仕事人

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神奈川県に関連のある仕事人
1984年 生まれ 出身地 神奈川県
亜耶あや
子供の頃の夢: 看護師
クラブ活動(中学校): 美術部
仕事内容
にんじゃショーやにんじゃ体験コーナーで、お客さまを楽しくおもてなしする。
自己紹介
楽しく生きるのが人生の目的。かんげきとお城めぐりがしゅです。休日はと日本ようの習い事や小旅行をします。友達と食事に行くのも大切な時間です。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2024年10月04日)時点のものです

にんじゃとしてお客さまをおもてなしするやくわり

忍者としてお客さまをおもてなしする役割

わたしは今、かんとして働きながら、わら市の観光協会がうんえいしているふうにんじゃアクションしゅうだんそうしゅうらっしゅう ふう」の一員として活動しています。「ふう」のやくわりは小田原にいらっしゃった観光客の方々に「ふうにんじゃ」のそんざいを知っていただくこと、またアクションなどを通して楽しんでいただくことです。
戦国時代、関東一円はわらじょうほんきょとするほうじょう氏に広くはいされていました。このわらじょうの5人のれきだい当主は「ほうじょう五代」というのですが、5代にわたりほうじょう家に使えたにんじゃが「ふうにんじゃ」です。そのとうりょうは、代々「ふうろう」と名乗りました。
わたしたち「ふう」にはげんざいようえんいくえんから11さいまでが11人、12さい以上が16人しょぞくしていて、主な活動としては、げんざいは月に3回、わらじょうほんまる広場で「おもてなしにんじゃ」というイベントを行っています。観光客の方たちに向けたこのイベントでは、子どもたちに刀を持ってもらったり、の体験をしてもらったり、10〜15分ほどのわたしたちのショーを見ていただいたりしています。すんげき仕立てで、ふうにんじゃとはどういうものなのか、どんなわざを使っていたのかというのをじっさいにアクションでお見せしながら、みなさまに知っていただくショーです。ショーでは刀だけでなく、「くない」やかましゅけんといった、にんじゃならではのも使ってアクションを行います。

市内や他県のイベントに参加するほか、SNSでのPR活動も

市内や他県のイベントに参加するほか、SNSでのPR活動も

「おもてなしにんじゃ」以外にも、小田原市内のさまざまなお祭りやイベントに参加します。例えば、小田原市最大のイベントである「小田原ほうじょう五代祭り」ではパレードに参加し、沿えんどうでパフォーマンスを行います。また、先日は日本ざいじゅうの海外の方が参加するスピーチコンテスト「外国人による日本語べんろん大会」のゲストとして参加し、ショーをろうしました。
屋外でのイベントがしやすい春と秋、また「2」がつくことから「にんじゃ月間」となっている2月は活動が多く、いそがしいことが多いです。年に5、6回は日本の各地で行われる「時代祭」や、お城関連のイベントなどにもゲスト参加します。ショーの練習は月に3回ほどで、だいたい2、3時間かけて行います。「ふう」について発信しているSNSのとう稿こうなどもメンバーが行っていて、とう稿こうないようをそれぞれが考え、活動をPRしています。

ショーのせつえいも自分たちで。にんじゃは体力勝負

ショーの設営も自分たちで。忍者は体力勝負

お客さまにアクションをお見せするためには、体をきたえなくてはいけません。ショーが多い日は次の日にきんにくつうになることもありますが、お客さまによろこんでいただけた、がんったしょうだなと実感できるしゅんかんでもあります。
ショーを行うときは、たいせつえいから自分たちで行います。そのためのざいを運ばなくてはいけないので、どうしても力仕事は多くなります。また、にんじゃしょうは黒ずくめなので、暑い時期に屋外で行うショーは暑くて大変、ということもあります。また、お客さまに楽しんでいただくことはもちろん大切なのですが、わたしたちもお客さまも「ケガをしないこと」が重要です。体験の中では、用のぞうとうを使うものなどがあるので、顔などに当たるとケガをしてしまうこともあります。安全に楽しんでいただけるよう、注意しています。

お客さまとのふれあいと、せいえんはげみに

お客さまとのふれあいと、声援が励みに

お客さまとせっする中で、よろこんでいただけたり、声をかけていただいたりするととてもうれしいですし、やりがいを感じます。特に海外のお客さまは、まず「にんじゃが目の前にいる」ということによろこんでくださる方が多いです。この仕事をしていて実感しているのは、「にんじゃ」というものの世界的なにんの高さです。海外の方もえいやアニメ、まんなどのエンターテインメントコンテンツを通してにんじゃをごぞんじの方が多いようです。日本人でも海外の方でも、わたしたちの姿すがたを見て「これって何?」とおっしゃることはまずなく、みなさん「にんじゃだ!」とはんのうしてくださいます。
SNSやWEBでしゅつえんこくを行うと、東京やよこはまあたりなど遠くからわざわざ小田原まで来てくださる方や、何回も足を運んでくださる方がいたりして、わたしたちのそんざいがだんだんとしんとうしているのを実感しています。

にんじゃだけではなくふうにんじゃを知ってほしい

忍者だけではなく風魔忍者を知ってほしい

活動を続けてきた中で今、課題として感じているのは、ふうにんじゃの知名度が高くないことです。そのため、ふうにんじゃについてもっと知っていただきたいと感じています。
むろまち時代から時代にかけて大名やりょうしゅに仕え、にんじゅつを使ってさまざまな活動を行っていたといわれるにんじゃですが、三重県の「にんじゃ」、滋賀県の「こうにんじゃ」など日本にはいくつものにんじゃしゅうそんざいしました。実は同じ「にんじゃ」でも、それぞれ成り立ちや活動の仕方、ほうしんことなります。にんじゃというそんざいの知名度はとても高いのですが、それぞれのにんじゃしゅうちがい、特色までは知っていただけていないのがげんじょうです。特ににんじゃこうにんじゃなどほかのいきにんじゃしゅうほうしゅうなどによりさまざまな人間に仕えていたのに対し、ふうにんじゃほうじょう氏だけに仕えていた、という大きなとくちょうがあります。わたしふうにんじゃのその信念が好きです。また、にんじゃこうにんじゃくらべてふうにんじゃは知名度が低いというげんじつもありますので、地元の人間として、わたしたちの活動を通して「ふうにんじゃがどういうそんざいだったか、じっさいにんじゃはどういうものだったか」をぜひ知っていただきたいなと思っています。

しゅで習い出したがきっかけに

趣味で習い出した殺陣がきっかけに

たい作品を見るのがずっと好きで、げきじょう教室のチラシを目にしたことがを習い始めたきっかけです。かんとして働く中で「何かしゅしいな、新しいことをやりたいな」と思っていたときでもありました。そのチラシをきっかけに「を習えるんだ!」と知り、たまたま見つけた近くの教室に入会しました。それが10年ほど前の話なのですが、を習い続けるうちにだんだんと教室の仲間がえ、自分たちでチームを作ってイベントなどに参加するようになりました。そんな中で、小田原市観光協会の方から観光PRのためのにんじゃしゅうだんそうせつするとお知らせいただき、「ぜひやりたい!」と思いオーディションを受けました。そして2021年から「ふう」として活動しています。
しゅで習っていたがこうやって「仕事」になるとは、習い始めたころはそうぞうもしていませんでした。お客さまの前でクオリティの高いショーをお見せしたいと思い、数年前からは日本ようも習い始めました。わたし自身はこうしたけいで参加しましたが、ほかのメンバーはもともとどうを習っていた方や、「小田原市の観光にこうけんしたい」という思いでおうした方など、おう動機はさまざまです。

高校時代の部活が自分を変えるきっかけに

高校時代の部活が自分を変えるきっかけに

実は、子どものころから運動はずっと苦手でした。中学校の体育のせいせきは5だんかいの「2」。そんな自分を変えたいと思い、高校では何か体を動かせる部活に入ろうと考えて、マーチングバンド部に入部しました。全国大会に出場するようなきょうごうこうだったのですが、わたし自身は楽器もえんそうしたことがない初心者からのスタートだったので、部活動はとても大変でした。楽器の練習はもちろんですが、マーチングバンド部なので体力も必要で、何kmものランニングを毎日行うような日々でした。一つの目標に向かってがんる、みんなで一つのものを作り上げるというようなよろこびは、部活動を通して知ったような気がします。また、毎日、部活動でいっしょうけんめい体を動かしていく中で、だんだんと運動が好きになっていきました。わたしにとってはわすれられない体験であり、卒業後もかんとしてマーチングバンド部のえんせいに同行するといった形で関わってはいました。けれども、社会人として生活する中で、ふと「今の自分は、あのときほどがんってはいないかもな」と思うことがあり、「また何かをがんってみたい」という思いが教室に通うきっかけにもなりました。

一度しかない人生、やりたいことにぜひちょうせん

一度しかない人生、やりたいことにぜひ挑戦を

今これを読んでいるみなさんにお伝えしたいのは、やりたいと思ったことには、とりあえずちょうせんしてみてほしい、ということです。ちょうせんした後でちがうものにきょうを持ち、結果的にちがう道に進んでもいいと思います。わたし自身はしゅが仕事につながる結果になりましたが、別に仕事につながらなくてもいいと思います。でも、人生は1回きりです。とりあえず、やりたいと思ったことは何でもやってみて、人生を楽しみましょう。そのほうがとくかな、とわたしは思っています。

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私のおすすめ本

富樫倫太郎
富樫倫太郎さんの北条関係の本は、夢がありキラキラしているところが好きで網羅しています。人物の描き方が鮮明で、感情や思考の表現が現代人にも読みやすく受け入れやすいのではないかと思います。北条ものの入り口としてお薦めしたい本です。
堂本 光一
殺陣を始めて初舞台に出たころに買った本です。単純に堂本光一ファンとして買った本ですが、今は読み返すと参考書のようにも感じます。プレイヤーとして、また集団の中で先輩としてのあり方を見つめ直すときに、読み返す本です。

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取材・原稿作成:川口 有紀(フリート)・東京書籍株式会社/協力:横浜銀行