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神奈川県に関連のある仕事人
1982年 生まれ 出身地 大阪府

片山(かたやま) 公宏(きみひろ)
子供の頃の夢: おもちゃ屋
クラブ活動(中学校): ハンドボール部
仕事内容
お客さまと一いっ緒しょに,VRシステムやインタラクティブコンテンツのシステムをつくる。
自己紹介
アクティブですが,人見知りです。休日はフットサルで体を動かしたり,居い酒ざか屋やでお酒を飲んだりして気分転てん換かんをしています。

※このページに書いてある内容は取材日(2020年11月30日)時点のものです

お客さまからの要望を聞いて,VRシステムをつくる

お客さまからの要望を聞いて,VRシステムをつくる

私わたしは,「株かぶ式しき会社ソリッドレイ研究所」という会社でVR(バーチャルリアリティ)やインタラクティブシステムのプログラマーとして働いています。 ソリッドレイ研究所は1987年に設せつ立りつされた会社で,「VR」という言葉が一いっ般ぱん的てきになる前からVRの開発を行ってきた,老舗しにせのVR専せん門もん会社です。
私わたしの仕事は,お客さまからの「VR技ぎ術じゅつを使って,こういうものをつくりたい」という要望を聞いて,VRシステムの設せっ計けいやプログラミングを行うことです。ソリッドレイ研究所は,自社で開発した「オメガスペース」というVR用ソフトウェアを使って,産業用のVRを専せん門もんに開発しています。産業用なので,個こ人じんのお客さま向けではないのですが,お客さまは,建けん設せつ会社や大学,美び術じゅつ館かんなど,さまざまです。私わたしたちは,お客さまから依い頼らいを受け,毎回,これまで誰だれもつくったことのない,新しいVRシステムをつくっています。そのため,お客さまからのさまざまな要望をヒアリングしたり,一いっ緒しょに考えたりする機会も多くあります。ですから,開発を進めるうえでは,プログラミングに関する知ち識しきだけでなく,コミュニケーション能のう力りょくも求められます。

つくっているVRのジャンルはさまざま

つくっているVRのジャンルはさまざま

私わたしが開発しているVRのジャンルはさまざまですが,中でも「研究開発支し援えん」「安全教育支し援えん」「エンターテインメント」に関連するものが多くなっています。
「研究開発支し援えん」のVRは,主に大学や企き業ぎょうの研究機関で使われるものです。たとえば,以前,建けん設せつ会社からの依い頼らいで,津つ波なみの浸しん水すい状じょう況きょうをシミュレーションできるようなツールを開発したことがあります。このツールでは地形データや範はん囲い,水の流入位置などを設せっ定ていすることで,沿えん岸がん域いきや街の津つ波なみ被ひ害がいをシミュレーションしたものを,VRで体験することができます。よりわかりやすく,リアルに津つ波なみの脅きょう威いが感じられるようになります。
「安全教育支し援えん」の分野では,工場でのミスによる事じ故こを疑ぎ似じ体験できるようなプログラムなどを開発しています。たとえば,タイヤの製せい造ぞう工場では,成せい型けい前のゴムをタイヤの長さにカットするための機械を使いますが,その際さいに誤あやまった位置に手を置いて作業をしたらどのような事じ故こが起こってしまうのかをVRの中で実じっ際さいに体験できる,というようなもので,企き業ぎょう内の安全教育や研けん修しゅうなどで使われます。
「エンターテインメント」分野の場合は,普ふ段だんなかなか行くことができない場所や見ることができないものを,VRを通して体験できるようなコンテンツをつくる場合が多いです。たとえば過か去こには,水族館で深海魚の生せい態たいに興きょう味みを持ってもらうため,水の中に潜もぐって深海魚たちと触ふれ合あっているかのような体験ができるコンテンツをつくりました。
エンターテインメントの分野では,VR技ぎ術じゅつを使ったインタラクティブコンテンツも制せい作さくしています。インタラクティブコンテンツとは,壁かべや床ゆかなどに投とう影えいされている映えい像ぞうに触ふれると,その映えい像ぞうが反はん応のうするようなもののことをいいます。センサーで人の動きを検けん知ちして,人の動きに応おうじた反はん応のうを起こすようにつくってあります。たとえば,床ゆかに投とう影えいされた月面の映えい像ぞうの上を歩くと,まるで本当に月の上を歩いたかのように足あし跡あとがつく,というようなものです。
私わたしはこのようなVR技ぎ術じゅつを使ったさまざまなコンテンツを,どのように動かしたり制せい御ぎょしたりするのかを考え,設せっ計けいから実じっ装そうまで,一通りの工こう程ていに携たずさわっています。

システムの提てい案あんから納のう入にゅうまで関わる

システムの提案から納入まで関わる

私わたしの仕事は主に,提てい案あん・設せっ計けい・開発・納のう入にゅうの大きく4つの工こう程ていに分かれています。
まずは,営えい業ぎょう担たん当とうと一いっ緒しょにお客さまのところに行き,要望をお聞きします。お客さまからの要望は「3Dシアターをつくりたい」「インタラクティブ映えい像ぞうを使って何かコンテンツをつくれないか」など大まかな内ない容ようであることがほとんどです。技ぎ術じゅつ的てきな調ちょう査さを行いながら,お客さまの要望を実じつ現げんさせるためにはどうしたらいいのかを考え,提てい案あんします。
どのようなコンテンツにするのか,お客さまとの話がまとまったら,まずは設せっ計けい作業を行います。システムの構こう成せいを具体的に考えて図面を描かいたり,どのような工こう程ていやスケジュールで進めていくかを考えたりします。その後,開発の工こう程ていに移うつり,設せっ計けいしたものをもとに,コンテンツを動かすための指し示じなどをプログラミングしていきます。最後は,プロジェクターなどを設せっ置ちするハードウェア担たん当とうのチームと一いっ緒しょに実じっ際さいに現げん場ばに行って,システム機器を設せっ置ちしたり,現げん場ばの環かん境きょうに合わせてシステムを調整したりして,完成したら納のう入にゅうします。
仕事の規き模ぼは大小さまざまで,小しょう規き模ぼなものだとこれらの工こう程ていを全て一人で行うこともあります。ミュージアムに展てん示じするコンテンツなど,提てい案あんしてから施し設せつのオープンまで何年もかかるような大だい規き模ぼなプロジェクトだと,10人ほどのチームを組んで仕事を進めていくこともあります。

大変な仕事ほど,やりがいや楽しさも感じる

 大変な仕事ほど,やりがいや楽しさも感じる

私わたしにとって印いん象しょう深ぶかい仕事の一つは,2018年にアメリカのラスベガスで開かい催さいされた「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー。電子機器の見本市)」というイベントで,トヨタ自動車のコンセプトカーの展てん示じに関わったことです。ソリッドレイ研究所のVR技ぎ術じゅつが,その展てん示じに使用されました。コンセプトカーとは,自動車メーカーが展てん示じのために製せい作さくする自動車のことです。
このときは,ドライバーの表ひょう情じょう・視し線せん・音声などを認にん識しきするAIが搭とう載さいされ,そのAIと会話をしながらドライブが楽しめるという,近未来の自動車が展てん示じされました。AIはドライバーとの会話をもとに,ドライブ中に,おすすめのお店やルートなどをフロントガラスの下部に表ひょう示じして提てい案あんしてくれます。私わたしは,フロントガラスに表ひょう示じされる,VR技ぎ術じゅつを使用した風景の映えい像ぞうとシステムをつないだり,AIの音声システムを制せい御ぎょしたりする部分を担たん当とうしました。プロジェクトリーダーとして全体作業に関わっていた私わたしにとって,細かい部分の制せい作さくを他の会社と連れん携けいして行うなど,これまでに経けい験けんしたことのないやり方に苦労する場面も多くありました。またアメリカの展てん示じ会かいだったため,現げん地ちでシステムの設せっ置ちやメンテナンスを行う必要があり,合計で1か月間ほどの長期出しゅっ張ちょうも経けい験けんしました。慣なれない環かん境きょうで仕事をしたという意味でも大変なプロジェクトでしたが,無事に終わり,大きなやりがいや楽しさを感じました。

お客さまからの難むずかしい要望にも「無理だ」とは言わない

お客さまからの難しい要望にも「無理だ」とは言わない

私わたしが仕事をするうえで大切にしていることは,お客さまからの要望に対して「それは無理です」と言わないことです。技ぎ術じゅつ的てきに困こん難なんで,たとえ100パーセント,要望通りのものができないとしても,「ここまでならできます」「まずはこういうシステムでトライしてみませんか?」という,前向きな提てい案あんをすることを心がけています。そのような提てい案あんをするためには,まずはお客さまの業界のことを知らなければいけないので,お客さまの業界について調ちょう査さもしなければいけませんし,VR開発の部分でも,どんな技ぎ術じゅつを使えばやりたいことが実じつ現げんできるかを知るために,技ぎ術じゅつ的てきな調ちょう査さをすることも欠かせません。
また,「お客さまと一いっ緒しょにつくる」ということも常つねに意い識しきしています。仕事を依い頼らいしてこられるお客さまはさまざまで,私わたしたちは毎回,これまでにない新しいものをつくっています。そのため,つくっている途と中ちゅうでお客さまの要望通りにいかないことも,ときには出てきます。そんなとき,私わたしたちだけでなんとかしようと考えるのではなく,お客さまにも相談して,一いっ緒しょに解かい決けつ策さくを考えるようにしています。私わたしはお客さまのことを,一いっ緒しょにものをつくる「仲間」でもあるというふうに考えて,いつも仕事をしています。

常つねに新しい技ぎ術じゅつに触ふれることができる

常に新しい技術に触れることができる

私わたしは子どものころから,「新しい技ぎ術じゅつを使って新しいものをつくる」ということにずっと興きょう味みを持っていました。VRに興きょう味みを持ったのも,まだ「VR」という言葉が今ほど浸しん透とうしていなかったころです。大学時代に教きょう授じゅから話を聞く機会があり,面おも白しろそうだと思ったのが一つのきっかけでした。そして,VR業界で仕事をすれば,新しいものに触ふれられる機会がたくさんあるのではないかと思ったのです。そうした経けい緯いがあって,大学卒業後,VRの老舗しにせ企き業ぎょうであるソリッドレイ研究所に入社し,プログラマーとしての仕事を始めました。
入社してからも,技ぎ術じゅつがどんどん進歩していることを肌はだで感じています。たとえば,私わたしがソリッドレイ研究所に入って間もないころ,ARコンテンツの仕事を担たん当とうしたことがありました。AR(拡かく張ちょう現げん実じつ)は,現げん実じつの風景にCGなどを重ね合わせて表ひょう示じする技ぎ術じゅつです。当時,制せい作さくしたのは,真っ白なビルの模も型けいを専せん用ようのカメラで撮さつ影えいして,模も型けいの映えい像ぞうの上にCGを合成し,上下左右に動かすことができるレバーを操そう作さするとカメラが動き,カメラと連動した映えい像ぞうが,設せっ置ちされた専せん用ようのモニターに表ひょう示じされるというものでした。今ではスマートフォン一つで簡かん単たんに操そう作さできるようなARコンテンツが多くありますが,このときはまだ,今ほどの技ぎ術じゅつはなく,開発にも時間がかかりました。このように私わたしが入社したころと現げん在ざいとを比くらべても,新しい技ぎ術じゅつが生まれたり,進歩したりしています。この仕事を続けていれば,これからも新しい技ぎ術じゅつに出会い,新しいものをつくっていくことができると期待しています。

子どものころから,ものをつくることが好きだった

子どものころから,ものをつくることが好きだった

私わたしは小学生くらいのころから,パソコンやロボットが好きでした。私わたしの父親は,新しいパソコンが発売されると真っ先に手に入れてくるような新しいもの好きで,私わたしもその影えい響きょうを受けたのだと思います。また,NHKの『アイデア対決・ロボットコンテスト(ロボコン)』という番組が好きでよく見ていました。毎回,発表される競きょう技ぎ課題に合わせてロボットを製せい作さくし,競きょう技ぎを通じてその成果を競きそい合うというものです。ずっと憧あこがれていたこのコンテストに,高校生のとき,私わたしも出場することができました。私わたしが出場した年の競きょう技ぎ課題は「ドジョウすくい」で,仲間たちと一いっ緒しょにロボットの設せっ計けいから行い,とても楽しかったことを覚えています。なかなかうまくいかないこともありましたが,最終的にはどうにかロボットを動かすことができ,達成感を味わいました。「仲間と一いっ緒しょにものをつくりあげる」という意味では,今の仕事でも,このときとやっていることは変わっていませんね。

好きなものに触ふれる機会をたくさんつくってほしい

好きなものに触れる機会をたくさんつくってほしい

今,もしみなさんに何か好きなことがあるのなら,それに触ふれる機会をたくさんつくって,さまざまな体験をしてほしいと思います。私わたしは子どものころから機械が好きで,自分で手を動かしてものをつくることも大好きでした。小学生くらいのころから,工業高校に入りたいと考えるようになり,中学生のときには,プログラミングの本を自分で購こう入にゅうし,独どく学がくで勉強をしていました。高校に入学してからは,本ほん格かく的てきにプログラミングを学んだり,ロボットをつくったりしてきて,今は自分の好きなことを仕事にできています。自分で積極的に好きなことに触ふれてとことんその道を究きわめていくことは,とても楽しいことであると私わたしは思っています。みなさんも好きなことが見つかったら,自分の好きなように,その道をどんどん進んでいってほしいです。

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工科大学の理系男子たちが主人公の,痛快な青春物語です。ものをつくることが好きな人には,特に楽しく読める本だと思います。自分の学生時代を思い出しつつ,こんな学生生活だったら楽しそうだなと思いながら読みました。

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取材・原稿作成:土居 りさ子(Playce)・東京書籍株式会社/協力:横浜銀行