会社名
ゆうげんがいしゃ おおつかちくかんがっき有限会社 大塚竹管楽器
従業員
4名
場所
【ショールーム・工房】東京都足立区入谷7-16-2 [地図]
業種
篠笛製造業

社会との関わり

大おお塚つか竹ちく管かん楽がっ器きでは,“篠しの笛ぶえ”という日本古来の横笛を作っています。お祭りになると,かねや太たい鼓こと一いっ緒しょに「ピーヒャララ」という笛の音がしますよね。あれが篠しの笛ぶえの音です。お祭りだけでなく,民みん謡ようの伴ばん奏そうや歌か舞ぶ伎きなどの舞ぶ台たい音楽にも使われています。

江え戸ど時代の末期に「獅し子し田だ」という篠しの笛ぶえづくりの名人がいました。当社の初代は中村甚じん五ご郎ろうという笛ふえ師しで,大正時代の1924年に獅し子し田だ流篠しの笛ぶえの製せい作さく所しょを起こしました。大おお塚つか竹ちく管かん楽がっ器きはその技ぎ術じゅつを受うけ継ついで,伝でん統とうの音色を今に伝えています。現げん在ざいの社長は四代目にあたり,父でもある三代目とともに篠しの笛ぶえを作り続けています。

篠しの笛ぶえには,吹ふいて出る音の高さで12種類の“調子”があります。笛の長さが長くて一番低い音の出るものが「一本調子」で,あとは二本調子,三本調子と半音ずつ音が高くなっていき,一番高い音が出る短い笛が「十二本調子」です。この中でも多く使われるのは五本調子から七本調子ですが,お祭りごとにおはやしは少しずつ違ちがうので,その地ち域いきごとに,どの調子の篠しの笛ぶえを使うかは決まっています。大おお塚つか竹ちく管かん楽がっ器きでは,篠しの笛ぶえを通じて,日本の伝でん統とうの良いところを伝えていければと考えています。

日本古来のおはやしの音おん程ていに合わせた“古典調”の篠しの笛ぶえ以外にも,最近ではピアノなどの洋楽器と一いっ緒しょに演えん奏そうできる“洋楽調”の,ドレミファの音階に合わせた篠しの笛ぶえも作っています。おはやしや民みん謡ようだけでなく,最近では朗ろう読どくに篠しの笛ぶえを使われる方や,自分のコンサートで篠しの笛ぶえを吹ふくフルート奏そう者しゃの方もいらっしゃいます。新しい場所で篠しの笛ぶえが使われるようになるのもうれしいことです。

どんな職場

篠しの笛ぶえは竹から作ります。大おお塚つか竹ちく管かん楽がっ器きでは素そ材ざいとして,九州産の竹を仕入れています。3メートルもある原料の青竹を,まず節で切ります。竹の太さを測はかって,どの“調子”の篠しの笛ぶえにするかを決め,それに合う長さで再さい度ど,正せい確かくに切ります。切ったら,まだ青い竹を会社の屋上に並ならべ,白くなるまで日光にさらしてから,屋内で自然乾かん燥そうさせます。最低でも3年,長いものは10年寝ねかせると,竹はすっかり乾かん燥そうして,割われることはほとんどなくなります。

こうして寝ねかせた竹の長さと太さをもう一度チェックしてから,曲がりのある竹は炭火で温めて曲がりを修しゅう正せいします。竹は自然の材料ですから,曲がり具合も柔やわらかさも一本一本,違ちがいます。そのため,すべて手作業です。その後,いよいよ笛の形にしていきます。頭をふさぎ,指穴あなをあけ,息を吹ふき込こむ歌口を作ります。吹ふいては削けずり,また吹ふいては削けずって,音色を確たしかめながら,細かく調整をしていきます。この他にも,うるしを塗ぬったり,笛によっては籐とうを巻まいたりするものもあり,製せい作さく工こう程ていは60工こう程てい以上にもなります。例えば,最後に笛の筒つつの内側に細い筆を使ってうるしを塗ぬる工こう程ていがありますが,小さな穴あなから塗ぬっていくことになるので,とても繊せん細さいで難むずかしい作業です。そうした工こう程ていも,自分たちでこなしています。

でき上がった篠しの笛ぶえは,楽器問屋を通して全国で売られるほか,当社で直ちょく接せつ販はん売ばいもしています。もっとも売れるのは夏祭りから秋祭りにかけての期間です。ですから冬の間に笛をたくさん作って,お祭りのシーズンに備そなえます。


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