• 東京都に関連のある仕事人
  • 1963年 生まれ

    出身地 埼玉県

運輸業

倉地くらち 誠次せいじ

  • 仕事内容

    お客さまの荷物をあずかり,指定された場所までとどける。

  • 自己紹介

    いろいろな人としゃべるのが大好き。自分が話したり,人の話を聞いたりして,他の人の考え方やかんを知るのが楽しいです。

  • 出身高校

    駿台学園高等学校

  • 【このページに書いてある内容は取材日(2018年10月16日)時点のものです】

倉地 誠次


仕事人記事

荷物はせいかくに,ていねいに運ぶ

荷物は<ruby>正<rt>せい</rt></ruby><ruby>確<rt>かく</rt></ruby>に,ていねいに運ぶ

わたしは東京都だちにある「かぶしきがいしゃ ながうん」という運送会社の社長をしています。わたしの会社の仕事は,いろいろな荷物を運ぶことです。うちであつかう荷物では,せんざいや歯みがきなどをせいぞうしている大手生活用品メーカーのせいひんがもっとも多く,会社の仕事の4わりめています。わたしたちの会社では,おもに,しゅけんにある,このメーカーの3つの物流きょてんから,関東やこうしんえつの指定された問屋に荷物を運んでいます。
工場で作られたせいひんは,いったんメーカーの物流きょてんに集められてから,各地の問屋に必要な量だけ運ばれます。そしてそれぞれの問屋から,スーパーやドラッグストアなどの小売店に運ばれていき,みなさんの手にとどきます。この中で,物流きょてんから問屋へ,せいひんをトラックで運ぶのがわたしたちの仕事です。会社のトラックは13台あり,このほか,協力会社にたのんで運んでもらう荷物もあります。
メーカー側からは,「どの荷物をどこにとどけるか」のが来ます。そうしたら,どのトラックにどの荷物をどれだけせて,どんなルートでとどけるかを,うちの会社の手配たんとうしゃが決めるんです。うちではこうしんえつまでをたんとうしているので,広いエリアにどうやって荷物をとどけるか,車の大きさや道路のみ具合,それぞれのドライバーののうりょくなどのようをすべてあくして荷物をけていくのは,ベテランの手配たんとうしゃの仕事です。
あとはトラックドライバーの出番です。荷物を積み,時間に間に合うように,また荷物をきずつけることがないように,安全でていねいなハンドルさばきでおとどさきに向かいます。

ドライバーの記録はデータで管理する

ドライバーの記録はデータで管理する

わたしは,朝7時30分に出社します。そのころには,ドライバーはすでに物流きょてんに向かって出発しています。わたしは会社に来ると,最初にその日のけいざいとスポーツ新聞に目を通します。けいざいに関することは,仕事で他のぎょうの人たちと話すときの重要な話題になりますし,スポーツ紙も会話のネタになります。
それから,前日分のドライバーのにっぽうの整理をします。13人いるトラックのドライバーたちが,一日の行動を記録したものが“にっぽう”です。どの物流きょてんからどの問屋まで,何の荷物をなん運んだか,何キロ走って高速道路料金はいくらかかったか,といった,すべてのデータを3時間以上かけて整理します。トラックが走ることでねんりょうだいや高速代などのけいがかかりますが,これを荷物を運んで得られるしゅうにゅうと合わせてぶんせきしなければ,運送会社のけいえいは成り立ちません。データ管理は会社にとって,とても大切な作業です。
午後のわたしの仕事はその日によってまちまちです。お客さんに新しいていあんをしたり,ときにはお客さんと,トラブルのかいけつのためにどうすればいいかの打ち合わせをしたりすることもあります。そのほか,会社のけいの作業もわたしの重要な仕事です。

トラブルをなくすために努力する

トラブルをなくすために努力する

運ぶせいひんだんボール箱に入っていますが,そのだんボールがへこんだりきずがついたりしたら,中身のせいひんは何ともなくとも,問屋さんから「持って帰ってほしい」と言われてしまいます。とても気をつかうところです。たしかに,問屋が小売店にとどけたときに,へこんだ箱を持っていったら,いい顔はされませんよね。「これ,中身はだいじょうかい」と言われてしまうので,問屋も最初からそういう荷物は受け取らないのです。だからわたしたち運送業者は,だんボールもいたまないように,しんちょうに運ばなければいけません。
また,のうひん先でうちのトラックがまって出ていったあとに,オイルがいってきでもたれていたとします。食品をあつかっている問屋などではえいせいびんかんなため,これが大問題になって,「車両管理はどうなっているんだ」と言われてしまいます。こうしたこともあるので,わたしの会社では,月に1回,ドライバー全員を集めて,やトラブルの事例をしょうかいし,仕事上のじょうほうを共有して,問題が起こらないように努力しています。

何よりもじゅうぎょういんを大切に

何よりも<ruby>従<rt>じゅう</rt></ruby><ruby>業<rt>ぎょう</rt></ruby><ruby>員<rt>いん</rt></ruby>を大切に

ながうんは,家庭的な会社で働きやすいと社員からは言われます。てんしょくの多いこの業界ですが,うちの会社のドライバーはへいきん13〜14年と長くつとめてくれていて,ていちゃくりつがいいのがまんです。ドライバーが社長に言いたいことを言えるふんもあります。
ドライバーにはつねがおせっするようにしています。ときには早くとどけたい荷物もありますが,「急げ」とドライバーをあせらせるようなことは言いません。トラックが出発したら,あとはドライバーまかせですから,落ち着いて自分のペースで運転できるようにするのが一番です。
帰ってきたドライバーにはなるべく声をかけて,要望やほうこくがあればしっかり聞きますし,問題があれば,お客さんとも打ち合わせてきちんとたいおうをします。ドライバーに少しでもストレスがたまらないように,みんなでがおむかえて,よくじつまた元気に運転してもらいたいんです。
わたしが以前いた運送会社は3000人の大きな会社でしたが,今の会社は18人です。小さな会社ですが,一人一人の顔が見えるので,今のほうがおもしろいとわたしは思います。

社長になってからけいえいの勉強を始めた

社長になってから<ruby>経<rt>けい</rt></ruby><ruby>営<rt>えい</rt></ruby>の勉強を始めた

わたしは高校を卒業して,最初は大手のけんせつ会社に入社しました。わたしは土木部門だったので地方の工事げんを転々とする生活で,1か月も家に帰らない日々が続きました。その後,運送会社に入って,15年間,ないきんしょくの仕事をしました。あるとき,仕事で付き合いのあったながうんの先代社長からさそわれて,今の会社に入社し,もう20年になります。
2010年に,わたしは5代目の社長になりました。けいえいのことは何もわからなかったのですが,けいのことから勉強を始めました。けいえいのことも全部どくがくです。本を読んだり,インターネットで調べたりしながら勉強をし,「社長は何をすればいいのか」ばかり考えて,頭はいっぱいでした。今ではけいえいのこともやっとわかってきて,それほどこまることはなくなりましたが,最初の3年は苦労しましたね。
今は,「会社をきちんと続ける」ことを大事にしています。大きくはならなくとも,きちんと会社が続いてじゅうぎょういんの人たちが働き続けられるようにしたいと思いながら,この会社をけいえいしています。

のうせいを信じてゆめを広げよう

<ruby>可<rt>か</rt></ruby><ruby>能<rt>のう</rt></ruby><ruby>性<rt>せい</rt></ruby>を信じて<ruby>夢<rt>ゆめ</rt></ruby>を広げよう

わかいみなさんは,やりたいことになんでもチャレンジしてください。のうせいを信じて自分のゆめをどんどん広げていってほしいと思います。
げんだいはデジタルの時代で,会社もITぎょうが人気です。パソコンの前にすわってアプリやゲームを作る仕事もいいのですが,さわれるモノを作ったり,運んだりする仕事も,とてもおもしろい仕事だとわたしは考えています。きょうがあれば,ぜひ,形あるモノを作ることの大切さを感じられる仕事を目指してみてください。
また,本はたくさん読むといいと思います。わたしは子ども時代に勉強があまり好きではなくて,本はあまり読んでいませんでした。社長になってから勉強するために本をたくさん読むようになりましたが,子どものころからもっと本を読んでおけばよかったなと,今になって思います。本を読めば,行ったことがない世界にも行けるし,会えない人にも会うことができます。本を読めば,世界が広がるはずです。

  • 取材・原稿作成:東京書籍株式会社/協力:城北信用金庫

私のおすすめ本

  • 空飛ぶタイヤ

    池井戸 潤

    正しいと思ったら自分を信じてまっすぐ進み,相手がどんなに強くてもあきらめない。そうやって最後までやり抜けば努力は報われる,ということを教えてくれる小説です。