゅうしゃじょうが合っているのか,どのようにせつを取り付けたらよいか,などを建物のせっけいたんとうしゃと考えるほか,立体ちゅうしゃじょうのうにゅう工事の進行管理もします。わたしは社長なので,そういったげんの仕事をしながら,会社全体の受注管理や売上管理,社員の仕事のじょうきょうかくにんといった,会社のうんえいに関わる仕事もしています。

建物に合った立体ちゅうしゃじょうのうにゅうするまでが仕事

建物に合った立体駐車場を納入するまでが仕事

わたしたちのお客さまはマンションやせつを建てるけんせつ会社です。例えば新しいマンションを建てる場合,建物本体をこうするけんせつ会社のほかに,コンクリートを作る業者や,エレベーターをつくる業者,電気せつや空調せつたんとうする業者など,いくつものせんもん業者が関わります。その中で立体ちゅうしゃじょうせんもんたんとうするのが当社です。
マンションやせつを建てるにあたっては,その建物の大きさに対して必要なちゅうしゃじょうしゅうよう台数がほうりつで決められています。30台置けるちゅうしゃじょうつくらないといけない建物なのに,平面だと5台分しかスペースが取れない,という場合は,立体化しなくてはいけません。そうなると,わたしたちの出番です。立地なども考えながら,どのタイプの立体ちゅうしゃじょうにするかなどを,建物本体のせっけいたんとうしゃと話し合い,ていあんします。けんせつプロジェクトのないようによっては,わたしたちと同じような仕事をしている他の会社がそれぞれにていあんをしていることもあります。その場合は,当社の案がさいようされれば,受注が決まります。
せっけいが固まると,立体ちゅうしゃじょうのうにゅう工事自体は外部のしょくにんさんにらいして行いますが,工事が予定通りに進んでいるかの管理や,アクシデントがあったときの調整はわたしたちのたんとうです。はんばいした立体ちゅうしゃじょうがきちんと予定通りつくられるのをとどけ,お客さまにわたすまでが仕事です。100台の車が置けるような大きなちゅうしゃじょうの場合は,せっけいの相談からのうにゅうを終えるまでに約2年かかることもあります。5台,10台の小さなものであれば半年くらい。工事中,特に工事の開始直後と完成ぎわには何度もげんに足を運びます。

自走式の立体ちゅうしゃじょうについては土木分野のしきが必要

自走式の立体駐車場については土木分野の知識が必要

これまでの仕事でいんしょうに残っているのは,2009年にオープンしたいばらけんもりもり駅前にある商業せつ,「アワーズもりや」に立体ちゅうしゃじょうつくったときのことです。200台以上がちゅうしゃできる自走式の立体ちゅうしゃじょうで,数億円の大きな仕事でした。しかし,だんあつかうことの多い機械式とくらべると,自走式に関するノウハウが当時は当社にあまりなく,けんせつ会社のどうをたくさん受けて勉強をさせてもらいながら,何とかおさめることができました。
自走式の場合は,けんせつげんの地面のつくる作業にも関わっていく必要があり,土木分野のしきが必要になります。機械式の場合は,地面の部分がすでにできあがっているじょうたいで立体ちゅうしゃじょうの工事をするので,どちらかというとけんちく分野のしきが求められます。これが自走式だと,立体であっても1フロアの面積が広く,建物の重さをささえるために地面にくいを打つなど,目には見えないの部分をしっかりつくることも仕事の中にふくまれます。れない作業がたくさんあるため,打ち合わせをどう進めたらよいかもさぐりでしたし,だん関わらないしょくにんさんや関係会社との話し合いや調整にも苦労しました。
また,この仕事では工事期間が長かったこともあり,約5か月間,げんに道商事の社員が,管理者としてじょうちゅうしました。わたしたちの仕事はげんありきですし,つねに周りへの目配りや気配りが大切だと考えて取り組んでいます。でも,折々で足を運ぶという形ではなく,けん作業を行うところをふくめ,毎日のげんの様子を見続けたけいけんは,道商事という会社にとっても,いいけいけんになりました。

じゅつの勉強はつねに欠かせない

新技術の勉強は常に欠かせない

機械式の立体ちゅうしゃじょうにはつねに新しいじゅつが取り入れられ,進化しています。そういったしんせいひんの説明会や,メーカーによるけんしゅうかいに参加して学ぶのも大切な仕事です。例えば今まで,シャッターのめやちゅうしゃスペースのしなどを,パネルのボタンで人がそうする方法がいっぱんてきでした。ところが最近は,そう用の機械にあらかじめ登録したICカードをかざすだけで,自動的にけいやく中のちゅうしゃスペースをしてくれるタイプのせいひんができています。
また50台以上も置けるようなおおがたマンションの立体ちゅうしゃじょうで出入口が一つしかないと,しゅっきん時や休日などの入出庫が重なる時間帯には,他の人のそうを列になって待たなくてはいけません。それは利用者にとってストレスですよね。そこで,スマートフォンから出庫の予約ができるシステムをんだ立体ちゅうしゃじょうが登場しています。あらかじめ,せんようのアプリで出庫希望時間を登録しておけば,その時間にちゅうしゃじょうの入口に行くと,自分の車が用意されているのです。最近ではそういったものがどんどんスタンダードになりつつあります。
建物のせっけいをする人はもちろんせっけいのプロですが,立体ちゅうしゃじょうせんもんというわけではありません。じゅつてきふくざつな部分の話が必要になればメーカーのじゅつしゃに相談をするものの,がいようほんてきこうぞうしんせいひんじょうほうなどは,われわれがきちんと説明できなくてはいけません。だから,つねに勉強は欠かせないのです。

いちばんやりがいを感じるのは,名指しで仕事をもらえたとき

いちばんやりがいを感じるのは,名指しで仕事をもらえたとき

この仕事でやりがいを感じるのは,やはりお客さまからかんしゃされたり,「道商事にお願いしてよかった。またよろしくお願いします」などと言ってもらえたりしたときです。特に大きなプロジェクトにおいて,これまでの成果をみとめられ,名指しで仕事をいただけたときはとてもうれしいですね。指名をいただけるのは,わたし一人だけの力ではなく,社員が日々,地道に学びやせいじつたいおうを重ねてきたことが実を結んだあかしですから。
また,なんの高いプロジェクトを受注できたときにもやりがいを感じます。1年前,ちゅうしゃじょうつくるスペースの関係で,じょうむずかしいていあんをする機会がありました。立体ちゅうしゃじょうせつはいくつかのメーカーがつくっていて,それぞれすんぽうや出庫にかかる時間などがことなります。その中で当社があつかっているIHIうんぱんかいかぶしきがいしゃせいひんは,たいしょうのプロジェクトで予定されているちゅうしゃじょうスペースに対して少しすんぽうが大きかったのです。といっても50mm,100mm単位の話ですが,ひょうじゅんのものではちゅうしゃじょうスペース内におさまらないため,メーカーのじゅつしゃこうぬしであるけんちく会社を交えて,どうすればおさめられるかを何度も相談しました。調整するのは大変でしたが,何とかかいけつほうを見つけ出して,受注することができました。多くの関係者の協力があって最終的に仕事を受けられたのは,とてもうれしかったですね。

どんなときも,よろこびすぎず,落ちこみすぎない

どんなときも,喜びすぎず,落ちこみすぎない

わたしは大学卒業後に知り合いがけいえいするきんゆう関係の会社にしゅうしょくし,26さいのときに道商事に入社しました。その一年くらい前から父の会社で働くことは考え始めていましたが,家族と仕事で関わると家でも会社でもずっと同じ相手と顔を合わせることになり,うまくきょが取れなくてケンカになるのではないか,という不安がありました。ところが,じっさいに入社してみると特に大きなしょうとつはなく,スムーズになじむことができました。おそらく一度ちがう仕事をけいけんして,社会人としてワンステップをめていたことがプラスに働いたのではないかと思います。
とはいえ,全くはたけちがいの仕事からのてんしょくだったので,入社後は自分でせいひんせっけいについて,かなり勉強をしました。しきもとづいたせっとくりょくのあるていあんをしてさいようされるために,今でも日々,こうさくしています。
多くの人と関わり調整をする仕事の中で,つねに頭にあるのは「なさけは人のためならず」という考えです。こちらがきちんと相手に気持ちを向けてせっしていれば,もちろん相手のためにもなりますし,結果的に,自分にとってよいリアクションが返ってきます。まずは社員,お客さま,関係会社など,関わる人たちを大切にすることが大事です。また,長いスパンの仕事をする中では,つらいこともあれば,「ラッキー」と言えるような出来事が起こるときもあります。ただ,どちらにしてもそれは一時期だけのことで,時間がてばぎゃくじょうきょうになるかもしれない。だから,いいことでもよろこびすぎず,悪いことにも落ちこみすぎないようにしよう。いつもそう思って自分をいましめています。

やりたいことができないときは「エネルギーをめる時期」。きょうを持つことを止めないで

やりたいことができないときは「エネルギーを溜める時期」。興味を持つことを止めないで

小学生のころはとてもおっとりしたせいかくで,クラスの中で目立つ子とも,おとなしい子とも関係なく仲よくなれました。放課後はベーゴマや,スーパーカー消しゴムでよく遊び,高学年になるとプロレスにはまり,自分でプロレスのまんいたりもしていました。中学校では,朝からばんまでほぼ毎日,部活でやっていたなんしき野球に熱中し,だちの大会でじゅんゆうしょうしたこともあります。わたしの通っていた中学はあらかわの近くにあったため,ベースやバットを乗せたリヤカーを引いていき,土手でもよく練習をしました。だから今でも休日になると,ついあらかわに行きたくなってしまうのかもしれません。
読者のみなさんには,今はまだ,しょうらい,何になりたいかが分からない人も多いと思います。また,やりたいと思っても,じょうきょうゆるさず,できないこともあるでしょう。けれど,やりたいことがすぐできなかったとしても「今はエネルギーをめる時期」なのだと考え,いろいろなことにきょうを持つことを止めないでください。また,失敗したり落ちこんだりすることがあっても,ずっとつらいじょうきょうばかりが続くことはありません。「やりたい」というをもって,いろいろなことに取り組むのはらしいことですから,自分を信じてどんどんチャレンジしてみてほしいです。

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藤沢周平
主人公は10代の若い下級武士。やりたいことができないもどかしさや,大切なものを守るという正義感,身分を超えた切ない恋など,心の描写にリアリティーがあって楽しめます。当時の"まちの人々”に光を当て,暮らしの中で起こる葛藤や恋愛,貧しいながらも精一杯生きる人々をさわやかに描く,藤沢周平の時代小説が大好きです。

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取材・原稿作成:渡部 彩香(Playce)・東京書籍株式会社/協力:城北信用金庫