• 東京都に関連のある仕事人
  • 1972年 生まれ

    出身地 長野県

カーデザイナー

やまざきやまざき たかゆきたかゆき

  • 子供の頃の夢

    ドリフターズ

  • クラブ活動(中学校)

    陸上部

  • 【このページに書いてある内容は取材日(2016年04月22日)時点のものです】

やまざき たかゆき


仕事人記事

さまざまなモノをデザインする

さまざまなモノをデザインする

わたしは車,バイクや工業製品こうぎょうせいひんのデザイン(インダストリアルデザイン)など,さまざまなモノをデザインしています。4しゃ仕事しごと並行へいこうすすんでいて,平日へいじつ午前中ごぜんちゅう基本的きほんてきにはそれぞれの会社かいしゃの人にって,はないをしています。「なぜわたしたのんでくれたのですか?」「どんなものが欲しいですか?」「だれのどのような課題かだい解決かいけつする製品せいひんにしたいですか?」など,なるべく色々いろいろはなしいて,そのすべてをデザインにかし,提案ていあんします。「デザインをする」というと,ペンをってかみなにかを作業さぎょう中心ちゅうしんおもわれるかもしれませんが,じつはそれだけではありません。たくさんの人とってはなしをすることのほうが,むしろおおいですね。8わりが人とのコミュニケーション,2わり作業さぎょうという具合ぐあいです。どれだけたくさんコミュニケーションしたかで,出来上できあがるモノのしつも大きくわってくるので,とにかくおきゃくさんとは綿密めんみつなコミュニケーションをとるようにしています。

「ありそうでなかったモノ」をデザインする

「ありそうでなかったモノ」をデザインする

今担当いまたんとうしている仕事しごとの一つに,「車のリノベーション」があります。「リノベーション」はふる建物たてもの外壁がいへき内装ないそう綺麗きれいにしたり,現代げんだい生活せいかつうようにつくえたりして,建物たてもの大切たいせつなが使つかえるようにすることをいます。建物たてものだけでなく,わたしは車にもリノベーションの発想はっそうり入れて,ふるくても素晴すばらしい車を,現代げんだいらしや人々ひとびと価値観かちかんうようにデザインする仕事しごとを,この1年かけてしました。そして,新車しんしゃではえない価値かちをおきゃくさんに提供ていきょうしました。
カーデザイナーは,調理人ちょうりにんているとおもうことがあります。おきゃくさん(企業きぎょうの人)に中華ちゅうか和食わしょく,フレンチ,などべたい料理りょうりの大まかな要望ようぼうしめしてもらい,それにわせてどのような料理りょうりいか提案ていあんし,調理ちょうりするのが調理人ちょうりにん(デザイナー)の仕事しごとです。中華ちゅうかとフレンチをぜたような,いままでまったかったようなものをもとめられることもありますが,そうではなくいまあるものをわせたり,すこし手をくわえたりして,「ありそうでなかったモノ」をデザインすることもデザイナーの仕事しごとです。いままでまったいものだとあまり欲しいとおもってもらえないこともあるのですが,「ありそうでなかったモノ」だと,たくさんの人が欲しいとかんじてもらえるのです。

デザインのヒントはまわりにたくさんある

デザインのヒントは<ruby><rb>周</rb><rp>(</rp><rt>まわ</rt><rp>)</rp></ruby>りにたくさんある

モノをデザインすることは,それを使つかう人の人生のすこし先をらしてあげることであるとおもいます。以前勤いぜんつとめていた本田技術研究所ほんだぎじゅつけんきゅうしょ(ホンダ)で,“ZOOMER”というバイクをデザインしました。仕事しごとおそくなる原宿はらじゅく美容師びようしさんたちが,仕事しごとえて夜遅よるおそいえかえるときにって欲しい。そして通勤つうきんして美容室びようしつまえいてあって格好良かっこよいし,スケボーにるような感覚かんかく手軽てがるれるバイクがあればいとおもっていました。美容師びようしさんの仕事しごとらしを想像そうぞうしながら,かれら・彼女かのじょらのいま生活せいかつ一歩先いっぽさきくらいを見せてあげたい。そして,美容師びようしさんだけでなく,都会とかいの人たちみんなが絶対ぜったいに欲しがるものをつくりたいという気持きもちをめてデザインしたところ,“ZOOMER”は大人気になりました。
わたし普段ふだんから,人々ひとびと行動こうどうものまわりにあるモノを,「ここをもっとくしたら,より体験たいけんができるのではないか」「ここにはこんな人たちがいて,こんなことでこまっているのではないか」など,あれこれかんがえ,興味きょうみってながめています。目に見えているものはすべてデザインされているわけですから,それらをつねに見て,ふかかんがえることで,デザインの「き出し」をやすことができるのです。

自分じぶんおもえがいたものまちはしよろこ

<ruby><rb>自分</rb><rp>(</rp><rt>じぶん</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>思</rb><rp>(</rp><rt>おも</rt><rp>)</rp></ruby>い<ruby><rb>描</rb><rp>(</rp><rt>えが</rt><rp>)</rp></ruby>いた<ruby><rb>乗</rb><rp>(</rp><rt>の</rt><rp>)</rp></ruby>り<ruby><rb>物</rb><rp>(</rp><rt>もの</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>街</rb><rp>(</rp><rt>まち</rt><rp>)</rp></ruby>を<ruby><rb>走</rb><rp>(</rp><rt>はし</rt><rp>)</rp></ruby>る<ruby><rb>喜</rb><rp>(</rp><rt>よろこ</rt><rp>)</rp></ruby>び

カーデザイナーにとって,くことがゴールではありません。くことは「中間地点ちゅうかんちてん」で,えがいたものが実際じっさいはしったり,人々ひとびとの手にわたったりして,はじめてゴールとなります。仕事しごとではたくさんの人とかかわります。デザインをモデル(立体的りったいてきなもの)にする人,かたつくる人,けずる人,塗装とそうする人などです。自分じぶんのアイディアが,製品せいひんとなってたくさんの人の手にとどき,その人達ひとたち笑顔えがおにできたとき,その過程かていかかわる人がほこりをってモノづくりに参加さんかしてくれていたとき,一番いちばんよろこびをかんじます。そして,学生時代がくせいじだい仲間なかまたちが自動車じどうしゃメーカーにデザイナーとしてつとめていますので,友人ゆうじんがデザインした車をまちで見ることもあり,それもまたうれしいことです。

デザインにわりは

デザインに<ruby><rb>終</rb><rp>(</rp><rt>お</rt><rp>)</rp></ruby>わりは<ruby><rb>無</rb><rp>(</rp><rt>な</rt><rp>)</rp></ruby>い

デザインにはこたええがく,テストのように点数てんすうがつくこともありません。おきゃくさんからあたえられたりや約束やくそくまもることが中心ちゅうしんです。ですから,自分じぶん時間じかん使つかかたがとても大切たいせつになります。アイディアがでない,気分きぶんらずけない,と調子ちょうしわるいときも当然とうぜんあります。反対はんたいに,ようかなとおもった瞬間しゅんかんにふとあんがひらめいて,一気にき上げてしまうこともあります。自分じぶん状態じょうたいつねい,りのことをかんがえつつ作業さぎょうすすめることが必要ひつようです。こういうらしをしていると,1日が24時間じかんという感覚かんかくくなってきて,仕事しごとのリズムにわせてらしがすすむようにかんじます。しかし,苦労くろうとはおもいません。おきゃくさんの笑顔えがお満足まんぞくする姿すがたが見たいから,頑張がんばることができます。その頑張がんばりは健康けんこうからだささえてくれますから,体調管理たいちょうかんりには十分気じゅうぶんきをつけています。病気びょうきになってしまうとすべてがまってしまいますから,暴飲暴食ぼういんぼうしょくはしない,休むときはしっかり休むなどといったことに気をつけています。

完璧かんぺきにしない」という発想はっそう

「<ruby><rb>完璧</rb><rp>(</rp><rt>かんぺき</rt><rp>)</rp></ruby>にしない」という<ruby><rb>発想</rb><rp>(</rp><rt>はっそう</rt><rp>)</rp></ruby>

わたしは,「ざんのデザイン」をこころがけています。なにかをぎ足し,み上げていくようなデザインは簡単かんたんですが,そのぎゃくなにかをぎ落としながらデザインすることはむずかしく,デザイナーとしての力量りきりょうが試されているとかんじます。そしてわたしの「ざんのデザイン」は,使つかう人が愛着あいちゃくってもらうためのデザインだとえます。つまり,最終的さいしゅうてきには使つかう人が自分じぶんこのみに仕上しあげられる余地よちのこしておくのです。みなさんもなにかにステッカーをったり,自分じぶんなにかを加工かこうしたり,改造かいぞうしたものを大切たいせつかんじるということはありませんか?使つかう人がそういう気持きもちになり,愛着あいちゃくってそのモノを大切たいせつにして,ってかったとおもってもらえるモノをデザインしたいと日々考ひびかんがえています。
同時どうじに,ひとりよがりのデザインにしてはいけません。おきゃくさんやそのモノを実際じっさい使つかう人,つくる人,いろいろな人との関係かんけいの中で生まれるデザインですから,かかわる人みんなが笑顔えがおになるデザインを目指めざしているのです。

人をよろこばせることがむかしからきだった

人を<ruby><rb>喜</rb><rp>(</rp><rt>よろこ</rt><rp>)</rp></ruby>ばせることが<ruby><rb>昔</rb><rp>(</rp><rt>むかし</rt><rp>)</rp></ruby>から<ruby><rb>好</rb><rp>(</rp><rt>す</rt><rp>)</rp></ruby>きだった

小学生のころ,内気うちき人前ひとまえに出るのが苦手にがてでした。しかし,あるときつぶやいた一言ひとことで,みんなを大笑おおわらいさせることができました。それをきっかけに,みんなのまえ面白おもしろいことをする子どもになりました。いえでは漫画まんが真似まねをしていたり,モノをつくったり,図画工作ずがこうさくをバランスよくたのしんでいました。中学校に入るとバンド活動かつどうをするようになり,ミュージシャンになりたいともおもっていました。高校卒業後こうこうそつぎょうご一旦地元いったんじもとのピザさんに就職しゅうしょくしました。仕事しごとたのしくやりがいもあったのですが,「もっとたくさんの人の笑顔えがおが見たい」「たくさんの人をよろこばせたい」という気持きもちが大きくなりました。ものとくに車やバイクがきだったこともあり,「車とかかわる仕事しごとの中で一番狭いちばんせまもん仕事しごとをしよう」と,ホンダのカーデザイナーを目指めざすことにしました。
カーデザイナーになるためには当時とうじ専門学校せんもんがっこうに入り,自動車会社じどうしゃかいしゃ一緒いっしょおこなう「実習じっしゅう」をて,企業きぎょうのカーデザイナーになるのが一般的いっぱんてきで,わたしもそのながれにってホンダに就職しゅうしょくしました。お金を出して欲しいものを手に入れるのではなく,欲しいものを自分じぶんつくれる仕事しごとがしたいとおもっていたこともあり,カーデザイナーという仕事しごとはまさに理想りそう仕事しごとだとすぐにかんじました。

ゆめ希望きぼうは,ねがえば絶対叶ぜったいかな

<ruby><rb>夢</rb><rp>(</rp><rt>ゆめ</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>希望</rb><rp>(</rp><rt>きぼう</rt><rp>)</rp></ruby>は,<ruby><rb>願</rb><rp>(</rp><rt>ねが</rt><rp>)</rp></ruby>えば<ruby><rb>絶対叶</rb><rp>(</rp><rt>ぜったいかな</rt><rp>)</rp></ruby>う

自分じぶんがやりたいとおもったこと,実現じつげんしたいゆめ希望きぼうは,ねがっていればかならかなえられます。とにかくねがつづけましょう。わたし将来しょうらいのことであれこれなやんでいましたが,むかし自分じぶんこえをかけられるとすれば「なやむことはないよ!そのゆめ実現じつげんしているよ!」とはげましてあげたいですね。
また,人とちがうことでなやんでしまうこともあるかもしれません。そういうときは,「自分じぶんらしさ」を大切たいせつに,それを理解りかいけ入れてくれる人を見つけてください。そのためにはまず,みなさん自身じしん相手あいての「その人らしさ」をけ入れて,「あなたはあなただから素敵すてきなんだ!」とって応援おうえんしてあげられる人になってほしいなとおもいます。

  • 取材・原稿作成:東京書籍株式会社

私のおすすめ本

  • 問題解決ラボ

    佐藤オオキ

    デザインがとても身近に感じる一冊。デザインってどうやって生まれるかその発想のヒントがたくさん出ています。