仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

山梨県に関連のある仕事人
1997年 生まれ 出身地 北海道
和田わだ 京果きょうか
子供の頃の夢: ゲーム制作者
クラブ活動(中学校): 吹奏楽部
仕事内容
ちょうでんどうリニアのスムーズな走行試験に向け、山梨リニア実験線の土台を守る。しょうらいのリニア中央しんかんせん開業に向けて、山梨リニア実験線でた知見を生かし、さらなる開発を進める。
自己紹介
ほんてきにマイペース。初対面の人ともすぐに仲良くなれることがまんです。ることが大好きで、休日は家に引きこもることが多いですが、友達と遊ぶときは東京や大阪まで行くこともあり、旅行も大好きなので、休日のごしかたはばはとても大きいです。

※このページに書いてある内容は取材日(2023年06月28日)時点のものです

山梨リニア実験線のこうぞうぶつけんしゅうぜんする

山梨リニア実験線の構造物を検査・修繕する

わたしは、JR東海リニア開発本部山梨実験センターにしょぞくし、山梨リニア実験線の土木分野をたんとうしています。山梨リニア実験線での走行試験は1997年に先行区間18.4キロメートルで開始し、その後のえんしんこうしん工事をて2013年にはそうえんちょう42.8キロメートルが完成し、日々、リニア中央しんかんせんの開業に向け、ちょうでんどうリニアの走行試験が行われています。
リニア中央しんかんせんにはレールはなく、側面にコイルの入った「ガイドウェイ」がかれます。ガイドウェイやガイドウェイにかかるトンネル、きょうりょう(「橋」のせんもんてき)などの工事・メンテナンスが土木分野のたんとうになり、ガイドウェイ、トンネル、きょうりょうの3つのチームに分かれて各こうぞうぶつたんとうしています。
その中でわたしたんとうしているのは、きょうりょうなどのこうぞうぶつのメンテナンスです。コンクリートのきずなど、こうぞうぶつじょうたいが最初のじょうたいかられっしてしまうことを「へんじょう」といいますが、こうぞうぶつ管理のために、こうしたへんじょうがないかをけんし、もしへんじょうがあった場合にはしゅうぜん計画を立て、しゅうぜん工事を行う、というのがわたしの主な仕事です。

きょうりょうしゅうぜん工事だけにとどまらず、はばひろぎょうたんとう

橋梁の修繕工事だけにとどまらず、幅広い業務を担当

きょうりょうけんしゅうぜん工事だけでなく、けんや工事を進めるにあたって使いにくいせつなどがあれば、より良いものをていあんして、作業かんきょうかいぜんするという仕事もたんとうしています。たとえば、けんや工事のために、ガイドウェイのそくへきに登ることもありますし、山梨リニア実験線は山間部にあるので、山のしゃめんに登ることもよくあるのですが、そうした作業をする人がケガをしないよう、かいだんやはしごを取り付けたりしています。
そのほかに、土木作業と工事用車両の運行を全体的にとうせいする「指令ぎょう」もたんとうしています。「土木作業を今から始めて問題ないか」「今、ガイドウェイの中に工事車両が入って問題ないか」などを、いろいろな部門とかくにん・調整する仕事で、1日につき3、4人で交代しながらたんとうしています。かくにんや調整がしっかり行えていないと、リニア車両と工事車両がぶつかる、工事車両と作業員がぶつかるなど、大きなにつながってしまうのうせいもあります。安全を守るせきにん重大な仕事なので、指令ぎょうたんとうする日は、いつも以上に気をめてぎょうにあたっています。

せんもんしきを身につけるため、勉強の日々

専門知識を身につけるため、勉強の日々

きょうりょうの土木工事は、室内で行うぎょうと外のげんに出向いて行うぎょうの2つに分けられます。室内でぎょうをする場合は、工事のないようするための書類である「ほうしょ」を作成したり、会議を行ったりしています。会議では、ガイドウェイ、きょうりょう、トンネルのチーム全員が集まり、それぞれのけん結果を共有し、その結果をもとに、今後のしゅうぜん工事のほうしんやスケジュールなどを話し合って決めています。
外のげんに出向くのは、けんぞうぶつけんしゅうぜん工事を行うときです。自分たちの目で見て、けんぞうぶつへんじょうがないかをかくにんする「もくけん」のほか、コンクリートをけんするときには、ハンマーのような道具を使ってコンコンとコンクリートをたたき、音のちがいでへんじょうを見つける「おんけん」というけんも取り入れています。ちょうでんどうリニアのガイドウェイは、しんかんせんざいらいせんが走るきんぞくのレールとはちがい、大部分がコンクリートでつくられているため、けんじゅんや見るポイントも、しんかんせんざいらいせんとは全くちがいます。
じっさいけんや工事の作業は外部のこう業者に発注して行ってもらっているのですが、最終的なせきにんわたしたちの会社にあるため、わたしたちもけんや工事のげんに立ち会います。げんでのわたしやくわりは、ほうしょした通りに作業が行われているかや、工事スケジュールにおくれが発生していないか、作業が安全に行われているかなどをかくにんすることです。土木分野のしきをしっかり持っていないと、せきにんを持ってけんや工事かんりょうの最終はんだんを行えないため、日々の勉強が欠かせません。
わたしは入社2年目で、今のしょくはいぞくされて約1年ったところです。まだまだけいけんが浅いこともあり、せんぱいに教えてもらいながら、いろいろなしきを学んでいる最中です。また、しょうらいてきには「コンクリートしんだん」や「じゅつ」といったかくを取る必要もあるので、仕事以外の時間にもできるだけ勉強しています。一方で、げんでのけいけんや勉強を重ねるにつれて、自分でもはんだんできる場面がえていくため、日々、自分の成長を感じられることは、この仕事のりょくの一つです。

そくきん時間にも、季節や天候にも負けない体力が必要

不規則な勤務時間にも、季節や天候にも負けない体力が必要

ところでみなさんは、鉄道せつけんをしている場面を見たことがありますか?もしかしたら、見たことがない人もいるかもしれません。日中は線路の上を電車が走っていたり、多くの人が駅を利用したりしているため、みんながている夜の間に作業をするケースが多いんです。わたしの場合も同じで、朝から夕方まではガイドウェイの上をリニア車両が定期的に走っているため、長い時間を要する大きなけんや工事は夜の間に行っています。
夜間のきんと日中のきんじることもあり、生活リズムを整えるのに苦労することもあります。また、季節や天候に関係なく、外での作業に行かなければなりません。げんではケガをふせぐため、あつぼうふくを着て、ヘルメットをかぶる必要があるため、夏場は特に大変です。自分はもちろん、作業する人たち全員がねっちゅうしょうにならないよう、細心の注意をはらっています。ぎゃくに冬場には、雪が30センチ以上積もった中で作業をすることもあります。わたしは北海道出身のため、寒さや雪にはれっこですが、れていない社員や作業員さんの中には、苦労している人もいるかもしれません。
こうした中で仕事を続けていくためには、健康でいることが何よりも大切です。しっかりとて、ときには思いきり遊んで気持ちをリフレッシュしながら、体調管理には人一倍気をつけて、これからもがんっていきたいと思っています。

世界初のプロジェクトにたずさわっていることが大きなモチベーションに

世界初のプロジェクトに携わっていることが大きなモチベーションに

体力的に大変なところはありますが、リニア中央しんかんせんという世界初のプロジェクトにたずさわれていることは大きなモチベーションになっています。山梨リニア実験線の管理が主な仕事ではありますが、リニア中央しんかんせんの開業後にじっさいどうにゅうするせつについてのじっしょう試験を行うさいに、土木の立場から協力することもあります。じっさいわたしも昨年(2022年)、ぼうおんへきせつ改良プロジェクトにたずさわり、実用化に向けての課題をめいかくにできたことがありました。自分がたずさわった実験結果が、じっさいに開業した後のせつにも生かされるかと思うと、とてもうれしかったことを覚えています。
日々の仕事の中でやりがいを感じることもあります。たとえば、山梨リニア実験線内で使用しているかぎについて、場所によってじょうに多くの時間を要することがありました。そこで、わたし自身で予算やゆうせん順位などもこうりょしつつ、じょう方法を見直しました。それがぎょうこうりつにつながったということで、社内のひょうしょうせいしょうに選ばれたんです。自分で課題を見つけ、かいぜんに取り組んだ結果がみとめられたことはもちろん、土木分野以外で働く人たちからも「ありがとう、便利になったよ」と声をかけてもらえたことが何よりもうれしかったです。今後も社員のみなさんの役に立つことを見つけていこうと思うきっかけになりました。

すいそうがくを通して身につけたきょう調ちょうせいが、今の仕事に生かされている

吹奏楽を通して身につけた協調性が、今の仕事に生かされている

土木の仕事は一人ではなく、たくさんの人と協力して行う仕事です。協力会社の作業員の方にを出して、作業を行ってもらうことも多いので、みなさんに気持ちよく仕事をしてもらえるよう、あいさつをしっかりしたり、あいない話をしたりしながら、楽しいげんになるよう心がけています。すぐにだれとでも仲良くなれるのがわたしの長所なので、コミュニケーションについて苦労することはほとんどありません。
そんなわたしですが、実は子どものころは人見知りでした。今のように初対面の人とのコミュニケーションにもおくすることなく、多くの人と協力しながら仕事を進めていけるのは、小学校5年生から大学院を卒業するまで続けていたすいそうがくのおかげだと思っています。すいそうがくは、大人数でいっだんけつして、一つの音楽をつくり上げていくものなので、きょう調ちょうせいが何よりも大事です。今の仕事も、自分のつくりたいものをしっかりと相手に伝え、相手の意見もそんちょうしながら、たくさんの人と協力して大きなこうぞうぶつをつくり上げていきます。きょう調ちょうせいを身につけられたという点で、すいそうがくいっしょうけんめい取り組んだけいけんは、わたしざいさんと言えると思います。

日本のだいどうみゃくささえる仕事にりょくを感じ、入社を決意

日本の大動脈を支える仕事に魅力を感じ、入社を決意

今はすっかり土木のりょくにはまっているわたしですが、子どものころはゲームせいさくしゃになりたいと思っていました。中学校を卒業した後に工業高等せんもん学校に入学したのも、ゲームせいさくについて学びたかったから、というのがきっかけでした。でも、じっさいに入学してみたら、多くの人の生活ばんささえている土木のおもしろさに気づき、どんどん勉強しているうちに、大学院まで行ってしまいました。
土木分野のりょくに気づいて以来、しょうらいも土木業界で働きたいとは考えていたものの、具体的にどんな会社にしゅうしょくしたいのかは決まっていませんでした。そんなとき、大学にJR東海の社員が説明に来てくれて、話を聞く機会がありました。JR東海は、日本の交通のだいどうみゃくである東海道しんかんせんうんえいしています。そのしんかんせんを、土木分野のじゅつしゃとしてえんしたからささえられる仕事にとてもきょうを持ち、より多くの人々の生活を守りたい、生活をゆたかにしたいという思いから、JR東海にしゅうしょくすることに決めました。
しゅうしょく後はリニアプロジェクトにはいぞくされ、開業前のげんざいはまだ多くの人々の生活をささえているという実感がないというのが実のところです。ですが、今の取り組みがしょうらいてきには多くの人の生活のゆたかさにつながると思うと、むねが高まります。しょうらい、みなさんにちょうでんどうリニアに乗っていただいたとしても、時速500キロメートルのものすごいスピードで走るため、ぼうおんへきやトンネル、きょうりょうなどの土木せつをじっくりと見ることはできないかもしれませんが、「ちょうでんどうリニアが走っているのは、土木分野のじゅつと人がささえているからなんだ」と、少しでもそうぞうしてもらえたらうれしいです。

やりたいことがわからなくてもあせらずに

やりたいことがわからなくても焦らずに

わたしは大学院を卒業する直前まで、自分が何をやりたいのかわかりませんでした。ですからみなさんも、やりたいことがわからなくてもあせらず、自分が楽しいと思う分野や自分がとくだと思う分野を見つけて、すすんでみてほしいです。それが結果としてしょうらいの仕事につながらなくても、何かに全力で取り組み、努力したけいけんは決してにはならないはずです。
そのうえで、みなさんの中に、土木分野にきょうを持ってくれる人が少しでもえたらうれしいです。特に、土木分野で働くじょせいはまだまだ少ないげんじょうがあります。実は、山梨実験センターの土木分野にじょせいが入ったのも、わたしが初めてでした。体力的にもきんりょく的にも、だんせいにかなわないこともありますが、じょせいだからこそ気づけるてんもあるはずです。ちょうでんどうリニアにかぎらず、土木分野全体でもっとじょせいかつやくの場を広げていきたいと思っていますし、わたし自身もじょせいがより働きやすいかんきょうを目指して、日々、ていあんかいぜんに取り組んでいるところです。しょうらいいっしょに土木分野をげていってくれる仲間を心からお待ちしています。

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学生時代、就職する前にビジネスのコツを知りたいと思って読み、仕事をするうえでの思考を変えるきっかけになりました。「人はルールがあるからこそ、自由に動くことができる」、「仕事には感情を持ち出さず、『仮面』をつけて振る舞うほうが円滑に進む場合もある」ということを学ばせてくれた一冊です。

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