社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!
※このページに書いてある内容は取材日(2006年10月23日)時点のものです
私(わたし)たちの会社は,ゴミを集めて処理(しょり)をしています。家庭から出るゴミだけではなくて,飲食店やオフィスからでる生ゴミや紙ごみ,そして,病院から出るゴミも回収(かいしゅう)して処理(しょり)しているんですよ。ゴミを処理(しょり)すると言っても,すべてのゴミを燃(も)やしてしまうわけではありません。地球の限(かぎ)りある資源(しげん)を大切にするために,ゴミを再(さい)利用できるように加工することも大切な仕事のひとつです。ゴミを燃(も)やす時には,有害なダイオキシンが出ないように850度の高温でゴミを燃(も)やし,煙突(えんとつ)にもフィルターを付けて有害なガスが焼却炉(しょうきゃくろ)の外に出ないようにしています。煙突(えんとつ)から出る煙(けむり)が見えないくらいにキレイになるんですよ!こうやって,環境(かんきょう)に配慮(はいりょ)しながらゴミを処理(しょり)するのが私(わたし)たちの仕事なのです。
病院から出るゴミには「感染(かんせん)性(せい)廃棄物(はいきぶつ)」と呼(よ)ばれる特別なゴミがあります。万が一のことを防(ふせ)ぐために,注射針(ちゅうしゃばり)やガーゼ,ゴム手袋(てぶくろ)など,病気を治すために使った道具は,病気が移(うつ)る恐(おそ)れが無いものも含(ふく)めて「感染(かんせん)性(せい)廃棄物(はいきぶつ)」として扱(あつか)います。病院では専用(せんよう)のプラスチック容器(ようき)にゴミを入れてもらい,完全に蓋(ふた)をしてからトラックに積み込(つみこ)みます。処分場(しょぶんじょう)でも,作業員はマスクや手袋(てぶくろ)をして,安全に作業をします。処分場(しょぶんじょう)で作業員が降(お)ろした廃棄物(はいきぶつ)は,容器(ようき)ごと焼却炉(しょうきゃくろ)までベルトコンベアーで運ばれます。こうする事で,より安全に作業ができるのです。
私(わたし)の会社の中にもいろいろな役割(やくわり)がありますが,私(わたし)の仕事は「うちのゴミを処理(しょり)してください」と,私(わたし)の会社に仕事を頼(たの)んでくれる工場や病院を見つけてくることです。私(わたし)達はゴミを集めて正しく処理(しょり)することで,お金をもらっているんです。だから,たくさんの工場や病院から「うちの廃棄物(はいきぶつ)を処理(しょり)してください」と頼(たの)んでもらわないと,私(わたし)の会社は儲(もう)からないし,発展(はってん)していくことができないのです。毎日私(わたし)は工場や病院に出かけて,「私(わたし)たちの会社にゴミ処理(しょり)を頼(たの)みませんか?」と聞いて回ります。同じようにゴミ処理(しょり)をしている会社はたくさんあるので,他の会社よりも私(わたし)の会社は特にここが得意!ってアピールするんですよ。そして,私(わたし)の会社で処理(しょり)する事が決まると,処理(しょり)する廃棄物(はいきぶつ)のサンプルを持ち帰って処理(しょり)の方法を調べたり確認(かくにん)したりします。そして,その廃棄物(はいきぶつ)の種類に合った処理(しょり)工場を選びます。そうやって考えた内容(ないよう)をお客さんと相談して,処理(しょり)の方法が決まると,契約書(けいやくしょ)を作ったり,廃棄物(はいきぶつ)を回収(かいしゅう)する車を手配したり,たくさんの仕事があります。
営業(えいぎょう)の仕事を始めた頃(ころ)は,お客さんの仕事の内容(ないよう)が分からなくて困(こま)りました。例えば,車の修理(しゅうり)工場に行っても,私(わたし)は車の修理(しゅうり)の仕事はしたことが無いので,どういう工程(こうてい)でどういう廃棄物(はいきぶつ)(ゴミ)が出るのか分からないし,使っている機械の構造(こうぞう)も知りません。塗装(とそう)(ペンキなどを塗(ぬ)る)会社で汚(よご)れた水を回収(かいしゅう)する仕事をした時,機械に付いている水槽(すいそう)を見て「だいたい何トンくらいだな」と考えて,水を回収(かいしゅう)する車を手配したら,「裏(うら)にも水槽(すいそう)があるよ!」と言われて,回収(かいしゅう)する車が何度も行き来することになってしまったりもしました。それからは機械が分からない時は写真を撮(と)ってきて,上司に教えてもらうようにしています。仕事を続けていると,だんだんと病院の廃棄物(はいきぶつ)に詳(くわ)しくなったり,塗装(とそう)の工場に詳(くわ)しくなったり,得意な分野ができてくるので,仲間で教え合って協力します。教科書はないので,全て自分達で調べて覚えていくしかないんですよ。
実は,もともと今の営業(えいぎょう)という仕事をしていた訳(わけ)でも,希望していたわけでもないんです。今の会社でも前の会社でも,事務(じむ)の仕事をしていました。工場の中の現場(げんば)の見える事務(じむ)の仕事が好きだったんです。前の会社では,会社の外の人と話すことはなかったので,この会社に入った時は電話をするのも緊張(きんちょう)しました。それが,会社の人達の前で話したり,新しく会社に入りたいという人の前で話したりする機会もあり,だんだんと慣(な)れていきました。ある日,社長に「電話対応(たいおう)も上手いし,営業(えいぎょう)をやらないか?」と言われ,営業(えいぎょう)の仕事をすることになったんです。得意なことや,やる気があれば色々(いろいろ)なことに挑戦(ちょうせん)させてもらえる会社なんです。自分には営業(えいぎょう)の仕事は向いていないと思ってたんですが,知らないうちに人と話すことも得意になっていたんですね。
普段(ふだん)は,お客さんと話をすることが多いんですが,私(わたし)の会社の人との繋(つな)がりも大事にしていますね。営業(えいぎょう)の私(わたし)達が仕事を取っても仕事が完成する訳(わけ)ではないですから。ゴミを回収(かいしゅう)する人がいて,処分(しょぶん)する人がいて,伝票を作る人がいて・・・。多くの人が関わって初めて1つの仕事が成り立つんですよね。仕事の指示(しじ)を書類で出すだけでなく,回収(かいしゅう)や処理(しょり)をする人と相談したり,コミュニケーションを取りながら仕事をする事が大切です。私(わたし)は現場(げんば)の仕事をしたことは無いから,どの車がどんなゴミを集めることが出来るのか,などを把握(はあく)するのも大切です。現場(げんば)のことを知らないので仕事の指示(しじ)を出すと,回収(かいしゅう)や処理(しょり)をする人が困(こま)ってしまいますからね。自分の仕事を終えたら自分はもう関係ないではなく,最後まで責任(せきにん)を持つ事が大切です。何か失敗した時もみんなで協力してフォローしながらやれば失敗も失敗でなくなりますからね。
新潟(にいがた)中越(ちゅうえつ)地震(じしん)の時,新潟(にいがた)でゴミを処理(しょり)する仕事をしている会社さんと協力して,100tのゴミをボランティアで運びました。私(わたし)の上司も泊り込(とまりこ)みで役所の人と話をしたり,ゴミを集めるトラックに指示(しじ)を出したりしていました。私(わたし)達の会社がきちんと利益(りえき)を上げて大きくなっているからこそ,こういう良いことができるのだと思います。安くゴミ処理(しょり)をするものお客さんにとっては良いことかもしれませんが,ゴミ処理(しょり)をする会社が潰(つぶ)れてしまったら?ゴミを捨(す)てる所がなくなってしまったら?その辺にゴミがいっぱい置かれていたら?嫌(いや)ですよね。いつもきちんと仕事ができる,困(こま)っている人がいたら助けられる,会社が利益(りえき)を上げて発展(はってん)しているからこそできることですね。いい事をして自分の会社が新聞に載(の)ると,いつもがんばって仕事をして良かったなぁ~と思います。
子どもの頃(ころ)は本を読むのが好きでした。ひっそりと過(す)ごすのが好きだったんです。もちろん,友達と遊びに行くことも好きでしたよ。でも,目立つのは苦手で人前で話すのも集団(しゅうだん)生活も苦手でした。集団(しゅうだん)登校も一緒(いっしょ)に行かずに,兄と2人で遅刻(ちこく)ぎりぎりに行っていました。マイペースだったんでしょうね。給食も食べるのが遅(おそ)くても,ゆっくり一人で食べてましたから。この頃(ごろ)のことを考えると,今きちんと会社に来て人としっかり話しているのが不思議なくらいですね。勉強は嫌(きら)いじゃなかったけど,親はいい点を取っても褒(ほ)めてくれないし成績(せいせき)にも無関心,,,。何も言われないので,逆(ぎゃく)に自分でちゃんと勉強しなきゃ!と思ってました。
何でも興味(きょうみ)を持つ事が大切です。興味(きょうみ)を持って生活すれば,ちょっと外に出て調べてみようと思ったり,誰(だれ)かと話して気づくこともたくさんあるものですよ。私(わたし)の今の仕事でも,工場の中はこんな風になっているんだとか,自分の知らなかった世界を見ることがあるのですが,興味(きょうみ)を持っているからこそ新しいことに気づいて,面白い!と思うことができます。新しいことに気づくと,今まで自分が持っていなかった考え方やアイディアが生まれて,毎日の生活がだんだんと変わってきます。興味(きょうみ)を持って,自分が動くことはとっても大切なんですよ。