仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1977年 生まれ 出身地 神奈川県

末廣(すえひろ) 章介(のりゆき)
子供の頃の夢: 科学者
クラブ活動(中学校): バレーボール部
仕事内容
小学生に「プログラミングの楽しさ」を知ってもらうためのアプリを開発し,授じゅ業ぎょうを行う。
自己紹介
プログラミングが何よりも好きです。休日は家族でキャンプに行ったり,スキーに行ったりと,アウトドアを楽しんでいます。

※このページに書いてある内容は取材日(2019年01月31日)時点のものです

小学生を対象に「プログラミングとは何か」を教える

小学生を対象に「プログラミングとは何か」を教える

「株かぶ式しき会がい社しゃディー・エヌ・エー」という会社で,小学生の子どもたちに「プログラミング」を知ってもらうためにいろいろな活動を行っています。具体的には実じっ際さいに小学校に行き,専せん用ようのアプリケーションやタブレットを使用しながら,子どもたちに授じゅ業ぎょうを行っています。プログラミングとは楽しいもので,こんなふうに社会に役立っているんだよ,ということを知ってもらうのが大きな目的です。また,授じゅ業ぎょうに使うアプリケーションも自分自身でつくっています。
「2学期に授じゅ業ぎょうをしてほしい」という依い頼らいが多いので,その時期は毎日のようにいろいろな小学校に行っています。授じゅ業ぎょうでは,各教科の学習内ない容ようの中で,「プログラミングがどう役立つのか」という説明は学校の先生が担たん当とうし,「実じっ際さいにプログラミングをする」という専せん門もん的てきな内ない容ようになってから私わたしが担たん当とうすることが多いです。また,これまでは低学年向けの授じゅ業ぎょうが多かったんですが,2019年に入ってからは高学年向けの授じゅ業ぎょうの依い頼らいも増ふえてきました。

いろいろ試ためしながら,使用するアプリケーションも自分で開発

いろいろ試しながら,使用するアプリケーションも自分で開発

授じゅ業ぎょうを行っていないときは,授じゅ業ぎょうで使うアプリケーションの開発や修しゅう正せいを行っています。実じっ際さいに自分が授じゅ業ぎょうを行ってみて,うまくいかなかった部分や,「こうしたら,もっとわかりやすくなるのでは」と感じた部分を直していくことが多いです。ときには,学校の先生から「こういう内ない容ようを新たに加えてほしい」という要望が出ることもあります。また,もっとプログラミングに親しんでもらえるように,最近ではアニメ作品とのコラボレーションなども行っています。
もともと私わたしはこの会社で,「アプリゼミ」という子ども向けの通信教育用アプリケーションを開発していました。2014年ごろ,「佐さ賀が県けんの武たけ雄お市しで子どもたちにタブレットを配はい布ふしているのだが,その端たん末まつで学べる低学年用のプログラミングの教材を探さがしている」という話が会社に来たんです。それで,子ども向けのアプリケーション開発の経けい験けんがあることから,私わたしが教材の開発を担たん当とうすることになりました。海外にはすでに子ども向けのプログラミング教育用アプリケーションがありましたが,日本では学校によって使用しているタブレットの性せい能のうやインターネットの接せつ続ぞく環かん境きょうなどが違ちがうため,そのままどの学校でも使えるものではありませんでした。そこで,アプリケーションを一からつくることにしたんです。当時,小学校1年生だった自分の子どもに使ってみてもらい,修しゅう正せいしてはまた試ためして……ということを繰くり返かえしながらつくり上げていきました。

授じゅ業ぎょうと開発の両方を同時に進めていく難むずかしさ

授業と開発の両方を同時に進めていく難しさ

授じゅ業ぎょうを行うのもおもしろいんですが,私わたし自身も自分でプログラミングをするのが何よりも好きです。授じゅ業ぎょうが忙いそがしくなるとなかなか自分でプログラミングする時間がとれない,という悩なやみがあります。でも,アプリケーションの問題点を修しゅう正せいし,より良いものにするためには,実じっ際さいに授じゅ業ぎょうを受けている子どもたちの反はん応のうを見ることが一番大切なんですね。子どもたちは,私わたしが予想もしなかったような操そう作さをすることが多くあります。だから,どのようなことを考えて,どのように操そう作さしたのかを理り解かいしなければなりません。操そう作さの内ない容ようは,「ログ」という情じょう報ほうから調べることもできるのですが,「子どもたちがどこに納なっ得とくしていないのか」を確たしかめるためには,やはり自分自身の目で見るしかないのです。
また,2020年から小学校ではプログラミング教育が必ひっ修しゅう化かされます。そのため,小学校からの授じゅ業ぎょうの依い頼らいは増ふえています。しかし,「プログラミングを授じゅ業ぎょうに取り入れたいけれども,具体的な内ない容ようや専せん門もん的てきなことまではわからない」という先生も多いです。また,私わたしたちも今あるカリキュラムを紹しょう介かいすることはできても,すべての学校で授じゅ業ぎょうをすることはできません。だから,授じゅ業ぎょうをサポートする人を育てるなど,今,必要なことを考えながら動いています。

子どもたちの表ひょう情じょうが変わる瞬しゅん間かんはうれしい

子どもたちの表情が変わる瞬間はうれしい

授じゅ業ぎょうを行うと,ほとんどの子どもから「やってよかった」「面おも白しろい」という反はん応のうが返ってきます。ゲーム感覚で学習できるようにつくってあるので,子どもたちも違い和わ感かんなく,集中して取り組めるんですね。こちらの想そう像ぞうを超こえるプログラムをすぐにつくり上げてしまう子どもも中にはいます。将しょう来らいが楽しみだな,と思いますね。
子どもたちには,「プログラミング」を,「コンピュータに対してお願いすること」だと教えています。パソコンやタブレット,ゲーム機だけでなく,エアコンや電子レンジ,冷れい蔵ぞう庫こなど,私わたしたちの身近にはコンピュータが組くみ込こまれたものがたくさんあり,そのどれも勝手に動いているのではなく,実は誰だれかがプログラミングした通りに動いているんだよと説明するんです。すると,目の前にあるゲームみたいなプログラミングと,社会で役立っているプログラミングとがつながって,「あぁ,そういうことなんだ」ってわかってもらえるんですね。この瞬しゅん間かん,子どもたちの表ひょう情じょうがぐっと変わります。これはすごくうれしいし,やりがいを感じますね。
また,最近では私わたしのつくったアプリケーションを海外のユーザーも使い始めているようです。先日も,ブラジルのユーザーから評ひょう価かのコメントをもらいました。地球の反対側でも使ってくれているんだと思うと,とても感かん慨がい深ぶかいですね。

「プログラミングの楽しさ」をいかにわかってもらえるか

「プログラミングの楽しさ」をいかにわかってもらえるか

アプリケーションを開発する上では,「プログラミングの楽しさ」をいかにわかってもらえるか,ということを大切にしています。ただ「こんな機き能のうがそろっていればいいんでしょう?」という考え方でつくっておしまいにしてしまうと,使う人が納なっ得とくできないものになってしまいます。「そうか,プログラムってこうやってできるんだ」と納なっ得とくしてもらえるような体験を提てい供きょうするためには,どのような設せっ計けいが良いのか考えなければなりません。それはすごく難むずかしいことなので,日々いろいろと考え,試ためしていく必要があります。
今の時代,プログラムに関わるのは私わたしたちプログラマーだけでないですよね。どんな仕事でも,コンピュータがとても身近にあって,何かしらのプログラムが仕事に関わっています。だったら「プログラミングってこういうものだよ」ということを体験しておけば,直ちょく接せつ自分がプログラミングをすることはなくても,コンピュータと仲良しになることができるし,コンピュータに対する苦手意い識しきみたいなものもなくなります。今やっていることは,そういう「コンピュータやプログラミングをより親しく感じてもらう」ための活動だと思っています。

初めて自分で「円」を描かいたときの驚おどろきと喜び

初めて自分で「円」を描いたときの驚きと喜び

最初にプログラミングに興きょう味みを持ったのは,大学生のときでした。自分の書いた命令どおりにコンピュータが動くことに「これはすごい」と思ったんです。一番印象に残っているのは,2年生のときの「プログラミングでグラフィックを描かく」という授じゅ業ぎょうでした。その中で「円」を描かく課題があったのですが,そのプログラムをつくるためには,数学の知ち識しきが必要なんです。それが高校で学んだ「三角関数」だったんですね。「三角関数をここでこうやって使うのか!」と驚おどろきましたし,すごく感動したんです。ただの円でしたが,あのときの感かん情じょうは今でもはっきりと覚えています。
そこからプログラミングに興きょう味みを持ち,コンピュータ・サイエンスを学ぶための研究室に進みました。その後,携けい帯たい電話に組くみ込こまれているブラウザとか,アプリケーションを動かすための仕組みをつくっている会社に10年ほど勤つとめ,今の会社に転てん職しょくしてからはゲームエンジンという,ゲームをつくるための仕組みづくりなどに携たずさわりました。

「好きなこと」を仕事にしてほしい

「好きなこと」を仕事にしてほしい

みなさんにお伝えしたいのは,「好きなことを仕事にするのはいいよ」ということと,「世の中にはいろいろな働き方があるよ」ということでしょうか。例えば私わたしは今,そんなに時間にしばられることもなく,自分の働く時間はある程てい度ど,自分の判はん断だんで決めることができます。また,満員電車に乗ることもそんなにないですし,スーツを着る必要もありません。高校生くらいのときは「スーツを着て,毎日,満員電車で会社に通うような社会人になるのかな」と何となく想そう像ぞうしていましたが,実じっ際さいは想そう像ぞうとはずいぶんと違ちがう生活をしています。しかも今は子どもたちを相手に授じゅ業ぎょうを行っていますし,これはまったく想そう像ぞうしていなかったですね。
もちろん仕事が忙いそがしくなることはありますが,私わたしはプログラミングが何よりも好きなので,あまり苦にならないんです。だから,ぜひみなさんも好きなことを見つけ,それを仕事にしてください。そのためにも,まずはいろいろなことにチャレンジしてほしいなと思います。

ファンすべてを見る

(神奈川県 中2)
(山形県 中1)
(山口県 小6)
(三重県 小6)
(新潟県 中2)
(長野県 中2)
※ファン登録時の学年を表示しています

私のおすすめ本

佐藤 さとる
小学校高学年のころ,よく読みました。自分だけの場所で小人に出会うという世界観が好きです。挿絵も雰囲気が合っていて好きです。

もっと知りたいこの仕事人

取材・原稿作成:東京書籍株式会社