仕事人

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岐阜県に関連のある仕事人
1968年 生まれ 出身地 岐阜県
すぎやますぎやま えみこえみこ
子供の頃の夢: イラストレーター
クラブ活動(中学校): バドミントン部
仕事内容
本やざっなどにせるイラストやマンガをく。
自己紹介
新しいものが大好きで,はやっていることや自分の知らないことにはとてもきょうがあります。そのため,休日はえいやテレビを見たり,たい,ライブ,じゅつかんなどに行くことが多いです。いろいろなものにアンテナをって,イラストのアイディアにも生かしています。

※このページに書いてある内容は取材日(2018年09月06日)時点のものです

イラストでないようを分かりやすく伝える

イラストで内容を分かりやすく伝える

わたしは,イラストレーターをしています。本やざっ,パンフレット,広告などにせるイラストをくのがわたしの仕事です。本やざっを発行するしゅっぱんしゃや,広告やパンフレットをつくる広告代理店,デザイナーなどかららいを受けて,イラストをせいさくします。
イラストの多くは,さしとして,文章だけでは伝えるのがむずかしいないようを分かりやすく伝えたり,イラストがえられている文章へのきょうを引いたりするやくわりをします。そのため,イラストをくときには,文章を書くライターといっしょないようを分かりやすく伝えられるような方法を話し合いながら,どこにどんなイラストが必要かを決めていくことが多いです。
また,伝えたいないようをマンガにすることもあります。取材に行ってそこで見たことや感じたことをマンガにしてレポートしたり,ある人のけいけんだんなどを聞いて,それをストーリーにしてマンガをいたりしています。マンガを読んだ人が,その場所のふんや話の細かな部分まで感じられるようにくことを心がけています。

らいしゃの希望に合ったイラストを

依頼者の希望に合ったイラストを描く

イラストのらいを受けたら,まずらいしゃがどんなイラストをイメージしているのか,希望を聞いて絵のタッチやこうを決めていきます。ひょうげんしたいもののアイディアがまとまったら,“ラフ”とばれるかんたんなイラストをきます。いたラフをらいした人に見せて,イメージに合っているかをかくにんし,「もっとこうしてほしい」という要望を聞きながら,イラストをしゅうせいしていきます。イラストは,自分のきたいと思うものやせいひょうげんすることも必要ですが,らいした人がおもえがくイメージにピッタリと合ったイラストにしていくことが,最も大切です。しゅうせいかえして,じっさいせるイラストの案が決まったら,色をつけて,でき上がったイラストをとどけます。
イラストをせるものがざっやパンフレットだと,そのざっやパンフレットの発行予定日に合わせてりが決められていて,り前はとてもいそがしくなります。イラストの点数が多いしょせきの場合は,何か月もの時間をかけてたくさんのイラストをくこともあります。
イラストをくときは,タッチペンという,ペンの形をしたマウスを使っています。タブレットの上にタッチペンでイラストをいていくと,いたものがそのままパソコンの画面にうつされます。デジタル化が進んだため,今はすべてのイラストをパソコンでき,でき上がったものはデータとして,メールで送っています。

一番の苦労は,アイディアを生み出すこと

一番の苦労は,アイディアを生み出すこと

イラストをくときは,最初にイメージをふくらませてアイディアを考えるだんかいに,いちばん時間がかかります。特に,登場人物などの配置を決めるこうは,イメージの伝わり方が決まる重要なものです。タイトルなどの文字が入る位置や,全体のバランスなどにはいりょして,登場人物のだれを中心にするか,その周りに何を置くと分かりやすいかなどを決めていきます。マンガの場合は,ほねみとなるストーリーをどうてんかいさせていくかを考えます。
こうやストーリーが決まるまでは,真っ白な紙の前でずっとなやんだり,ご飯を食べるときやおに入っているときなど,何をしていてもアイディアを考えていたりします。急にひらめくこともあるので,アイディアがかんだときには,すぐその場でメモを取るようにしています。ものをつくり出す人はだれでもそうだと思いますが,ゼロからアイディアを生み出すまでが,一番苦労する時間です。
しかしそうしてなやんだ分,自分のイメージとこうがピッタリいっすると,いきおいがついてその後の作業はとてもスムーズに進みます。気持ちがのってくると,時には食事もとらず作業にぼっとうしたり,よるおそくまで仕事を続けることもあります。

「またお願いしたい」と思ってもらえるように

「またお願いしたい」と思ってもらえるように

やはり,自分のいたものが本やざっなどにっているのを見るときには,やりがいを感じます。イラストレーターとして初めてイラストがざっけいさいされたときは,とてもうれしかったのを思い出します。特に,自分でも「よくけた」と思えるものができたときは,何度も見返して喜びをみしめています。
それに加えて,最近では,わたしのイラストを見てくれた人がどう感じたかということも知りたいと思うようになりました。もちろん,自分が手がけた本ができ上がったり,ざっに自分のイラストや名前がるだけでも十分うれしいのですが,そのイラストがどんなふうに見られたのか,読者のはんのうや声を聞けたときは,うれしさがさらにします。そうした読者のはんきょうは,本やざっが売れたさっすうじゅうはん(売れ行きがよく,さらにその本が多く印刷されること)の回数など,目に見える数字として知ることもできます。
読者のはんきょうがいいと,その結果として,一度イラストをらいしてくれた人から「今度も仕事をお願いしたい」と言ってもらったり,イラストを見た人から「ぜひすぎやまさんにいてもらいたい」と新たにらいを受けることもあります。そう思ってもらえることが,いちばんの喜びです。そのためにも,毎回,持てる力をさいだいげんはっして,いいイラストがけるように努めています。

何度でも見返したくなる作品を目指して

何度でも見返したくなる作品を目指して

自分のいたイラストが刷り上がってくると,反省点もたくさんありますが,何度も見返したくなるときがあります。それは,わたしがそのイラストを気に入っているしょうです。りまで何度もアイディアを練って,なっとくできるまで力をくしたイラストは,でき上がった後,何度も見返したくなる作品になります。そのため,イラストをくときには,いつも「自分がもう一回見たくなるものをつくりたい」と思って,仕事に向き合うようにしています。
時々,に自分がいた作品を見ていると,「このときはおもしろい作品をいていたな」と思うことがあります。今の方がけてはいるのですが,昔いたものに「心からきたいと思うものをいている」という楽しさや,エネルギーを感じるときがあるんです。そういう作品を見ているときは,「の自分に負けないように,いいものをかなければ」という気持ちが高まります。せっかく好きなことを仕事にしているのですから,の楽しさが見る人に伝わるような作品をいていきたいと思います。

デザイナーからイラストレーターへ

デザイナーからイラストレーターへ

わたしはデザインを学ぶ高校を出た後,印刷会社にしゅうしょくしました。そこでは,印刷機でげん稿こうを刷るためのはんしたというものをつくっていたのですが,毎日印刷される紙面のデザインを見ているうちに,デザイナーになりたいと思うようになり,ざっせいさくするデザインしょてんしょくしました。ざっの記事をデザインする仕事はとても楽しく,朝からばんまでちゅうになって働いていました。その後,ざっ以外のものをデザインするけいけんを積むため,広告をつくるデザインしょにもてんしょくし,いろいろなデザインを学びました。
しかし,わたしはデザイナーとして働きながらも,ずっと心の中で「いつかはイラストをく仕事をしたい」という気持ちを持ち続けていました。そこで,旅行をしたりえいを見たりした後,そのときの様子や感想をイラストとしてくことにしました。今は,SNSなどインターネットを通じて自分の作品を発信することができますが,そのころはそうした方法がなかったため,いたイラストを積極的にいろいろな人に見てもらうようにしました。すると,それを見た人から「取材したことをイラストにして,レポートしてもらえないか」というらいが来たんです。そこから,イラストの仕事がえていくようになりました。こうしたけいけんから,ゆめを持ったら「やりたい!」と思う気持ちを持ち続けること,そして自分の思いをできるだけ多くの人に伝えることが大切だと感じています。

好きな道へ,なかしてくれた先生たち

好きな道へ,背中を押してくれた先生たち

わたしは子どものころから,絵をくのが大好きでした。先生や家族はいつもわたしの絵をほめてくれました。その中で,何よりうれしかったのは,図工の先生がわたしの絵を見て,「発想がおもしろいね」と言ってくれたことです。わたしは時々,同じテーマをあたえられても他の子とはまったくちがう絵をくことがありました。自分でもそれを見て「わたしの絵はおかしいのかな」と不安になっていましたが,先生に「他とちがっていてもいい」とみとめてもらえたことで,とても自信がついたのを覚えています。
こうしたこともあり,わたしはずっと絵をく仕事にきたいと思っていたのですが,今の道へ進んだきっかけは中学校3年生で進路を決めるときでした。じゅつせいせきがよかったわたしに,先生がデザイン科のある高校をすすめてくれたのです。それまでわたしは,絵をくことをせんもんてきに学べる道があるということをまったく知らなかったので,先生の助言でせんたくが広がり,なかされた気持ちになりました。その後,わたしが進学したデザイン科には,絵がとてもい子や,しょうらいデザインの仕事にきたいという目的を持っている子が集まっていて,多くのげきを受けることができました。わたしの得意なことをおうえんし,ばしてくれた先生たちに,とてもかんしゃしています。

しきよりも熱意をもって

知識よりも熱意をもって

わたしが絵の仕事をしたいと思い,デザイン科のある高校やデザインしょへと進んだように,みなさんもゆめを持ったら,できるだけそのゆめに近い場所にいた方がいいと思います。同じ目標やきょうを持った人が周りにいるかんきょうからは,げきを受けるだけでなく,たくさんのじょうほうも得ることができ,ネットワークも広がっていきます。
絵をくのをしょくぎょうにしたい人に伝えたいのは,自分がきたいものをひょうげんするじゅつは学校やしょくで身に付けることができますが,きたいものを自分の中で生み出すためには,自分からさまざまなことにきょうを持つことが大切だということです。わたしも本を読んでいるうちに,その物語に合ったさしきたくなり,イメージがどんどんふくらむこともあります。本やアニメ,マンガなどちょくせつイラストに関わることだけでなく,えいやスポーツ,周りの人など,多くのことに関心を持ち,たくさんのことを知ることで,自分の中の引き出しをやしてほしいと思います。
今は,インターネットをはじめ,自分の作品を発表する場がたくさんあります。わたしも自分の作品を人に見せたことで,仕事につなげることができました。絵やそうさくを仕事にしたい人がいたら,自分がいたものや,つくったものは,どんどんいろいろな人に見せた方がいいと思います。

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取材・原稿作成:船戸 梨恵(クロスワード)・岐阜新聞社 /協力:株式会社 電算システム