
唐辛子の「焙煎」「粉砕」をする

私は「有限会社 八幡屋礒五郎」という会社で,工場全体の運営責任者である工場長を務めています。日によって仕事の内容は異なりますが,今日は,七味唐辛子の素材の一つである「一味唐辛子」の製造補助,別工場への製品の輸送,業務評価についての従業員との個人面談などを行いました。
一味唐辛子の製造には「焙煎」作業と「粉砕」作業があります。一日に唐辛子900Kgを焙煎・粉砕し,完成した製品は包装を行う別工場へ送ります。従業員が集中力と体力を保てるように,お昼の休憩以外に午前と午後にそれぞれ一回ずつ,20分間の休憩をとっています。仕事は基本的には午前8時30分から17時までですが,農業から製造まで,幅広い業務がありますので,早朝から働くことや残業することもあります。
伝統的なレシピを受け継ぎ,香りを大切にした七味
七味を作るときは,まず香り,味,色などを大切にしています。原料を乾燥機にかけるときも,素材本来の香りに近い仕上がりになるように工夫していて,香りを楽しんでもらえる七味に仕上げています。また,特にそばやうどんにかけた時に味が引き立つような風味になっています。そのために,創業当時からのレシピを受け継いでいます。
私たちは商品の安全性に気を配りながら,お客さまの喜ぶ笑顔のために,一つひとつの商品を一生懸命に,丁寧に作っています。私たち長野県民にとって,料理をさらにおいしくする七味は,なくてはならないものです。より多くの人に食べてもらえるように,今後も努力していきたいです。
七味へのこだわり

八幡屋礒五郎の七味へのこだわりは,2つあります。
1つ目は,原料の品質です。おいしい七味を作るには,まず良い原料を選ぶことが大切です。いろいろな原料を試して,質の良いものだけを使用するようにしています。また,原料の加工にもこだわりがあります。例えば唐辛子を焙煎する際,香ばしくするために少し「こげ」を付けたい場合があるのですが,この「こげ」の加減が難しいのです。機械に任せていればちょうどよい「こげ」を付けてくれるというわけではありません。機械を微妙に調整して,ちょうどよい「こげ」を付けるのですが,難しい作業です。
2つ目は,商品のパッケージです。社内には3人のデザイナーがおり,オリジナルデザインのパッケージを作っています。お客さまに商品を手に取ってもらえるように,見た目の部分にもこだわって,いろいろな工夫を重ねています。特別なデザインの期間限定品なども製造しているんですよ。こうしたこだわりのパッケージが生きるよう,直営店で商品を並べる際には,きれいに配置するように気を付けています。