仕事人

私(わたし)は株式会社(かぶしきがいしゃ)ツチクラ住建の代表取締役(とりしまりやく)です。私(わたし)の会社では，大工さんが木造(もくぞう)の家を造(つく)っています。他にも営業(えいぎょう)と，設計(せっけい)の仕事があります。営業(えいぎょう)は，家を造(つく)りたかったり、直したいお客さまを探(さが)してくる仕事です。そのために広告をしたり，以前のお客さまを訪問(ほうもん)したりします。設計(せっけい)は，お客さまの要望通りの家を作るため，お客さまと打ち合わせをしてその内容(ないよう)を図面にする仕事です。私(わたし)は，経営(けいえい)の仕事をしています。営業(えいぎょう)をしたり，お客さまと話したりするほか，会社全体の計画を立てるのが私の仕事です。
大工さんが家を建てるときに危険(きけん)な仕事は「建前(たてまえ)」です。「建前(たてまえ)」というのは，建物の骨組(ほねぐ)みをつくる作業ですが，作業中に高い所から落ちて，大きなけがをする可能(かのう)性(せい)があるため，とても危険(きけん)な仕事です。他にも，刃物(はもの)で木を削(けず)るときや電動工具を使うときは気を付けています。手や指が切れてしまう危険(きけん)があるからです。
冬は雪が降(ふ)って，外の仕事が大変なので「造作(ぞうさく)」という仕事をしています。「造作(ぞうさく)」は，家の中を加工する仕事です。骨組(ほねぐ)みと屋根が造(つく)ってある中で，壁(かべ)を造(つく)ったりします。

私(わたし)たちの会社では，建物以外に造(つく)っているものはありませんが，他には不動産業をしています。不動産業では，人口が減(へ)るにつれて増(ふ)えてしまった空き家をリフォームして，飯綱(いいづな)町外の人たちに買ってもらうというような仕事をしています。この仕事は主に，大工さんと設計担当(せっけいたんとう)が行っています。
大工になるのに必要な資格(しかく)はありませんが，一人前の大工になるには，５年から１０年の， 仕事をしながらの訓練が必要です。設計(せっけい)を担当(たんとう)するには，建築士(けんちくし)の資格(しかく)が必要です。資格(しかく)は１級，２級の二つがあり，１級建築士(けんちくし)は，日本国内であれば，どんな建物も設計(せっけい)できる資格(しかく)です。
将来(しょうらい)，このような仕事に就(つ)きたいという人が少なくなってきています。人口が減(へ)ることによって，大工などの仕事に就(つ)く人も減(へ)り，建物も減(へ)っています。建築(けんちく)の仕事はきつい仕事ですが，何もない土地に，自分たちの力でこの世に残る物を造(つく)るのは，すばらしいことだと思います。

私(わたし)たちツチクラ住建で一番大切にしていることは，お客さまに喜んでもらうことです。お店に並(なら)んでいる商品などは，お客さまが実際(じっさい)の物を見て決めることができますが，住宅(じゅうたく)は商品を見ずに買ってもらいます。その分，信用が必要なのです。お客さまの期待以上の仕上がりでないと喜んでもらえません。ですから，お客さまに喜んでもらえる住宅(じゅうたく)を造(つく)りあげることを，とても大切にしています。
作業の現場(げんば)では，いろいろな木材を切ったり，削(けず)ったりしていると，ゴミが散らかって，知らないうちに床(ゆか)に傷(きず)がついてしまうことがあります。そうなると，特殊(とくしゅ)な業者さんに直してもらってから渡(わた)さなければならなくなります。そこで私(わたし)たちは，養生をして作業をするよう，気を付けています。また，お客さまが現場(げんば)を見に来られたときには，気持ちのよいあいさつをするなど，対応(たいおう)にも気を配っています。そして，お客さまの意見を聞いて，「ここに家を建ててよかった」と思ってもらえるような対応(たいおう)ができるようにしています。